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通達:「健康管理手帳及び船員健康管理手帳交付等関係事務取扱要領」の策定について

 

「健康管理手帳及び船員健康管理手帳交付等関係事務取扱要領」の策定について

平成21年12月14日基発1214第4号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

改正 平成23年2月4日基発0204第4号

 

労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第67条第1項の健康管理手帳(以下「健康管理手帳」という。)の交付、書替え及び再交付等の手続については、平成11年12月1日付け基発第682号「「健康管理手帳交付等関係事務取扱要領」の策定について」においてその取扱いを示してきたところである。

今般、雇用保険等の一部を改正する法律(平成19年法律第30号)により労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)及び船員保険法(昭和14年法律第73号)が改正され、船員保険制度の一般的な福祉事業については、平成22年1月1日付けをもって労働者災害補償保険制度における社会復帰促進等事業に統合されることとされており、現在、平成21年4月1日付け国海運第242号・庁保険発第0401001号「船員に係る健康管理手帳制度について」(以下「国土交通省・社会保険庁通達」という。参考資料参照。)により運用されている船員に係る健康管理手帳制度に基づく健康管理手帳(以下「船員健康管理手帳」という。)の所持者(以下「船員健康管理手帳所持者」という。)に対する健康診断の実施に係る事務についても、同日をもって社会保険庁から厚生労働省労働基準局に移行することとなった。

ついては、健康管理手帳及び船員健康管理手帳の交付、書替え及び再交付等の手続について、別添のとおり健康管理手帳及び船員健康管理手帳交付等関係事務取扱要領(以下「事務取扱要領」という。)を定めたので、その運用に遺憾のないようにされたい。

なお、事務取扱要領中、船員健康管理手帳所持者に係る事項は、第1の3の(2)及び4の(1)、第2の2の(1)及び(2)並びに第3の2の(1)に限るものであることに留意されたい。

また、国土交通省・社会保険庁通達は廃止の上、新たな通達を別途発出することとしているので了知されたい。

おって、本通達をもって、平成11年12月1日付け基発第682号「「健康管理手帳交付等関係事務取扱要領」の策定について」は廃止する。

 

別添

健康管理手帳及び船員健康管理手帳交付等関係事務取扱要領

第1 交付申請関係

1 申請書の受理

(1) 従事歴申告書の確認

健康管理手帳交付申請書には様式第1号による従事歴申告書が添付されていることを確認すること。なお、石綿業務(労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」という。)第23条第11号)の申請においては、従事歴申告書(様式第1号)の「該当交付要件」にチェックがあることを確認すること。

(2) 従事歴を証する書類等の確認

従事歴を証する書類等については、次によること。

ア ベンジジン等業務(令第23条第1号、第2号又は第12号)、クロム酸業務(令第23条第4号)、砒素業務(令第23条第5号)、コールタール業務(令第23条第6号)、ビス(クロロメチル)エーテル業務(令第23条第7号)、ベンゾトリクロリド業務(令第23条第9号)、塩化ビニル業務(令第23条第10号)、石綿業務(令第23条第11号)(令第23条第11号の業務(労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第53条第1項の表令第23条第11号の業務(石綿等(令第6条第23号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)を製造し、又は取り扱う業務に限る。)の項第2号から第4号までのいずれかに該当する場合に限る。))及び1,2―ジクロロプロパン業務(令第23条第13号)の場合

(ア) 様式第2号又は様式第3号により当該業務に申請者が継続して従事していたこと及び当該業務に係る従事期間その他必要な事項について事業者が記載した従事歴証明書(以下「事業者証明書」という。)

(イ) (ア)の事業者証明書が得られず、又は不十分な場合は、様式第4号又は様式第5号による当該業務に申請者が継続して従事していたこと及び当該業務に係る従事期間その他必要な事項について本人が記載した従事歴申立書(以下「本人申立書」という。)及び様式第6号又は様式第7号による当該業務に申請者が継続して従事していたこと及び当該業務に係る従事期間その他必要な事項について当該業務に同時期に従事していた者2名以上が記載した従事歴証明書(以下「同僚証明書」という。)

