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労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行について
平成24年2月13日基発0213第6号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第6号。以下「改正省令」という。)が平成24年1月20日に公布され、同年4月1日から施行される。その改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、その施行に遺漏なきを期されたい。
記
第1 改正の趣旨
1 免許試験の受験機会の拡大等
試験制度全般の点検及び受験者の視点に立った試験実施のあり方等の改善の方向性について検討がなされた「労働安全衛生法関係試験制度等の見直し検討会」(平成22年4月)の報告書において、特に危険性が高い作業に係る資格については、事前の実務経験ではなく、事後の研修等により必要な技能を付与するスキームの導入及びそれによる受験資格の要件緩和等を検討する方向が示された。
これを踏まえ、高圧室内業務主任者免許等の免許試験の受験資格を廃止し、免許交付要件に実務経験を設けるための改正を行ったものである。
2 登録機関によるボイラー及び第一種圧力容器に係る製造時等検査の実施
先般開催された省内事業仕分けにおいて、行政の効率化や民間活力を活用する観点から、改革案として、現在労働局が実施しているボイラー及び第一種圧力容器の製造時等検査について登録機関が実施できるような制度とすることを提示したところである。
これを実現するため、ボイラー及び第一種圧力容器に係る製造時等検査(構造検査、溶接検査及び使用検査)について、登録機関による実施ができるようにするための改正を行ったものである。
第2 改正の内容、留意事項等
1 免許試験の受験機会の拡大等
(1) 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)の一部改正(改正省令第1条関係)
ア 高圧室内作業主任者免許試験、ガス溶接作業主任者免許試験、林業架線作業主任者免許試験、二級ボイラー技士免許試験、発破技士免許試験及びボイラー整備士免許試験について、受験資格として安衛則別表第5に規定されていた実務経験等を、免許交付要件として安衛則別表第4に規定することとしたこと。
イ ガス溶接作業主任者免許試験、林業架線作業主任者免許試験及び発破技士免許試験について、受験資格として安衛則別表第5に規定されていた実務経験等を削除することとしたこと。
(2) ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号。以下「ボイラー則」という。)
ア 二級ボイラー技士免許試験及びボイラー整備士免許試験について、受験資格としてボイラー則第101条及び第115条に規定されていた実務経験等を、免許交付要件としてボイラー則第97条及び第113条に規定することとしたこと。
イ 二級ボイラー技士免許試験及びボイラー整備士免許試験について、受験資格としてボイラー則第101条及び第115条に規定されていた実務経験等を削除することとしたこと。
(3) 高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号。以下「高圧則」という。)の一部改正(改正省令第3条関係)
ア 高圧室内作業主任者免許試験について、受験資格として高圧則第49条に規定されていた実務経験等を、免許交付要件として高圧則第47条に規定することとしたこと。
イ 高圧室内作業主任者免許試験について、受験資格として高圧則第49条に規定されていた実務経験等を削除することとしたこと。
(4) 労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令(昭和47年労働省令第44号。以下「登録省令」という。)の一部改正(改正省令第4条関係)
コンサルタント試験員になることができる者として、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントとしてその業務に5年以上従事した経験を有する者を追加することとしたこと。
(5) その他所要の改正を行うこととしたこと。
2 特別特定機械等の範囲の拡大
(1) ボイラー則の一部改正(改正省令第2条関係)
ア 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第38条第1項の規定により登録製造時等検査機関が製造時等検査を行うこととされている特別特定機械等を、特定廃熱ボイラーからボイラー(法第38条第1項の規定により製造時等検査が義務付けられているボイラーをいう。以下同じ。)及び第一種圧力容器(法第38条第1項の規定により製造時等検査が義務付けられている第一種圧力容器をいう。以下同じ。)とすることとしたこと。
イ ボイラー及び第一種圧力容器の製造時等検査(構造検査、溶接検査及び使用検査をいう。以下同じ。)は登録製造時等検査機関が行うこととしたこと。
ウ 法第53条の2第1項の規定により都道府県労働局長がボイラー及び第一種圧力容器の製造時等検査の業務の全部又は一部を自ら行う場合の読替規定を規定したこと。
エ 移動式ボイラーのボイラー検査証の再交付は当該ボイラー検査証を交付した者が行うこととし、再交付を受けた者は、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に届け出て、事業場の所在地、名称、種類及び有効期間その他必要な事項について当該検査証に記載を受けなければならないこととしたこと。
なお、所轄労働基準監督署長へ届け出を行う際の様式は任意であること。
オ 設置された移動式ボイラーに関し事業者等に変更があったときは、ボイラー検査証について所轄労働基準監督署長の書替えを受けなければならないこととしたこと。
カ 移動式ボイラーの使用を廃止したときは、ボイラー検査証を所轄労働基準監督署長に返還しなければならないこととしたこと。
(2) 登録省令の一部改正(改正省令第4条関係)
ア 登録製造時等検査機関の登録の区分を特定廃熱ボイラーからボイラー及び第一種圧力容器とすることとしたこと。
イ 登録製造時等検査機関は製造時等検査を行ったときは、その結果について、当該製造時等検査を行った月の翌月末日までに製造時等検査結果報告書(様式第6号の2)を厚生労働大臣に提出しなければならないこととしたこと。
(3) その他所要の改正を行うこととしたこと。
3 施行期日(改正省令附則第1条関係)
改正省令は、平成24年4月1日から施行することとしたこと。
4 経過措置(改正省令附則第2条~第4条関係)
ア 改正省令の施行の際現に提出されている改正前のボイラー則様式第16号による申請書は、改正後のボイラー則様式第16号による申請書とみなすこととしたこと。
イ 登録省令第1条の2の45に規定する区分について法第38条第1項の規定による登録を受けようとする者は、改正省令の施行の日前においても、その申請を行うことができることとしたこと。また、法第48条第1項の規定による業務規程の届出についても同様とすることとしたこと。
ウ 改正省令の施行の際、特定廃熱ボイラーに係る登録製造時等検査機関として登録を受けている者については、当該登録の有効期間の経過する日までの間は、特定廃熱ボイラーに係る登録製造時等検査機関として取り扱うこととしたこと。