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陸上貨物運送事業における交通労働災害防止の徹底について
平成22年8月25日基安安発0825第2号
(都道府県労働局安全主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
陸上貨物運送事業における労働災害による死亡者数は、平成22年1月から7月までの速報値で80人と、昨年と比べて26人、48.1%(全産業で574人、13%増)の大幅な増加となっている。これは2年前と比べても6.7%の増(全産業は11.0%減)であり、看過できない状況にある(別紙図1参照)。事故の型別では、交通事故によるものが47人と昨年に比べて17人、56.6%の大幅な増加(別紙表1参照)となっており、とりわけ深夜時間帯(22時~5時)において、19人と、昨年の9人と比べ多発している(別紙表2参照)。その内訳を見ると追突事故が多くなっており、早急な対策の強化が必要となっている。
ついては、以上のような災害発生状況を踏まえ、下記事項に留意の上、秋の全国交通安全運動(9月21日~30日)等に、個別指導又は集団指導を実施されたい。
また、本省においては、全日本トラック協会及び陸上貨物運送事業労働災害防止協会に対し、別紙のとおり要請文を送付しているが、管内の交通労働災害が増加している等の状況が見られる場合にあっては、全日本トラック協会及び陸上貨物運送事業労働災害防止協会の支部に対し、労働災害防止対策の徹底等を要請されたい。
記
1 個別指導について
交通労働災害による死亡災害を発生させた事業場のうち、定期監督、災害時監督等監督指導の対象とされていないものについては、個別指導を実施すること。
その際には、関係団体に対する要請内容を踏まえ、次の事項を重点に実施すること。
(1) 適正な労働時間等の管理及び走行管理の実施
運転業務従事者が十分な睡眠時間を確保することが可能である走行計画となっているか確認するとともに、走行計画どおり走行できず、当初計画より長時間運転が生じている場合には、走行計画の見直し等の対策が講じられているか確認すること。
(2) 点呼等の実施及びその結果に基づく措置
運転等業務従事者に乗務を開始させる前の点呼等の実施状況を確認し、睡眠不足が著しい者に対する必要な措置が講じられているか確認すること。
2 集団指導について
貴局管内の陸運支局、(社)全日本トラック協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会支部と十分に連携の上、事業場が集まる機会を捉えて実施すること。また、管内の交通労働災害の発生状況を踏まえ、必要に応じ、交通労働災害発生事業場を集めて実施すること。
その際には、関係団体に対する要請内容を踏まえ、交通労働災害防止のためのガイドライン基づく措置の実施について指導すること。
また、必要に応じ、「交通労働災害防止のための新しい安全衛生管理手法のすすめ~ITを活用したリアルタイム遠隔安全衛生管理手法~」(パンフレット)、「交通労働災害防止のためのリスクアセスメントチェックシート」を活用すること。
(別紙)
陸上貨物運送事業(陸運業)における死亡災害の状況
図1 陸運業の月別死亡災害の推移(速報値比較)
表1 陸運業における事故の型別死亡災害の推移(速報値)
事故の型 |
22年(1月~7月) |
21年(1月~7月) |
20年(1月~7月) |
|||
死亡者数(人) |
構成比(%) |
死亡者数(人) |
構成比(%) |
死亡者数(人) |
構成比(%) |
|
交通事故 |
47 |
58.8 |
30 |
55.6 |
43 |
57.3 |
墜落・転落 |
7 |
8.8 |
10 |
18.5 |
9 |
12.0 |
はさまれ巻き込まれ |
7 |
8.8 |
3 |
5.6 |
9 |
12.0 |
飛来・落下 |
6 |
7.5 |
4 |
7.4 |
5 |
6.7 |
激突され |
5 |
6.3 |
3 |
5.6 |
4 |
5.3 |
崩壊・倒壊 |
4 |
5.0 |
1 |
1.9 |
1 |
1.3 |
転倒 |
1 |
1.3 |
1 |
1.9 |
0 |
0.0 |
その他 |
3 |
3.8 |
2 |
3.7 |
4 |
5.3 |
合計 |
80 |
100 |
54 |
100 |
75 |
100 |
表2 時間帯別労働災害発生の推移
