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通達:エレベーター構造規格の一部を改正する告示の適用について

 

エレベーター構造規格の一部を改正する告示の適用について

平成23年11月25日基発1125第2号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

エレベーター構造規格の一部を改正する告示(平成23年厚生労働省告示第417号)は、平成23年10月27日に公示され、平成24年3月1日から適用される。

今回の改正は、エレベーターの戸開走行事故等を受け、建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成20年政令第290号)により建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)が改正され、戸開走行保護装置の設置及び地震時管制運転装置の設置が新たに義務付けられたことを踏まえ、エレベーター構造規格(平成5年労働省告示第91号)の一部を見直したものであり、下記に留意の上、その運用に遺憾なきを期されたい。

 

第1 改正の要点

1 戸開走行保護装置の設置を義務付けたこと。(第30条第1項第9号、第2項、第8項及び第9項関係)

2 地震時管制運転装置の設置を義務付けたこと。(第30条第1項第10号、第2項、第9項及び第10項関係)

 

第2 細部事項

1 第30条第1項第9号関係

(1) 本号の装置は、常時作動しているブレーキとは独立の制動装置であって、搬器の停止位置が著しく移動した場合又は搬器及び昇降路の全ての出入口の戸が閉じる前に搬器が昇降した場合に、自動的に搬器を制止するものとすること。

当該装置には、戸開走行を検出する装置と、通常時に作動する複数個で構成されるブレーキ(常時作動型二重系ブレーキ)又は通常時に作動するブレーキとは別に通常時に作動しないブレーキ(待機型二重系ブレーキ)が含まれること。

なお、常時作動型二重系ブレーキにあっては、一つのブレーキが故障したとき、これを感知して搬器を制止させる装置(常時作動型ブレーキの動作感知装置)を設けなければならないこと。また、待機型二重系ブレーキの待機側ブレーキに必要な制動トルクの値は、積載荷重に相当する荷重の荷を積載した場合において搬器を静止保持及び制動できる能力を有するものであること。

(2) 油圧式エレベーターについては、上記(1)の「ブレーキ」を「逆止弁」に読み替えること。

2 第30条第1項第10号関係

(1) 本号の装置における加速度を検知する部分は、機械室又は昇降路内(搬器が停止する最下階の床面から昇降路の底部の床面までの部分に限る。)に固定すること。ただし、昇降路に振動が頻繁に生じることにより加速度を検知する上で支障がある場合にあっては、これらの位置以外の適切な位置に固定することができるものであること。

(2) 本号の装置は、搬器が昇降路の出入口の戸の位置に停止している場合にあっては、加速度の検知後直ちに、自動的に、搬器の出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開き、又は搬器内の人がこれらの戸を開くことができるものであること。

(3) 本号の装置は、搬器が昇降している場合にあっては、加速度の検知後速やかに、自動的に、進行方向に対して最も短い昇降距離で、搬器を昇降路の出入口の戸の位置に安全に停止させ、かつ、当該搬器の出入口の戸及び昇降路の戸を開き、又は搬器内の人がこれらの戸を開くことができるものであること。

ただし、搬器を昇降路の出入口の戸の位置に安全に停止させる前に、建築物等の基礎に0.8m/s2以上の加速度に相当するものが生じた場合その他建築物等の構造耐力上主要な部分の変形又は振動によってエレベーターの通常の昇降に支障があるおそれがある場合にあっては、当該支障が起こるおそれがなくなった後速やかに、自動的に、最も短い昇降距離で、搬器を昇降路の出入口の戸の位置に安全に停止させ、かつ、当該搬器の出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開き、又は搬器内の人がこれらの戸を開くことができるものであること。

(4) なお、本号の装置には、加速度の検知後直ちにその旨を搬器内の見やすい場所に表示する表示盤を設けるとともに、予備電源を備え付けることが適切である。

3 第30条第2項関係

(1) 本項における第1項第9号の装置に係る「安全上支障がない場合」とは、工事現場等一般利用者が立ち入らない環境が確保されており、かつ、あらかじめ工事用エレベーターの取扱いについて教育を受けた者が運転者として指定され、それ以外の者が運転できないような措置が講じられている場合をいうこと。

(2) 本項における第1項第10号の装置に係る「安全上支障がない場合」とは、地震その他の衝撃により搬器が昇降路内で停止した場合においても、昇降路及び搬器の囲い等の隙間より、搬器内の者が肉声で容易に外部と連絡を取ることができ、かつ、外部から搬器内部の様子を確認することができる場合をいうこと。

4 第30条第8項関係

本項における「安全上支障がない場合」とは、化学プラント等の工作物で一般利用者が立ち入らない環境が確保されており、かつ、あらかじめラック式エレベーターの取扱いについて教育を受けた者が運転者として指定され、それ以外の者が運転できないような措置が講じられている場合をいうこと。

5 第30条第9項関係

本項において、「安全上支障がない場合」として第30条第1項第9号及び第10号の装置を備えないことができる範囲については、建築基準法施行令第129条の11において、安全上支障がない場合として戸開走行保護装置及び地震時管制運転装置の義務付けの規定の適用がそれぞれ除外される荷物用エレベーターの範囲に準じることとすること。

6 附則第1項関係

本項においては、本構造規格の改正に伴う第30条第1項第9号及び第10号の装置の設置義務は、平成24年3月1日から適用することを規定しているものである。そのため、平成21年9月29日から平成24年2月29日までの期間に、平成21年9月29日に施行された建築基準法施行令の基準に則り新たに設置されたエレベーターで、建築主事による確認を受け、かつ、建築物に関する完了検査を受けたもの以外であって、労働基準監督署による落成検査を受けたエレベーターについては、本構造規格の改正に伴う第30条第1項第9号及び第10号の装置の設置は義務付けられないものであるが、本改正の趣旨に則り、当該装置を設置することが望ましいものであること。

7 附則第2項関係

本項における「現に存する」とは、「現に設置されている」、「廃止して現に保管されている」又は「現に製造が完了しているが未だ設置されていない」ことをいうこと。