(ウ) (イ)の同僚証明書が得られず、又は不十分な場合は、様式第5号に加えて、以下の書類のうち、安衛則第53条第1項の表に掲げる交付要件(以下単に「交付要件」という。)に相当する従事歴を証明する1種類以上の書類

a 次のいずれかの書類

(a) 健康管理手帳の申請業務に係る特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「特化則」という。)に基づく特定化学物質健康診断個人票の写し又は特定化学物質健康診断の本人への結果通知の写し

(b) 石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)に基づく石綿健康診断個人票の写し又は石綿健康診断の本人への結果通知の写し

b 社会保険の被保険者記録

c 給与明細の写し

d 雇用保険に係る証明書

e その他本人申立書に記載された内容を裏付ける客観的な書類

なお、以下の事項にも留意されたい。

・事業者証明書、本人申立書及び同僚証明書については、証明する期間において勤務した事業場及び業務ごとに提出すること。

・従事歴を証する書類等については、交付要件の従事歴に相当する期間のすべての期間について要すること。

・(イ)及び(ウ)において「不十分な場合」とは、例えば雇用期間のみを証明し、申請者が当該業務に従事していたか否かについては証明されていない場合等をいうこと。

イ 粉じん業務(令第23条第3号)の場合

じん肺法(昭和35年法律第30号)第14条第1項(第15条第3項、第16条第2項又は第16条の2第2項において準用する場合を含む。)の決定通知書(以下「じん肺管理区分決定通知書」という。)又は同法第14条第2項の通知書の写し

ウ ベリリウム業務(令第23条第8号)の場合

アに掲げる書類に加え、胸部エックス線直接撮影又は特殊なエックス線撮影による写真(以下「エックス線写真等」という。)及び慢性の結節性陰影がある旨の記述等のある医師による診断書(同様の記載のある特定化学物質健康診断個人票の写し又はじん肺健康診断結果証明書の写しでも可)

エ 石綿業務(令第23条第11号の業務(安衛則第53条第1項の表令第23条第11号の業務(石綿等(令第6条第23号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)を製造し、又は取り扱う業務に限る。)の項第2号から第4号までのいずれかに該当する場合を除く。))の場合

アに掲げる書類に加え、以下のいずれかの書類等

(ア) エックス線写真等及び石綿による不整形陰影又は胸膜肥厚の陰影がある旨の記述等のある医師による診断書(同様の記載のある石綿健康診断個人票の写し又はじん肺健康診断結果証明書の写しでも可。)

(イ) 管理2以上のじん肺管理区分決定通知書及び当該決定に関して都道府県労働局長に提出されたじん肺健康診断結果証明書の写し

(3) 申請先の確認

申請先は次のとおりであるので、申請先を誤っている場合には、本来の申請先に移送すること。

ア 離職の際に既に交付要件を満たしている場合は、申請者が対象業務に従事した事業場(当該事業場が2以上ある場合は最近時の事業場)の所在地を管轄する都道府県労働局(以下「所轄局」という。)

イ 離職の後に初めて交付要件を満たすこととなった場合は、申請者の住所を管轄する都道府県労働局(以下「住所地局」という。)

(4) 申請者の従事歴の確認

ア 申請者が、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)の適用事業場以外の事業場において有害業務に従事していた者(以下「労災保険の適用を受けない申請者」という。)であるか否かを確認すること。

イ アの確認の結果、申請者が労災保険の適用を受けない申請者であるときは、次に掲げるところによること。

(ア) 当該労災保険の適用を受けない申請者が、労働者災害補償保険法の適用事業場においても有害業務に従事していたことの有無及び従事していたことがある場合には、その期間を確認すること。この場合において、原則として、当該期間が労働者災害補償保険法の適用事業場以外の事業場において有害業務に従事した期間よりも長い場合には、その者に係る健康診断費等の支払は、都道府県労働局長が行うこととすること。

