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合板足場板安全技術基準等について
平成23年6月2日事務連絡
(都道府県労働局労働基準部安全主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室長通知)
合板足場板については、労働安全衛生法第42条に基づき「合板足場板の規格」(昭和56年12月26日付け労働省告示第105号)が定められているところであるが、今般、社団法人合板仮設安全技術協会では、別添のとおり、当該規格の適用対象とならない「国産材合板足場板」及び「NZパイン材合板足場板」について、その安全技術基準を定め、普及を図ることとしたので、了知されたい。
なお、独立行政法人労働安全衛生総合研究所では、「国産材合板足場板」及び「NZパイン材合板足場板」について実験により強度を確認している旨申し添える。
○合板足場板安全技術基準の制定について
平成23年5月20日合板協発第1107号の2
(厚生労働省労働基準局安全衛生部建設安全対策室長あて(社)合板仮設安全技術協会会長通知)
時下ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。日頃より当協会の事業運営についてご指導ご協力を賜り感謝申しあげます。
当協会では、これまで、合板足場板の規格(昭和56年労働省告示第105号)に適合した「南洋材(アピトン又はカポール)をフェノール樹脂等により接着した合板足場板」及び平成19年に当協会が安全技術基準を定めた「ユーカリ、カラマツ、ラジアタパイン等を使用した合板足場板」の普及に努めてきたところです。
しかしながら、近年、材料の転換等が図られていることから、今般、新たに「国産材合板足場板安全技術基準」(別添1)及び「NZパイン合板足場板安全技術基準」(別添2)を策定し、基準に適合したものについては、別紙に示す標章の取付又は適合品である旨の表示を行うこととしたところです。
つきましては、貴殿よりこれら基準及び適合標章の普及にご協力を賜りますようよろしくお願い致します。
別表
実験供試体の合板足場板の構成要素の表
合板足場板の種類 |
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|
主要構成 |
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|
層数及び層構成 |
材質 |
プレーンスカーフ(有 無) 有の場合、その倍率 |
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合板足場板第9号 |
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平成23年5月18日 |
1 表板 |
ラジアータパイン |
プレーンスカーフ 有り 倍率 6倍 |
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2 心板 |
ラジアータパイン |
|||
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3 心板 |
ラジアータパイン |
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4 心板 |
ラジアータパイン |
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5 心板 |
ラジアータパイン |
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6 心板 |
ラジアータパイン |
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7 心板 |
ラジアータパイン |
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|
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|
