img1 img1 img1

◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー  

通達:労働安全衛生規則の一部を改正する省令及び労働安全衛生規則第四十四条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準の一部を改正する件等の施行等について

 

労働安全衛生規則の一部を改正する省令及び労働安全衛生規則第四十四条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準の一部を改正する件等の施行等について

平成22年1月25日基発0125第1号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

労働安全衛生規則の一部を改正する省令(平成22年厚生労働省令第9号。以下「改正省令」という。)並びに労働安全衛生規則第四十四条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準の一部を改正する件(平成22年厚生労働省告示第25号)、労働安全衛生規則第四十五条第三項において準用する同令第四十四条第二項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準を定める件(平成22年厚生労働省告示第26号)及び労働安全衛生規則第四十五条の二第四項において準用する同令第四十四条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準を定める件の一部を改正する件(平成22年厚生労働省告示第27号)が平成22年1月25日に公布され、平成22年4月1日から施行され、又は適用されることとなったところである。

ついては、今般の改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、その施行に遺漏なきを期されたい。

 

第1 改正の趣旨

1 定期健康診断における胸部エックス線検査及び喀痰検査の対象者の見直し

今般の改正は、結核予防法の一部を改正する法律(平成16年法律第133号)及び結核予防法施行令の一部を改正する政令(平成16年政令第303号)並びに専門家による検討結果を踏まえ、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第44条第2項に規定する定期健康診断の特例を廃止し、労働安全衛生規則第四十四条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成10年労働省告示第88号)に規定する定期健康診断の項目の省略基準として、胸部エックス線検査及び喀痰検査の省略基準を追加するとともに、その他必要な告示の制定及び所要の改正を行ったものである。

2 労働者死傷病報告の様式改正

今般の改正は、派遣先の事業者からの安衛則第97条の規定に基づく労働者死傷病報告の提出の徹底を図り、派遣先の事業場における労働災害防止対策の推進に資するため、派遣元の事業者から提出のあった労働者死傷病報告により、派遣先の事業者からの労働者死傷病報告の提出状況を確認できるようにするため、安衛則様式第23号(休業4日以上の労働者に係る労働災害等に係る労働者死傷病報告)について所要の改正を行ったものである。

 

第2 改正の要点

1 定期健康診断における胸部エックス線検査及び喀痰検査の対象者の見直し

(1) 定期健康診断の特例の廃止(改正省令による改正前の安衛則第44条第2項関係)

労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第66条第1項の規定に基づく安衛則第44条第1項の定期健康診断のうち、ア及びイの健康診断において、胸部エックス線検査及び喀痰検査を行わないこととしている規定を削除するものとしたこと。

ア 満16歳に達する日の属する年度に行われた安衛則第43条の雇入時の健康診断又は定期健康診断の際、要観察者とされなかった者に対して、その者が満17歳に達する日の属する年度及び満18歳に達する日の属する年度に、当該健康診断を行った事業者が行う健康診断

イ 満17歳に達する日の属する年度に行われた雇入時の健康診断の際、要観察者とされなかった者に対して、その者が満18歳に達する日の属する年度に、当該健康診断を行った事業者が行う健康診断

(2) 定期健康診断の項目の省略基準の改正(労働安全衛生規則第四十四条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準関係)

ア 胸部エックス線検査の省略基準の追加

40歳未満の者(20歳、25歳、30歳及び35歳の者を除く。以下同じ。)で、(ア)又は(イ)のいずれにも該当しないものについては、医師が必要でないと認めるときは、胸部エックス線検査を省略することができるものとしたこと。

(ア) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令(平成10年政令第420号)第12条第1項第1号に掲げる者

具体的には、学校(専修学校及び各種学校を含み、幼稚園を除く。)、病院、診療所、助産所、介護老人保健施設又は特定の社会福祉施設において業務に従事する者であること。

(イ) じん肺法(昭和35年法律第30号)第8条第1項第1号又は第3号に掲げる者

具体的には、常時粉じん作業に従事する労働者で、じん肺管理区分が管理1のもの又は常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理2である労働者であること。

イ 喀痰検査の省略基準の追加

胸部エックス線検査によって病変の発見されない者及び胸部エックス線検査によって結核発病のおそれがないと診断された者に加えて、40歳未満の者で、ア(ア)又は(イ)のいずれにも該当しないものを追加するものとしたこと。

ウ 題名の改正

安衛則第44条第2項の規定が廃止され、同条第3項が同条第2項とされることに伴い、題名を「労働安全衛生規則第四十四条第二項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」に改めるものとしたこと。

(3) その他

ア 労働安全衛生規則第四十五条第三項において準用する同令第四十四条第二項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準の新設

専門家による検討の結果、特定業務従事者に対する胸部エックス線検査については省略すべきではないとの報告を受けたことから、労働安全衛生規則第四十四条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準が改正されることに伴い、特定業務従事者の健康診断に係る省略基準として、改正前の同告示と同じ基準を定めるものとしたこと。

イ 平成元年労働省告示第四十六号(労働安全衛生規則第四十五条の二第四項において準用する同令第四十四条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準を定める件)の一部改正

(1)の改正を踏まえ、題名を付するものとしたこと。

2 労働者死傷病報告の様式改正(安衛則様式第23号関係)

(1) 報告項目の追加

派遣元の事業者から提出のあった労働者死傷病報告により、派遣先の事業者からの労働者死傷病報告の提出状況を確認できるようにするため、派遣元の事業者が「派遣先の事業場の郵便番号」を記入する欄を新たに設けるものとしたこと。

(2) その他

(1)の改正に伴い、備考等について所要の改正を行うものとしたこと。

なお、改正後の労働者死傷病報告の様式は別添を参照すること。

 

第3 細部事項

1 胸部エックス線検査の省略基準の追加関係

定期健康診断の項目の省略基準の適用に関し、同基準の「医師が必要でないと認める」とは、胸部エックス線検査にあっては、呼吸器疾患等に係る自覚症状及び他覚症状、既往歴等を勘案し、医師が総合的に判断することをいう。したがって、胸部エックス線検査の省略については、年齢等により機械的に決定されるものではないことに留意すること。

2 喀痰検査の省略基準の追加関係

喀痰検査の趣旨及び目的にかんがみ、胸部エックス線検査の省略基準に基づき胸部エックス線検査を省略された者は、喀痰検査も省略されるものであること。

 

(別添)<様式第23号>

(裏面)