(イ) 当該労災保険の適用を受けない申請者が、新規事業者(労働者災害補償保険法の適用事業場以外の事業場に係る事業者で、その雇用していた労働者についてこれまでに健康管理手帳が交付されたことがないものをいう。以下同じ。)に雇用されていた者であるときは、その旨を遅滞なく厚生労働省労働基準局労働衛生課(以下「厚生労働省労働衛生課」という)あて報告すること。なお、厚生労働省労働衛生課においては、当該報告があったときは、当該新規事業者が地方公共団体である場合にあっては総務省に、地方公共団体以外の者である場合にあっては関係省庁に、それぞれ必要な事項について連絡を行う。

(5) その他

離職の際の申請にあっては、事業者が申請事務を代行するよう指導すること。

2 申請書類等の審査

(1) 書面のみによる審査(ベリリウム業務及び石綿業務(令第23条第11号の業務(安衛則第53条第1項の表令第23条第11号の業務(石綿等(令第6条第23号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)を製造し、又は取り扱う業務に限る。)の項第2号から第4号までのいずれかに該当する場合を除く。))以外の場合)

ア 事業場が現存し、事業者が申請者の当該業務への従事を肯定している場合

従事歴申告書(様式第1号)及びそれを証する事業者証明書の内容を確認し、交付要件を満たすことを確認した上で健康管理手帳を交付すること。

イ 事業場は廃止されているものの、申請者が労働者として当該業務に従事していた当時の事業者が申請者の当該業務への従事を肯定している場合

従事歴申告書(様式第1号)及びそれを証する事業者証明書の内容を確認し、交付要件を満たすことを確認した上で健康管理手帳を交付すること。

ウ 事業者が申請者の当該業務への従事を否定し、若しくは不明である旨主張している場合、又は事業場が廃止されているなどの理由により事業者証明書が得られない場合

(ア) 同僚が申請者の当該業務への従事を肯定している場合

従事歴申告書(様式第1号)並びにそれを証する同僚証明書及び本人申立書の内容を確認し、交付要件を満たすことを確認した上で健康管理手帳を交付すること。

(イ) 同僚が申請者の当該業務への従事を不明である旨主張している場合又は同僚証明書が得られない場合

a 本人申立書に1の(2)のアの(ウ)に掲げる書類が交付要件の従事歴に相当する期間の全期間について添付され、かつ、本人申立書の内容とそれらの内容が一致している場合には健康管理手帳を交付すること。

b aの場合を除き、本人申立書に1の(2)のアの(ウ)に掲げる書類が添付されている場合には、それらにより、当該事業場が存在していたこと及び申請者が雇用されていた期間を確認した上で、本人申立書の内容により、以下の条件を全て満たす等、当該業務に継続的に従事していたと判断することが合理的である場合には健康管理手帳を交付すること。

(a) 本人申立書の内容に記載不備や疑義がないこと。

(b) 事業者証明書、同僚証明書及び1の(2)のアの(ウ)の一部の書類を提出できないことがやむを得ない理由によるものであること。

(c) 1の(2)のアの(ウ)により提出された書類の内容と本人申立書の内容が一致していること。

なお、その判断が困難な場合には、必要に応じて本人に聴取調査を行うこと。

c 提出された事業者証明書又は同僚証明書をもって、申請者が当該事業場に雇用されていたことが証明されるものの、当該業務への従事が確認できず、かつ、1の(2)のアの(ウ)に掲げる書類のいずれも提出されない場合には、bと同様の取扱いとすること。

(ウ) 本人申立書のみが提出された場合

原則として健康管理手帳は交付しないこと。ただし、本人への聴取調査により、1の(2)のアの(イ)及び(ウ)に掲げる書類を提出できないことがやむを得ない理由によるものであると考えられる場合には、厚生労働省労働衛生課に協議すること。