8 心板 |
ラジアータパイン |
|
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9 心板 |
ラジアータパイン |
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10 心板 |
ラジアータパイン |
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11 表板(裏) |
ラジアータパイン |
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合板足場板第10号 |
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平成23年5月18日 |
1 表板 |
すぎ |
プレーンスカーフ 有り 倍率 6倍 |
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2 心板 |
からまつ |
|||
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3 心板 |
からまつ |
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4 心板 |
すぎ |
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5 心板 |
すぎ |
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6 心板 |
すぎ |
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7 心板 |
すぎ |
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8 心板 |
すぎ |
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9 心板 |
すぎ |
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10 心板 |
からまつ |
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11 心板 |
からまつ |
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12 表板(裏) |
すぎ |
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別紙
別添1
国産材合板足場板安全技術基準
Ⅰ 総則
1.適用
この安全技術基準は、国産材合板足場板の製造及び使用に適用する。
2.用語の意味
(1) 国産材
国産材とは、足場板の製造に供するすぎ、からまつ又はこれらと同等以上の強度を有する国内産の木材をいう。
(2) 国産材合板足場板
国産材合板足場板とは、ロータリーレースにより切削した国産材の単板を、フェノール樹脂又はこれと同等以上の接着能力を有する接着剤により圧締した足場板で、社団法人合板仮設安全技術協会会長の認定を受けたものをいう。
(3) 単板積層材
単板積層材とは、平成20年5月13日農林水産省告示第701号「単板積層材の日本農林規格」第1条に規定する「単板積層材」をいう。
Ⅱ 国産材合板足場板の製造基準
1.標準寸法
国産材合板足場板の標準寸法は、表1の各欄に示す板厚、板幅及び板長の数値のいずれかの組合せとし、表2の要件を満たすこと。
表1 国産材合板足場板標準寸法(mm)
板厚 |
板幅 |
板長 |
25mm以上 |
200mm以上 |
2,000mm、3,000mm、4,000mm |
表2 板厚と板幅の組み合わせ条件
bh3/12≧39 |
b:足場板の幅、単位cmの数値 h:足場板の厚さ、単位cmの数値 |
2.材料
2.1 表板、心板及びそえ心板
国産材合板足場板を構成する単板は、国産材のすぎ、からまつその他の木材又はこれらと同等以上の強度を有する国内産の木材であることとする。
