img1 img1 img1

◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー  

通達:酸素欠乏症等の労働災害発生状況について

 

酸素欠乏症等の労働災害発生状況について

平成23年6月8日基安労発0608第1号

(都道府県労働局労働基準部健康主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長通知)

 

酸素欠乏症等防止規則(昭和47年労働省令第42号)における酸素欠乏症又は硫化水素中毒(以下「酸素欠乏症等」という。)による休業4日以上の労働災害発生状況を別紙1に、また、平成22年に発生した酸素欠乏症等の事例を別紙2に、それぞれ取りまとめたので、関係事業者等に対する指導等の参考とされたい。

なお、酸素欠乏症等防止規則における硫化水素中毒とは、酸素欠乏危険場所において発生したものである。

 

別紙1

酸素欠乏症等の労働災害発生状況

1 酸素欠乏症等の災害発生状況(平成元年~22年)

(1) 酸素欠乏症

平成22年の酸素欠乏症による労働災害は、2件(前年比1件減)であり、被災者は3人(前年比3人減)、死亡者は3人(前年比1人減)であった。

(2) 硫化水素中毒

平成22年の硫化水素中毒による労働災害は、1件(前年同)であり、被災者は1人(前年比2人減)、死亡者は0人(前年同)であった。

表1 酸素欠乏症等の労働災害発生状況(平成元年~22年)

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

合計

酸素欠乏症

被災者数

26

23

30

20

17

22

23

22

25

28

9

21

15

10

5

11

9

12

11

8

6

3

356

死亡者数

9

10

16

12

8

8

14

10

8

9

3

10

7

7

3

2

4

9

5

5

4

3

166

 

発生件数

14

16

20

13

13

16

14

13

15

17

7

17

12

7

5

10

8

11

9

6

3

2

248

硫化水素中毒

被災者数

6

10

2

11

8

12

8

13

5

7

13

7

7

18

2

4

3

3

1

3

3

1

147

死亡者数

2

1

1

2

7

2

1

4

0

2

6

6

1

15

0

3

0

2

0

2

0

0

57

 

発生件数

4

5

2

6

3

6

4

8

3

5

6

3

5

7

2

2

2

3

1

3

1

1

82

備考:被災者数は死亡者数を含む。

図1 酸素欠乏症の労働災害発生状況(平成元年~22年)(縦軸:人・件、横軸:年)

図


図2 硫化水素中毒の労働災害発生状況(平成元年~22年)(縦軸:人・件、横軸:年)

図


2 酸素欠乏症等の業種別発生状況(平成13年~22年)

(1) 酸素欠乏症

過去10年間の業種別発生状況をみると、製造業が最も多く、次いで建設業であり、全体の約7割を占めている。

(2) 硫化水素中毒

過去10年間の業種別発生状況をみると、清掃業が多く全体の約3割を占めている。また、建設業がそれに次いで多くなっている。

表2 業種別発生状況(平成13年~22年)

業種

製造業

建設業

運輸交通業

貨物取扱業

農林水産業

商業・金融業

接客娯楽業

清掃業

その他の事業

酸素欠乏症(件)

33

19

4

3

1

4

0

4

5

73

硫化水素中毒(件)

5

7

0

0

1

0

1

8

5

27

38

26

4

3

2

4

1

12

10

100

 

図3 業種別発生状況(平成13年~22年)(縦軸:件、横軸:業種)

図


3 酸素欠乏症等の月別発生状況(平成13年~22年)

(1) 酸素欠乏症

過去10年間の月別発生状況をみると、6月11件、7月10件などである。

(2) 硫化水素中毒

過去10年間の月別発生状況をみると、8月7件、3月及び7月4件などである。

表3 月別発生状況(平成13年~22年)

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

酸素欠乏症(件)

7

4

3

7

4

11

10

0

7

9

8

3

73

硫化水素中毒(件)

0

1

4

1

2

3

4

7

2

2

1

0

27

7

5

7

8

6

14

14

7

9

11

9

3

100

図4 月別発生状況(平成13年~22年)(縦軸:件、横軸:月)

図


 

別紙2

平成22年に発生した酸素欠乏症の事例

番号

業種

発生月

被災者数

発生状況

 

 

死亡

休業

 

1

建設業

10月

1

 

被災者は、下水管敷設工事において、試掘の作業に従事していたが、試掘場所から約20メートル離れたマンホール内で倒れているところを発見され、その後死亡した。マンホール内に滞留した有機物に繁殖した微生物が酸素を消費し、マンホール内が酸素欠乏状態となったもの。

2

貨物取扱業

11月

2

 

被災者は、倉庫内において、集積されている荷(粉砕醤油粕)を目視により検品する作業に従事していたが、同倉庫内で倒れ、その後死亡した。醤油粕に好気性微生物が混入しており、これが呼吸して酸素を消費し、倉庫内が酸素欠乏状態となったもの。

備考:「休業」は、休業4日以上のものである。

平成22年に発生した硫化水素中毒の事例

番号

業種

発生月

被災者数

発生状況

 

 

死亡

休業

 

1

建設業

2月

 

1

被災者は、排水管路施設修繕工事において、マンホール内の洗浄等の作業に従事していたが、作業従事後に体調不良となり、その後休業した。汚泥の洗浄作業に伴い硫化水素が発生し、マンホール内の硫化水素濃度が高くなったもの。