なお、以下の事項にも留意されたい。

a 「継続して従事していたこと」とは、労働者が業務の常態として当該作業に引き続いて従事することをいうが、必ずしも労働日の全部について当該作業に従事することを要件とするものではないこと。判断が困難な場合には、厚生労働省労働衛生課に協議すること。

b 粉じん業務(令第23条第3号)の場合は、必要に応じ申請を受理した都道府県労働局の保存書類との照合等により申請内容を確認すること。

c 石綿等を製造し、又は取り扱う業務(以下「石綿直接業務」という。)の場合は、申請者が従事した石綿業務の内容が交付要件を満たす作業か否かの判断に際しては、原則として、「石綿ばく露歴把握のための手引」(平成18年10月石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会作成。以下「手引」という。)を用いて判断することとし、手引の「3.石綿関連写真集(1)石綿に関する作業 ○1~19高濃度ばく露、中等度ばく露、事例報告の多い作業」(以下「手引に記載された石綿等を製造し、又は取り扱う作業」という。)に掲げられた職種であり、それぞれの職種について掲げられている石綿製品を製造し、又は取り扱う作業を行っていた者については、石綿直接業務に従事していた者に該当するものであること。ただし、申請者の業務内容が職業性の直接のばく露に該当するものであることを確認すること。また、安衛則第53条第1項の表令第23条第11号の業務(石綿等(令第6条第23号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)を製造し、又は取り扱う業務に限る。)の項第2号から第4号までのいずれかに該当するか否かの判断に際しては、申請者が当該業務に継続して従事していたことを併せて確認すること。なお、手引に記載された石綿等を製造し、又は取り扱う作業以外の業務などでも、交付要件を満たす場合も想定されることから、その場合には厚生労働省労働衛生課に確認すること。

d 令第23条第11号の業務(石綿直接業務を除く。以下「石綿周辺業務」という。)の場合は、申請者が従事した石綿業務が石綿周辺業務に該当するか否かの判断に際しては、石綿直接業務が行われた作業場において石綿直接業務以外の業務に継続的に従事していたか否かに基づき判断すること。また、当該作業場は石綿則第15条(石綿則制定前においては、特化則第24条)により関係者以外の立入禁止措置を講ずべき場所とされていることから、必要に応じ、申請者が関係者として当該立入禁止の作業場内で作業を行っていたかを本人、事業者、同僚等から聞き取り調査で確認し、当時の作業施設の見取り図(作業環境測定の記録等を含む。)も参考にすること。なお、じん肺法施行規則(昭和35年労働省令第6号。以下「じん肺則」という。)別表第24号に掲げる粉じん作業は、石綿直接業務又は石綿周辺業務のいずれかに該当するため、じん肺法に基づく定期健康診断を過去に受診していた者であって、石綿直接業務以外の業務に従事していた者は、石綿周辺業務に従事していた者と判断して差し支えないこと。

(2) エックス線写真等による審査(ベリリウム業務又は石綿業務(令第23条第11号の業務(安衛則第53条第1項の表令第23条第11号の業務(石綿等(令第6条第23号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)を製造し、又は取り扱う業務に限る。)の項第2号から第4号までのいずれかに該当する場合を除く。))の場合)

(1)の(2)のアにより提出された書類によりベリリウム業務又は石綿業務に従事していたことを確認した上で、ベリリウム業務については下記ア、石綿業務については下記イのことを確認すること。

ア ベリリウム業務

提出されたエックス線写真等におけるび慢性の結節性陰影の有無について、地方じん肺診査医等専門的な知識を有する医師に確認を求め、これが認められること。

イ 石綿業務

(ア) エックス線写真等の提出のあったものにあっては、地方じん肺診査医等専門的な知識を有する医師に、両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があることの確認を求めること。

(イ) じん肺管理区分決定通知書及びじん肺健康診断結果証明書の提出のあったものにあっては、当該じん肺管理区分が管理2以上であり、かつ、じん肺健康診断結果証明書の「4.エックス線写真の像」の欄の「イ.小陰影の区分」の不整形陰影の欄に1/0以上の記載があるもの若しくは「ハ.付加記載事項」の欄中、pl若しくはplcの項目が選択されていること。必要に応じ、じん肺管理区分決定を行った都道府県労働局の保存書類との照合等により申請内容を確認すること。

3 健康管理手帳の作成等

(1) 健康管理手帳の作成及び交付

ア 2の審査の結果、交付要件を満たしているものについては、該当する種類の健康管理手帳(以下「手帳」という。)の様式に申請者の氏名等の所要事項を記入して手帳を作成し、申請者に交付すること。