2.2 接着剤
単板を接着する接着剤は、フェノール樹脂又はこれと同等以上の強度を有するものとする。
3.構造、部材等
国産材合板足場板の構造、部材等は、次による。
(1) 単板構成比(表板及び心板の合計厚さの合板厚さに対する比率)は、60%以上100%以下とする。
(2) 単板の繊維方向をほぼ平行にする単板の長さ方向に継ぎ手がある場合は、次による。
(a) 継ぎ手はプレーンスカーフとし、隙間なく接合されていること(図1)
(b) 単板の長さ方向の継ぎ手は隣接する単板の継ぎ手(表板と繊維方向が直交する単板を除いて)と単板の厚さの30倍以上離れていること(厚さの異なる単板にあっては最も厚い単板厚さ。以下同じ)。
(c) 継ぎ手は同一の横断面(当該接合部を含む横断面から、長さ方向に単板の厚さの10倍以内)に2個以下とする。
(d) ただし、曲げ試験によって曲げ性能が確認されている場合は、上の(a)~(c)によらなくてもこの基準に適合したものとみなすことができる。
(3) 四隅に補強金具(木口の損傷を防止するための金具)を取付けるものとする。
(4) 長さ方向の各辺は、面取り加工されているものとする。
4.性能及び試験
新品の国産材合板足場板は、次による接着力試験及び曲げ試験を行い、表2示す合格基準に適合したものでなければならない。
4.1 接着力試験
4.1.1 合板構成部の接着力試験
接着力にあっては、次の(1)、(2)又は(3)のいずれかの試験を行い、平均木部破断率及びせん断強さが表2の値以上であること。ただし、相接する単板の繊維方向がおおむね平行する層(以下「平行層」という。)については、試験片の同一接着層におけるはく離しない部分の長さがそれぞれの側面においてその長さの3分の2以上であること。
(1) 連続煮沸試験
合板構成部に対しては、試験片(平成15年2月27日制定「合板の日本農林規格」3 試験の方法(2)アにより作成した試験片をいう。以下、本項において同じ。)を沸騰水中に72時間浸漬した後、ぬれたままの状態で接着力試験(試験片の両端をつかみ、両端の方向に毎分5,880N以下の荷重速度で引張り、破壊させる試験をいう。以下同じ。)を行い、最大荷重及び木部破断率(5%単位とする。以下同じ)を測定し、せん断強さ及び平均木部破断率を算出する。
(2) スチーミング繰り返し試験
試験片を室温の水中に2時間以上浸せきした後、130±3℃で2時間スチーミングを行い、室温の流水中に1時間浸せきし、さらに130±3℃で2時間スチーミングを行い、室温の水中にさめるまで浸せきし、ぬれたままの状態で接着力試験を行い、最大荷重及び木部破断率を測定し、せん断強さ及び平均木部破断率を算出する。
(3) 減圧加圧離試験
試験片を室温の水中に浸漬し0.085MPa以上の減圧を30分間行い、続いて0.45~0.48MPaの加圧を30分間行い、ぬれたままの状態で接着力試験を行い、最大荷重及び木部破断率を測定し、せん断強さ及び平均木部破断率を算出する。
(注) 試験片サイズは、合板構成部及び平行貼り部ともに同一寸法とし、平行貼り部は切り込みを入れないものとする。
4.1.2 平行貼り部に対しては、試験片の同一接着層におけるはく離しない部分の長さを求める。
4.1.3 単板構成がすべて平行の単板積層材にあっては、単板積層材の日本農林規格に定める、構造用単板積層材の接着の程度「使用環境A」を満足するものとする。
4.2 曲げ試験
長さ2mの試験片を支点間隔1.5mで単純支持し、支点間隔の中央に集中荷重を与え、(支点及び荷重点は試験片の全幅にわたり線接触させ、荷重速度は毎分14.7N/mm2以下とする)、比例域における上限荷重及び下限荷重、並びにこれらに対するたわみ量及び最大荷重を測定し、曲げ強さ及びヤング係数を算出する。
4.3 合格基準
接着力試験及び曲げ試験の合格基準は表3のとおりとする。
表3 接着力試験及び曲げ試験の合格基準
|
合格基準値 |
備考 |
||
接着力試験 |
合板構成部 |
平均木部破断率 (%) |
せん断強さ (N/mm2) |
「合板の日本農林規格」における特類の合板に対する連続煮沸試験又はスチーミング繰り返し試験又は減圧加圧試験による。 |
