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警備業における労働災害防止の徹底について(緊急要請)
平成22年9月2日基安安発0902第2号
(都道府県労働局労働基準部安全主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
標記について、別添のとおり要請したので了知するとともに、管内における災害発生状況を踏まえ、県下の警備業協会と連携しつつ、事業場に対する指導に活用されたい。
(別添)
○警備業における労働災害防止の徹底について(緊急要請)
平成22年9月1日基安安発0902第1号
(社団法人全国警備業協会会長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
警備業における労働災害による死亡者数は、平成22年1月から7月までの速報値で18人と、昨年と比べて7人、63.6%(全産業574人、13%増)の大幅な増加となっています。これは2年前と比べても3人、20.0%の増(全産業11.0%減)であり、看過できない状況にあります(別紙表1参照)。
事故の型別では、交通事故が8人(対前年差3人増)と最も多い他、はさまれ、巻き込まれによるものが6人(対前年差6人増)となっており、とりわけ建設工事現場内で重機等に巻き込まれる災害が多発しています(別紙表2、表3参照)。
つきましては、このような状況を踏まえ、下記事項に留意の上、会員事業場等に対して周知、指導し、警備業における労働災害防止の徹底を図ってくださいますよう要請します。
記
警備業務の契約先等と協議の上、事前に安全を考慮した業務計画を作成し、その業務計画の内容を交通誘導警備業務に従事する労働者に徹底すること。
その際には、警備契約書、警備計画書等に基づき行うべき業務の範囲を交通誘導警備業務に従事する労働者に十分理解させること。
なお、業務計画作成に当たっては、別紙表2、表3を参考にすること。
表1 全産業、警備業における死亡災害の推移(速報値)
業種 |
平成22年 (1月~7月) |
平成21年 (1月~7月) |
平成20年 (1月~7月) |
対21年比較増減数(人) |
対20年比較増減数(人) |
全産業 |
574 |
508 |
645 |
66 |
-71 |
警備業 |
18 |
11 |
15 |
7 |
3 |
表2 警備業における事故の型別死亡災害の推移(速報値)
|
22年(1月~7月) |
21年(1月~7月) |
20年(1月~7月) |
|||
|
死亡者数 (人) |
構成比 (%) |
死亡者数 (人) |
構成比 (%) |
死亡者数 (人) |
構成比 (%) |
交通事故 |
8 |
44.4% |
5 |
45.5% |
10 |
66.7% |
はさまれ、巻き込まれ |
6 |
33.3% |
|
0.0% |
3 |
20.0% |
墜落、転落 |
1 |
5.6% |
4 |
36.4% |
|
0.0% |
激突され |
1 |
5.6% |
2 |
18.2% |
2 |
13.3% |
高温・低温の物との接触 |
1 |
5.6% |
|
0.0% |
|
0.0% |
転倒 |
1 |
5.6% |
|
0.0% |
|
0.0% |
総計 |
18 |
100.0% |
11 |
100.0% |
15 |
100.0% |
表3 平成22年の警備業における主な死亡災害発生状況(はさまれ・巻き込まれ、激突され)
番号 |
都道府県 |
月 |
年代 |
発生状況の概要 |
1 |
北海道 |
1 |
50代 |
被災者は、除排雪工事に伴う除雪車等の交通誘導員であったが、昼休みが近くなったので交通規制を解除するため「駐車帯」と呼ばれる広場に除雪車等を誘導することとなった。一方、ロータリー除雪車は駐車帯の出入り口付近にあった雪山の排雪作業を行っていたがロータリー車が後退した際に被災者を跳ね飛ばし、倒れた被災者の上を車体が通過し、さらに前方のオーガに被災者を巻き込んだもの。 |
2 |
宮城 |
2 |
50代 |
全長400mの道路舗装補修工事において、路盤下地材の再処理作業に従事していた下請の重機オペレーターがドラグショベルを後退させたところ、後方にいた警備員を轢いたもの。 |
3 |
新潟 |
2 |
70代 |
上水道工事現場において、道路上で交通誘導を行っていた被災者が、同現場の除雪作業中に後退してきたホイール式ドラグショベルに轢かれたもの。(P) |
4 |
岩手 |
3 |
20代 |
工事現場の交通誘導員として交通誘導作業中、工事現場内でダンプトラックが後進しようとしていたため、ダンプトラックの後方に移動し誘導していたところ、被災者の後方で作業を行っていたドラグショベルに激突され右足を轢かれたもの。 |
5 |
三重 |
4 |
70代 |
被災者は、工場内にある建設土木作業場の警備員詰所において、入退場者の管理を行っていたが、何らかの原因により警備員詰所を離れたところ、約85m離れた工場のコンクリート製品のストックヤード付近において、下請業者の労働者が運転するフォークリフトに轢かれたもの。 |
6 |
静岡 |
5 |
60代 |
工事現場にて交通誘導警備に従事していたところ、砂を積んだダンプカーの後進誘導を行った後、ダンプカーの右側後輪に巻き込まれたもの。 |