なお、事業場に確認する等により、離職前直近の該当の健康診断結果を当該欄に記入すること。

イ アの場合において、労災保険の適用を受けない申請者に対し手帳の交付を決定したときは、平成25年9月26日付け基発0926第4号(以下「運営通達」という。)様式第3号により遅滞なく厚生労働省労働衛生課あて報告すること。

ウ アの場合において、労災保険の適用を受けない申請者に交付する手帳については、運営通達別添4のとおり、その者に係る健康診断費等を負担すべき事業者の名称を朱書きで記入すること。

(2) 台帳及び交付簿の作成等

様式第8号による健康管理手帳台帳(以下「台帳」という。)及び様式第9号による健康管理手帳交付簿(以下「交付簿」という。)を作成すること。

また、国土交通省海事局船員政策課(以下「国土交通省船員政策課」という。)が船員健康管理手帳所持者に係る健康管理手帳交付簿(以下「船員健康管理手帳交付簿」という。)(氏名又は住所の変更により船員健康管理手帳の書換えが行われた場合を含む。)を作成し、その写しを厚生労働省労働衛生課あて送付することとなっているところ、これを厚生労働省労働衛生課から船員健康管理手帳所持者の住所地を管轄する都道府県労働局あて送付するので、同交付簿に基づき、様式第8号による台帳を作成することとし、両台帳については区別して管理すること。なお、書換えの場合については第2の2(1)及び(2)によること。

手帳の番号(台帳及び交付簿においては「手帳交付番号」という。以下同じ。)は、種類ごとに別紙1の番号を頭に一連番号とすること。また、労災保険の適用を受けない申請者に対し手帳を交付したときは、台帳及び交付簿の備考欄に、その者に係る健康診断費等を負担すべき事業者の名称を記入すること。

4 手帳の交付の際の措置

(1) 健康診断の受診の勧告等

手帳の交付の際、申請者((3)に掲げる者を除く。)に対し、所定の健康診断を受けるよう勧告するとともに、申請者((3)に掲げる者を除く。)及び船員健康管理手帳所持者に対し、健康診断の項目、回数、実施時期、健康診断を委託する医療機関(以下「委託医療機関」という。)の所在地、所定の健康診断項目の範囲内の検査については費用を負担する必要のないこと、委託医療機関において受診すること、その他当該健康診断の受診に必要な事項を通知すること。

(2) 手帳の交付(石綿業務(安衛則第53条第1項の表令第23条第11号)の場合に限る。)の際、健康管理手帳交付に関する申請書類の審査における従事歴の確認方法と、労災保険の申請時における従事歴の確認方法の違いを明らかにするため、申請者に対し、「石綿健康管理手帳をお持ちの方へ ~石綿ばく露作業従事歴の確認方法について~」(別紙2)、「石綿による疾病の認定基準」及び配布文書一覧(別紙3)を配布すること。

(3) 労災保険の適用を受けない申請者に対し手帳を交付するときは、当該者に対し、次に掲げる事項を説明すること。なお、ウについての説明は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)第4条の規定による利用目的の明示として行うものであること。

ア 健康診断の実施、健康診断費等の支払等については、当該者が有害業務に従事していた事業場に係る事業者が行うべきものであり、その方法は、運営通達別添5の1の方法によるものであること。

イ 当該事業者が行う健康診断及びその受診旅費の請求に係る連絡先(当該事業者が新規事業者である場合にあっては、これらの事項を追って説明する予定であること。)

ウ 手帳が交付されたことについて、当該事業者(当該事業者が地方公共団体である場合にあっては、当該事業者及び総務省)に連絡する予定であること。

(4) 労災保険の適用を受けない申請者に対し手帳を交付した場合であって、当該申請者を雇用していた事業者が地方公共団体であり、かつ、新規事業者でないときは、当該交付の決定について遅滞なく当該地方公共団体あて連絡すること。なお、当該事業者が地方公共団体以外の者であるときは、当該連絡は厚生労働省労働衛生課において行う。