|
…… |
0.7以上 |
||
|
|
50以上 |
0.6以上 |
|
|
|
65以上 |
0.5以上 |
|
|
|
80以上 |
0.4以上 |
|
|
平行貼り部 |
同一接着層ではく離しない部分の長さが3分の2以上であること |
|
|
|
単板積層材 |
(1) はく離率が5%以下であること (2) 同一接着層におけるはく離長さがそれぞれの側面において当該接着層長さの4分の1以下であること |
「単板積層材の日本農林規格」の構造用単板積層材の規格における、冷水浸漬はく離試験及び煮沸はく離試験、又は減圧加圧はく離試験の使用環境Aを満足すること |
|
曲げ試験 |
曲げ強さ |
44以上(N/mm2) |
|
|
曲げヤング係数 |
8,820以上(N/mm2) |
|
5.表示
協会安全基準適合標章(金具)発行規程による。
Ⅲ 使用基準
1.架設方法・積載荷重等
(1) 原則として2枚以上並べ、その間隔は30mm以下とすること。
(2) 支点の間隔は、原則として1.8m以下とすること。
(3) 原則として3支点で支持すること。やむを得ず2支点で支持する場合は鋼線、帯鉄で支点に固定すること。
(4) 足場板の端部の支点からの突き出し長さは100mm以上200mm以下とすること。
(5) 足場板の重ね合わせは支点上で行い、その重ね合わせ長さは150mm以上とすること。
(6) 国産材合板足場板に対し表4に示す安全積載荷重以上の荷重を積載しないものとする。ただし、やむを得ず同表に示す安全積載荷重以上の荷重を積載する場合は、もしくは足場板の支点間隔が1.8mを超える場合は、2枚重ねとすること等の措置を講ずる。
表4 安全積載荷重(kg)
断面 |
足場板の支点間隔(m) |
||||||||
|
0.9 |
1.2 |
1.5 |
1.8 |
|||||
板幅 |
板厚 |
集中荷重 |
等分布荷重 |
集中荷重 |
等分布荷重 |
集中荷重 |
等分布荷重 |
集中荷重 |
等分布荷重 |
240 |
35 |
240 |
480 |
180 |
360 |
144 |
280 |
120 |
240 |
(注) 安全積載荷重(kg)をニュートン(N)に換算する場合には、次の式により計算する。
安全積載荷重(N)=9.8(m/s2)×安全積載荷重(kg)
(7) 国産材合板足場板に対し、飛び跳ね、飛び降りその他衝撃荷重を加えないように使用するものとする。
(8) 国産材合板足場板は、使用期間中次の項目について点検を行い、不良の場合は速やかに修正、取り替え又は乾燥をするものとする。
(a) 損傷及び欠陥状況
(b) 架設状況
(c) 乾燥状態
(9) コンクリート型枠、重量物用道板等に使用した国産材合板足場板は、本来の足場板として使用しないものとする。
(10) 国産材合板足場板は、地上に投下するなど乱暴な取り扱いを行わないものとする。
2.保管及び輸送
(1) 国産材合板足場板は、風通しのよい乾燥した場所で、かつ水はけの良い場所に保管するのとする。
(2) 国産材合板足場板は、積み重ねて保管するものとし、積み重ねの方法は図2のようにするものとする。
(a) 角材等を用いて地表より離すこと。
(b) 角材等を用いた段積みの場合は、段数は3段以下とすること。
(c) 角材等は、足場板の変形を防ぐため、各段につき3本以上用い、上下の位置を揃えること。
(d) 各段の足場板は15枚重ねの4列程度の構成とし、各列間の間隔は30mm程度とすること。
(e) 崩れ落ちを防止するため、各段の足場板は四隅を整然と揃えること。
図2 国産材合板足場板の積み重ねの保管方法
(3) 屋外に保管する国産材合板足場板に対しては、雨期はシートを被せて濡れるのを防ぎ、雨後はシートを外して乾燥させるものとする。
(4) 著しく湿っているものは、乾燥してから積み重ねる。
(5) 国産材合板足場板の取り扱い・運搬は、次の点に留意して行うものとする。
(a) トビは使用しないこと。
(b) 束ねる場合には、プラスチックバンド等で結束すること。
(c) 荷台に緊縛する場合は、原則として合成繊維ロープを使用すること。ワイヤーロープを使用する場合には、当該足場板を損傷させないため当て物を使用すること。