時間帯 |
H22年 |
H21年 |
増減 |
22時~24(0)時 |
6 |
1 |
5 |
0時~5時 |
13 |
8 |
5 |
5時~8時 |
9 |
8 |
1 |
8時~12時 |
4 |
5 |
-1 |
12時~16時 |
6 |
5 |
1 |
16時~20時 |
7 |
2 |
5 |
20時~22時 |
2 |
1 |
1 |
(別紙)
○陸上貨物運送事業における交通労働災害防止の徹底について(緊急要請)
平成22年8月3日基安安発0803第1号
(社団法人全日本トラック協会会長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
陸上貨物運送事業における労働災害による死亡者数は、平成22年1月から6月までの速報値で60人と、昨年と比べて15人、33.3%(全産業で460人、10.8%増)の大幅な増加となっています。これは2年前と比べても5.3%の増(全産業は11.2%減)であり、看過できない状況にあります(別紙図1参照)。事故の型別では、交通事故によるものが38人と昨年に比べて13人、52%の大幅な増加(別紙表1参照)となっており、とりわけ深夜時間帯(22時~5時)における死亡災害が昨年と比べ多発しています(別紙表2参照)。その内訳を見ますと追突事故が多くなっており、早急な対策の強化が必要となっています。
つきましては、以上のような災害発生状況を踏まえ、交通労働災害防止のためのガイドラインに基づき、特に睡眠時間の確保に配慮した措置である下記の事項を確実に実施するよう会員事業場等に対して周知・指導を図っていただき、陸上貨物運送事業におけるトラックの交通事故等による労働災害防止の徹底に努めてくださいますよう要請します。
記
1 適正な労働時間等の管理及び走行管理の実施
疲労等による交通労働災害を防止するため、運転業務従事者の十分な睡眠時間等の確保に配慮し、無理のない適正な運転時間等を設定した走行計画を作成すること。
また、乗務状況を把握し、走行計画どおり走行できなかった場合には、その原因を把握し、次回以降の走行計画の見直し等を行うこと。
2 点呼等の実施及びその結果に基づく措置
安全な運転を実施させるため、運転等業務従事者に乗務を開始させる前に点呼等を実施し、睡眠不足が著しい、体調が不調である等正常な運転が困難な状態と認められる者に対しては、運転業務に就かせないことを含め必要な措置を講じること。
(別紙)
○陸上貨物運送事業における交通労働災害防止の徹底について(緊急要請)
平成22年8月3日基安安発0803第1号
(陸上貨物運送事業労働災害防止協会会長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
陸上貨物運送事業における労働災害による死亡者数は、平成22年1月から6月までの速報値で60人と、昨年と比べて15人、33.3%(全産業で460人、10.8%増)の大幅な増加となっています。これは2年前と比べても5.3%の増(全産業は11.2%減)であり、看過できない状況にあります(別紙図1参照)。事故の型別では、交通事故によるものが38人と昨年に比べて13人、52%の大幅な増加(別紙表1参照)となっており、とりわけ深夜時間帯(22時~5時)における死亡災害が昨年と比べ多発しています(別紙表2参照)。その内訳を見ますと追突事故が多くなっており、早急な対策の強化が必要となっています。
つきましては、以上のような災害発生状況を踏まえ、交通労働災害防止のためのガイドラインに基づき、特に睡眠時間の確保に配慮した措置である下記の事項を確実に実施するよう会員事業場等に対して周知・指導を図っていただき、陸上貨物運送事業におけるトラックの交通事故等による労働災害防止の徹底に努めてくださいますよう要請します。
記
1 適正な労働時間等の管理及び走行管理の実施
疲労等による交通労働災害を防止するため、運転業務従事者の十分な睡眠時間等の確保に配慮し、無理のない適正な運転時間等を設定した走行計画を作成すること。
また、乗務状況を把握し、走行計画どおり走行できなかった場合には、その原因を把握し、次回以降の走行計画の見直し等を行うこと。
2 点呼等の実施及びその結果に基づく措置
安全な運転を実施させるため、運転等業務従事者に乗務を開始させる前に点呼等を実施し、睡眠不足が著しい、体調が不調である等正常な運転が困難な状態と認められる者に対しては、運転業務に就かせないことを含め必要な措置を講じること。