(5) 労災保険の適用を受けない申請者に対し手帳を交付した場合であって、当該申請者を雇用していた事業者が地方公共団体であり、かつ、新規事業者であるときは、次に掲げるところによること。なお、当該事業者が地方公共団体以外の者であるときは、これらに相当する事項は厚生労働省労働衛生課において行う。

ア 別途厚生労働省労働衛生課から連絡する地方公共団体の連絡先に対し、健康管理手帳制度の概要、健康管理手帳所持者で労働者災害補償保険法の適用事業場以外の事業場において有害業務に従事したことにより手帳を所持するに至ったもの(以下「労災保険の適用を受けない者」という。)に係る取扱い等必要な事項を説明した上で、当該地方公共団体における健康管理手帳所持者に対する健康診断の実施方法、健康診断費等の支払の方法等について、書面による情報提供(当該書面の例として、運営通達別添5を参照)を求めること。

イ アの情報提供があったときは、遅滞なく厚生労働省労働衛生課あて報告するとともに、(2)の手帳を交付した者に対し、(2)のイに掲げる事項を説明すること。

(6) 台帳の移管等

ア 所轄局における事務処理等

申請が所轄局になされた場合において、申請者の住所が当該局の管内でないときは、台帳を住所地局に移管すること。

なお、この場合にあっては、手帳の交付に当たって、申請者に対し、住所地局へ委託医療機関について問い合わせるよう指導すること。

イ 住所地局における事務処理等

台帳の移管を受けた住所地局は、交付簿に記入するとともに、手帳の交付を受けた者に対して、当該局の委託医療機関の所在地等を通知すること。

なお、手帳の番号については住所地局における整理の都合上新しい番号を付けることは差し支えないが、最初の交付時の番号はそのまま残し、新旧両番号を併記すること。この場合、台帳及び交付簿への手帳交付番号の記載についても新旧両番号を併記すること。

5 手帳の交付の拒否

審査の結果、交付要件を満たさないことにより手帳の交付を行わない場合には、その旨を申請者に対し書面により通知すること。

なお、この場合、行政手続法(平成5年法律第88号)上の「許認可等を拒否する処分」を行うこととなることから、拒否の理由も併せて通知すること。その具体的手続については、平成6年9月30日付け基発第612号の記の第2の1の(4)によること。

また、交付拒否処分は、行審法に基づく審査請求の対象となるので、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に厚生労働大臣に対して審査請求をすることができる旨を当該処分の通知に併せて記載すること。さらに、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第46条に基づき、取消訴訟の提起に関する事項を記載すること。

交付拒否処分の通知文については、別紙4を参考にすること。

6 添付資料の返還

ベリリウム業務又は石綿業務(令第23条第11号の業務(安衛則第53条第1項の表令第23条第11号の業務(石綿等(令第6条第23号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)を製造し、又は取り扱う業務に限る。)の項第2号から第4号までのいずれかに該当する場合を除く。))に係る申請に添付されたエックス線写真等については、手帳の交付又は交付拒否処分の通知に併せて申請者あて返還すること。

7 事務処理の期間

申請書の審査・処理に要する標準処理期間は、平成11年3月31日付け基発第179号に基づき、原則15日と定められているところであるが、書類審査において申請内容を確認するため又はベリリウム業務若しくは石綿業務(令第23条第11号の業務(安衛則第53条第1項の表令第23条第11号の業務(石綿等(令第6条第23号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)を製造し、又は取り扱う業務に限る。)の項第2号から第4号までのいずれかに該当する場合を除く。))に係るものにあっては専門の医師による確認を求めるため、審査に相当の期間を要すると見込まれるときには、申請者にその旨をあらかじめ説明し理解を得るよう努めること。