(d) クレーン等で吊り上げる場合は、原則として合成繊維ロープスリングを使用することとし、ワイヤーロープスリングを使用する場合には当て物を使用すること。
3.経年使用品の検査
(1) 経年使用の国産材合板足場板は、次の時点において全数を検査するものとする。
(a) 資材倉庫より現場へ出庫するとき。
(b) 旧現場から新現場へ転送するとき。
(2) 前項の検査は、外観検査及び強度検査とする。
(3) 外観検査は次の要領により行うものとする。
著しい欠陥があるものは不合格とし、その判定は、表5を目安にして行う。
表5 外観の欠陥判定
欠陥 |
欠陥内容 |
備考 |
切欠き |
幅:10mm以上 長さ:50mm以上 |
|
切込み |
深さ:25mm |
|
貫通孔 |
足場板の長さ方向100mmの間にある孔の直径の平方和が400mm2を超える |
|
盲管又は凹み |
径:20mm以上 深さ:5mm以上 |
|
単板メクレ |
幅:50mm以上 長さ:100mm以上 深さ:3mm以上 |
|
腐れ |
切欠き、単板メクレに準ず |
|
木口のひび割れ |
ひび割れの進行長さが板幅以上 |
|
(注) 著しい欠陥の目安を、欠陥の種類別に表5に示した。
なお、欠陥内容が同表の数値未満であっても、欠陥が2種類以上にわたる場合は、著しい欠陥を有するものとみなす。
(4) 強度検査は、簡単な曲げ試験を行い、強度又は撓みから経年使用品の品質を検査するもので、次の要領により行うものとする。
(a) 足場板の質量を測定し、その値が次式の限界質量以下のものについて強度検査を行うこと。ただし、その値が次式の値を超えるものについては乾燥の後に行うこと。
w=120・b・h・L・ρ×10-8
w:限界質量(kg)
b:板幅(mm)
h:板厚(mm)
L:板長(mm)
ρ:板の全乾密度(g/cm3)
(b) 単純支持された支点間隔3mの足場板の中央に表6に示す値の試験荷重を載荷すること。
(c) 載荷の結果、破壊したもの、異音を発したもの及び撓みが表6に示す限界撓みの値を超えたものは不合格とすること。
表6 試験荷重及び限界撓み
標準寸法(mm) |
試験荷重 (N) |
限界撓み (mm) |
||
板厚 |
板幅 |
板長 |
||
35 |
240 |
4,000 |
1,800 |
150 |
35 |
300 |
|
2,250 |
|
(5) 外観検査又は強度試験に不合格のものは、誤って足場板として再使用されることのないように適切に処理するものとする。
** 表6の試験荷重
表6の試験荷重の値は、足場板に生ずる曲げ応力が本基準に定める許容曲げ応力1,100N/cm2(11.0N/mm2)の2.5倍(安全率)になるときに相当する中央集中荷重の値であり、次式から求めたものである。
P 試験荷重(N) h 板厚(mm)
b 板幅(mm) L 支点間隔(mm)
安全率2.5倍は、衝撃荷重が静的荷重の2倍以上に相当し、さらに含水率の変動を考慮に入れると最低必要な値であると考えられる。
(6) 表4の限界撓み
表4の限界撓みの値は、試験荷重(P)が足場板の支点間隔の中央に作用するときの同点の撓み量を曲げヤング係数の値7,840N/mm2として次式から求めたものであり、この係数の値は従来の基準を踏襲したものである。
ΔY 撓み量(mm) b 板幅(mm)
P 試験荷重(N) h 板厚(mm)
L 支点間隔(mm) E 曲げヤング係数(7,840 N/mm2)
別添2
NZパイン合板足場板安全技術基準
Ⅰ 総則
1.適用
この安全技術基準は、NZパイン足場板の製造及び使用に適用する。
2.用語の意味
(1) NZパイン
NZパインとは、足場板の製造に供するラジアータパイン又はこれらと同等以上の強度を有する木材をいう。
(2) NZパイン足場板
NZパイン足場板とは、ロータリーレースにより切削したラジアータパインの単板を、フェノール樹脂又はこれと同等以上の接着能力を有する接着剤により圧締した足場板で、社団法人合板仮設安全技術協会会長の認定を受けたものをいう。
(3) 単板積層材
単板積層材とは、平成20年5月13日農林水産省告示第701号「単板積層材の日本農林規格」第1条に規定する「単板積層材」をいう。
Ⅱ NZパイン足場板の製造基準
1.標準寸法
NZパイン足場板の標準寸法は、表1の各欄に示す板厚、板幅及び板長の数値のいずれかの組合せとし、表2の要件を満たすこと。
表1 NZパイン足場板標準寸法(mm)
板厚 |
板幅 |
板長 |
25mm以上 |
200mm以上 |
1,950mm以上4,000mm以下 |
表2 板厚と板幅の組み合わせ条件
bh3/12≧39 |
b:足場板の幅、単位cmの数値 h:足場板の厚さ、単位cmの数値 |
2.材料
2.1 単板
NZパイン足場板を構成する単板は、ラジアータパイン又はこれと同等以上の強度を有するものとする。
2.2 接着剤
単板を接着する接着剤は、フェノール樹脂又はこれと同等以上の強度を有するものとする。
3.構造、部材等
NZパイン足場板の構造、部材等は、次による。
(1) 単板構成比(表板及び心板の合計厚さの合板厚さに対する比率)は、60%以上100%以下とする。
(2) 単板の繊維方向をほぼ平行にする単板の長さ方向に継ぎ手がある場合は、次による。
(a) 継ぎ手はプレーンスカーフとし、隙間なく接合されていること(図1)
(b) 単板の長さ方向の継ぎ手は隣接する単板の継ぎ手(表板と繊維方向が直交する単板を除いて)と単板の厚さの30倍以上離れていること(厚さの異なる単板にあっては最も厚い単板厚さ。以下同じ)。
(c) 継ぎ手は同一の横断面(当該接合部を含む横断面から、長さ方向に単板の厚さの10倍以内)に2個以下とする。
(d) ただし、曲げ試験によって曲げ性能が確認されている場合は、上の(a)~(c)によらなくてもこの基準に適合したものとみなすことができる。
(3) 長さ方向の各辺は、面取り加工されているものとする。
4.性能及び試験
新品のNZパイン足場板は、次による接着力試験及び曲げ試験を行い、表2示す合格基準に適合したものでなければならない。
4.1 接着力試験
4.1.1 合板構成部の接着力試験
接着力にあっては、次の(1)、(2)又は(3)のいずれかの試験を行い、平均木部破断率及びせん断強さが表3の値以上であること。ただし、相接する単板の繊維方向がおおむね平行する層(以下「平行層」という。)については、試験片の同一接着層におけるはく離しない部分の長さがそれぞれの側面においてその長さの3分の2以上であること。
(1) 連続煮沸試験
合板構成部に対しては、試験片(平成15年2月27日制定「合板の日本農林規格」3 試験の方法(2)アにより作成した試験片をいう。以下、本項において同じ。)を沸騰水中に72時間浸漬した後、ぬれたままの状態で接着力試験(試験片の両端をつかみ、両端の方向に毎分5,880N以下の荷重速度で引張り、破壊させる試験をいう。以下同じ。)を行い、最大荷重及び木部破断率(5%単位とする。以下同じ)を測定し、せん断強さ及び平均木部破断率を算出する。
(2) スチーミング繰り返し試験
試験片を室温の水中に2時間以上浸せきした後、130±3℃で2時間スチーミングを行い、室温の流水中に1時間浸せきし、さらに130±3℃で2時間スチーミングを行い、室温の水中にさめるまで浸せきし、ぬれたままの状態で接着力試験を行い、最大荷重及び木部破断率を測定し、せん断強さ及び平均木部破断率を算出する。
(3) 減圧加圧離試験
試験片を室温の水中に浸漬し0.085MPa以上の減圧を30分間行い、続いて0.45~0.48MPaの加圧を30分間行い、ぬれたままの状態で接着力試験を行い、最大荷重及び木部破断率を測定し、せん断強さ及び平均木部破断率を算出する。
(注) 試験片サイズは、合板構成部及び平行貼り部ともに同一寸法とし、平行貼り部は切り込みを入れないものとする。
4.1.2 平行貼り部に対しては、試験片の同一接着層におけるはく離しない部分の長さを求める。
4.1.3 単板構成がすべて平行の単板積層材にあっては、単板積層材の日本農林規格に定める、構造用単板積層材の接着の程度「使用環境A」を満足するものとする。
4.2 曲げ試験