なお、この場合においても申請から1月以内に審査・処理を終えるよう極力努めること。

第2 書替え申請関係

(1) 申請書の受理

手帳及び氏名又は住所の変更を証する市町村長の証明書が添付されていることを確認すること。

なお、都道府県間の住所の変更の場合は、申請先は新住所を管轄する都道府県労働局であることに留意すること。

2 手帳への変更内容の記載等

(1) 氏名変更又は同一都道府県内の住所変更の場合

ア 手帳への記載

手帳に変更された氏名又は住所を記載すること。

イ 台帳及び交付簿への記載

申請の内容を確認の上記載し、備考欄に変更年月日を付記すること。

船員健康管理手帳については、第1の3の(2)により送付された船員健康管理手帳交付簿に基づき、台帳に変更事項を記載し、備考欄に変更年月日を付記すること。

(2) 都道府県間の住所変更の場合

ア 台帳の移管

旧住所を管轄する都道府県労働局に連絡し、台帳の移管を受けること。

船員健康管理手帳については、第1の3の(2)により送付された船員健康管理手帳交付簿に基づき、旧住所地を管轄する都道府県労働局に連絡し、台帳の移管を受けること。

イ 手帳、台帳及び交付簿への記載

手帳及び台帳に(1)のア及びイに準じて変更事項を記載するとともに、交付簿を作成すること。

なお、手帳の番号に関する取扱いについては、第1の4の(6)のイのなお書きによること。

また、船員健康管理手帳については、台帳の移管を受けた後、(1)のイに準じて変更事項を記載すること。

(3) (1)又は(2)の変更をした者が労災保険の適用を受けない者である場合において、当該者を雇用していた事業者が地方公共団体であるときは、上記変更内容について都道府県労働局(都道府県間の住所変更の場合には、新住所を所轄する都道府県労働局)から遅滞なく当該地方公共団体あて連絡すること。当該事業者が地方公共団体以外の者であるときは、上記変更内容について厚生労働省労働衛生課に報告すること。当該事業者に対する連絡は、厚生労働省労働衛生課において行う。

3 手帳の返還等

変更事項を記載した手帳を申請者に返還するとともに、2の(2)の場合は、併せて委託医療機関の所在地等を申請者に通知すること。

第3 再交付申請等関係

1 再交付申請関係

(1) 申請書の受理

手帳の損傷の場合にあっては、損傷した手帳が添付されていることを確認すること。

(2) 手帳の作成等

手帳の番号は旧番号とし、手帳の交付に準じて作成すること。

また、交付簿の備考欄に再交付年月日を付記すること。

(3) 再交付の際の措置

申請者に対し、以後手帳を滅失又は損傷することのないよう注意喚起するとともに、手帳の滅失の場合にあっては、滅失した手帳を発見したときは速やかに返還するよう併せて注意喚起すること。

2 手帳の返還関係

(1) 健康管理手帳所持者の死亡に伴う手帳の返還があった場合には、交付簿及び台帳の備考欄にその旨を記載すること。

船員健康管理手帳については、国土交通省船員政策課あて船員健康管理手帳の返還があった場合、その旨の通知を同課から厚生労働省労働衛生課あてすることとなっており、その通知を受けて厚生労働省労働衛生課より所轄都道府県労働局あて通知するので、それに基づき台帳の備考欄にその旨を記載すること。

(2) 死亡した者が労災保険の適用を受けない者である場合において、当該者を雇用していた事業者が地方公共団体であるときは、手帳が返還された事実について都道府県労働局から遅滞なく当該地方公共団体あて連絡すること。当該事業者が地方公共団体以外の者であるときは、上記について厚生労働省労働衛生課に報告すること。当該事業者に対する連絡は、厚生労働省労働衛生課において行う。

3 手帳の健康診断結果の記載欄の満了に伴う措置

手帳所持者又は健康診断の実施に際して手帳所持者から手帳を預かった委託医療機関から、手帳の健康診断結果の記載欄が満了した旨の申出があった場合には、申出のあった者から当該手帳を一旦回収し、次の要領により新しい手帳と合本した手帳を作成の上、当該者に返還すること。

(1) 現在の手帳の裏表紙と新しい手帳の表表紙を固定し、合本すること。

(2) 新しい手帳には、第1頁目の氏名、性別、生年月日及び住所を記入すること。

(3) 労災保険の適用を受けない者に関する手帳については、運営通達別添4のとおり、その者に係る健康診断費等を負担すべき事業者の名称を朱書きで記入すること。

第4 手帳の交付拒否処分又は不作為に係る審査請求関係

1 行政不服審査法の内容

(1) 改正の概要

行審法では、審理員による審理手続、第三者機関への諮問手続を導入し、処分に関与しない職員(審理員)が両者の主張を公平に審理し、有識者からなる第三者機関が大臣等(審査庁)の判断をチェックすることとされた。