長さ2mの試験片を支点間隔1.5mで単純支持し、支点間隔の中央に集中荷重を与え、(支点及び荷重点は試験片の全幅にわたり線接触させ、荷重速度は毎分14.7N/mm2以下とする)、比例域における上限荷重及び下限荷重、並びにこれらに対するたわみ量及び最大荷重を測定し、曲げ強さ及びヤング係数を算出する。
4.3 合格基準
接着力試験及び曲げ試験の合格基準は表3のとおりとする。
表3 接着力試験及び曲げ試験の合格基準
|
合格基準値 |
備考 |
||
接着力試験 |
合板構成部 |
平均木部破断率 (%) |
せん断強さ (N/mm2) |
「合板の日本農林規格」における特類の合板に対する連続煮沸試験又はスチーミング繰り返し試験又は減圧加圧試験による。 |
|
――― |
0.7以上 |
||
|
|
50以上 |
0.6以上 |
|
|
|
65以上 |
0.5以上 |
|
|
|
80以上 |
0.4以上 |
|
|
平行貼り部 |
同一接着層ではく離しない部分の長さが3分の2以上であること |
|
|
|
単板積層材 |
(1) はく離率が5%以下であること (2) 同一接着層におけるはく離長さがそれぞれの側面において当該接着層長さの4分の1以下であること |
「単板積層材の日本農林規格」の構造用単板積層材の規格における、冷水浸漬はく離試験及び煮沸はく離試験、又は減圧加圧はく離試験の使用環境Aを満足すること |
|
曲げ試験 |
曲げ強さ |
51以上(N/mm2) |
|
|
曲げヤング係数 |
8,820以上(N/mm2) |
|
5.表示
協会基準適合表示規程に準ずる。
Ⅲ 使用基準
1 架設方法・積載荷重等
(1) 原則として2枚以上並べ、その間隔は30mm以下とすること。
(2) 支点の間隔は、原則として1.8m以下とすること。
(3) 原則として3支点で支持すること。やむを得ず2支点で支持する場合は鋼線、帯鉄で支点に固定すること。
(4) 足場板の端部の支点からの突き出し長さは100mm以上200mm以下とすること。
(5) 足場板の重ね合わせは支点上で行い、その重ね合わせ長さは150mm以上とすること。
(6) NZパイン足場板に対し表4に示す安全積載荷重以上の荷重を積載しないものとする。ただし、やむを得ず同表に示す安全積載荷重以上の荷重を積載する場合は、もしくは足場板の支点間隔が1.8mを超える場合は、2枚重ねとすること等の措置を講ずる。
表4 安全積載荷重(kg)
断面 |
足場板の支点間隔(m) |
||||||||
|
0.9 |
1.2 |
1.5 |
1.8 |
|||||
板幅 |
板厚 |
集中荷重 |
等分布荷重 |
集中荷重 |
等分布荷重 |
集中荷重 |
等分布荷重 |
集中荷重 |
等分布荷重 |
230 |
35 |
266 |
532 |
200 |
400 |
160 |
320 |
133 |
266 |
230 |
43 |
402 |
804 |
301 |
602 |
241 |
282 |
201 |
402 |
(注) 安全積載荷重(kg)をニュートン(N)に換算する場合には、次の式により計算する。
安全積載荷重(N)=98(m/s2)×安全積載荷重(kg)
(7) NZパイン足場板に対し、飛び跳ね、飛び降りその他衝撃荷重を加えないように使用するものとする。
(8) NZパイン足場板は、使用期間中次の項目について点検を行い、不良の場合は速やかに修正、取り替え又は乾燥をするものとする。
(a) 損傷及び欠陥状況
(b) 架設状況
(c) 乾燥状態
(9) コンクリート型枠、重量物用道板等に使用したNZパイン合板足場板は、本来の足場板として使用しないものとする。
(10) NZパイン足場板は、地上に投下するなど乱暴な取り扱いを行わないものとする。
2 保管及び輸送
(1) NZパイン足場板は、風通しのよい乾燥した場所で、かつ水はけの良い場所に保管するのとする。
(2) NZパイン足場板は、積み重ねて保管するものとし、積み重ねの方法は図2のようにするものとする。
(a) 角材等を用いて地表より離すこと。
(b) 角材等を用いた段積みの場合は、段数は3段以下とすること。
(c) 角材等は、足場板の変形を防ぐため、各段につき3本以上用い、上下の位置を揃えること。
(d) 各段の足場板は15枚重ねの4列程度の構成とし、各列間の間隔は30mm程度とすること。
(e) 崩れ落ちを防止するため、各段の足場板は四隅を整然と揃えること。
図2 NZパイン足場板の積み重ねの保管方法
(3) 屋外に保管する合板足場板に対しては、雨期はシートを被せて濡れるのを防ぎ、雨後はシートを外して乾燥させるものとする。
(4) 著しく湿っているものは、乾燥してから積み重ねる。
(5) NZパイン足場板の取り扱い・運搬は、次の点に留意して行うものとする。
(a) トビは使用しないこと。
(b) 束ねる場合には、プラスチックバンド等で結束すること。
(c) 荷台に緊縛する場合は、原則として合成繊維ロープを使用すること。ワイヤーロープを使用する場合には、当該足場板を損傷させないため当て物を使用すること。
(d) クレーン等で吊り上げる場合は、原則として合成繊維ロープスリングを使用することとし、ワイヤーロープスリングを使用する場合には当て物を使用すること。
3 経年使用品の検査
(1) 経年使用のNZパイン足場板は、次の時点において全数を検査するものとする。
(a) 資材倉庫より現場へ出庫するとき。
(b) 旧現場から新現場へ転送するとき。
(2) 前項の検査は、外観検査及び強度検査とする。
(3) 外観検査は次の要領により行うものとする。
著しい欠陥があるものは不合格とし、その判定は、表5を目安にして行う。
表5 外観の欠陥判定
欠陥 |
欠陥内容 |
備考 |
切欠き |
幅:10mm以上 長さ:50mm以上 |
|
切込み |
深さ:25mm |
|
貫通孔 |
足場板の長さ方向100mmの間にある孔の直径の平方和が400mm2を超える |
|
盲管又は凹み |
径:20mm以上 深さ:5mm以上 |
|
単板メクレ |
幅:50mm以上 長さ:100mm以上 深さ:3mm以上 |
|
腐れ |
切欠き、単板メクレに準ず |
|
木口のひび割れ |
ひび割れの進行長さが板幅以上 |
|
(注) 著しい欠陥の目安を、欠陥の種類別に表5に示した。
なお、欠陥内容が同表の数値未満であっても、欠陥が2種類以上にわたる場合は、著しい欠陥を有するものとみなす。
(4) 強度検査は、簡単な曲げ試験を行い、強度又は撓みから経年使用品の品質を検査するもので、次の要領により行うものとする。
(a) 足場板の質量を測定し、その値が次式の限界質量以下のものについて強度検査を行うこと。ただし、その値が次式の値を超えるものについては乾燥の後に行うこと。
w=120・b・h・L・ρ×10-8
w:限界質量(kg)
b:板幅(mm)
h:板厚(mm)
L:板長(mm)
ρ:板の全乾密度(g/cm3)
(b) 単純支持された支点間隔3mの足場板の中央に表6に示す値の試験荷重を載荷すること。
(c) 載荷の結果、破壊したもの、異音を発したもの及び撓みが表6に示す限界撓みの値を超えたものは不合格とすること。
表6 試験荷重及び限界撓み
標準寸法(mm) |
試験荷重 (N) |
限界撓み (mm) |
||
板厚 |
板幅 |
板長 |
||
43 |
230 |
3,950 |
3,015 |
140 |
(5) 外観検査又は強度試験に不合格のものは、誤って足場板として再使用されることのないように適切に処理するものとする。
** 表6の試験荷重
表6の試験荷重の値は、足場板に生ずる曲げ応力が本基準に定める許容曲げ応力1,275N/cm2(12.75N/mm2)の2.5倍(安全率)になるときに相当する中央集中荷重の値であり、次式から求めたものである。
P 試験荷重(N) h 板厚(mm)
b 板幅(mm) L 支点間隔(mm)
安全率2.5倍は、衝撃荷重が静的荷重の2倍以上に相当し、さらに含水率の変動を考慮に入れると最低必要な値であると考えられる。
(6) 表6の限界撓み
表6の限界撓みの値は、試験荷重(P)が足場板の支点間隔の中央に作用するときの同点の撓み量を曲げヤング係数の値7,840N/mm2として次式から求めたものであり、この係数の値は従来の基準を踏襲したものである。
ΔY 撓み量(mm) b 板幅(mm)
P 試験荷重(N) h 板厚(mm)
L 支点間隔(mm) E 曲げヤング係数(7,840 N/mm2)