(2) 受理

行審法では、審査請求の請求先について、原則として審査庁に対して直接、請求することとした(行審法第4条)が、処分庁又は不作為庁を経由して審査請求が行うことができることとされた(行審法第21条)。

処分庁又は不作為庁は、審理員からの指示により弁明書を作成し、提出しなければならないこととなった(行審法第29条)。

審理員による審理手続において、審査請求人等の申し立てがあった場合には口頭で意見を述べる機会を与えなければならないとされ(行審法第31条第1項)、その際には全ての審理関係人を招集して行うこととされた(行審法第31条第2項)。

(3) 弁明書

審理員は、相当の期間を定めて、処分庁等に対し、弁明書の提出を求めるものとされた(行審法第29条第2項)。

原決定処分についての審査請求書に対する弁明書には、「処分の内容及び理由」を、不作為についての審査請求書に対する弁明書には、「処分をしていない理由並びに予定される処分の時期、内容及び理由」を記載しなければならないとされた(行審法第29条第3項)。

(4) 裁決後の処理

不作為についての審査請求に理由がある場合には、審査庁は、裁決で当該不作為が違法又は不当である旨を宣言し、不作為庁に対して当該処分をすべき旨を命ずることとされた(行審法第49条第3項)。

2 事務処理手順の改正の概要

現在、所轄局又は住所地局(以下、「局」という。)は、審査請求書及び証拠書類等を受理後、これに交付拒否処分(以下、「処分」という。)の根拠となった専門家による審査結果又は書類審査において交付拒否処分となった具体的な根拠を添えて、遅滞なく厚生労働省労働衛生課に送付しているが、このたび、審理員制度が創設されたことに伴い、審理員から弁明書の提出要求がなされてから、処分時の胸部エックス線写真の所見の記録等を基に弁明書を提出することとなること。

3 処分に係る審査請求の手順

(1) 受理

ア 審査請求人から厚生労働省労働衛生課に、審査請求書及びエックス線写真等が提出されることとなるので、その際の受理事務は厚生労働省労働衛生課において実施すること。

イ 審査請求書等が局に提出された場合は、局が経由事務を担うこととなること。局は、行審法第19条に基づく審査請求書であるか、及び行審法第32条に基づく証拠書類又は証拠物であるか等についての審査(請求方式、請求に係る処分の存在、審査請求人適格、請求期間、請求先)を行い、下記ア)~ウ)の確認を行った上で、遅滞なく厚生労働省労働衛生課へ送付すること。

ア) 局は、審査請求の受理に際しては、審査請求書に所要事項が記載されていること及び当該審査請求が審査請求人が請求に係る処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に行われたもの(行審法第18条第1項)であることを確認すること。

イ) 局は、審査請求を受理するに際し、審査請求人に対し、処分に係る申請の際に提出した関係書類(エックス線写真等を含む。)が審査請求に係る審査に必要であることを説明の上、これらの資料を併せて提出するよう指導すること。

ウ) 審査請求に必要な書類が添付されていない場合は、揃えてから提出するよう審査請求人に指導し、必要な書類が揃った段階で厚生労働省労働衛生課に送付すること。その際、別紙5の審査請求チェックリストを活用すること。

ウ 局においては、審査請求書は、原則として様式第10号によるものとすること。あわせて、当該審査請求事案が法第67条に基づく処分に対するものであるという趣旨を踏まえて、「審査請求の趣旨」欄に記載しておくべき内容についても十分説明すること。当該様式によらない場合にも、当該審査請求書に示す所要の記載事項(行審法第19条)を満たすよう必要に応じ補正を求めること。

エ 局においては、審査請求に係る照会があった際には、審査請求者の利便性の確保の観点から可能な限り対応を行うこと。審査請求書が局経由で提出された場合には、行審法第21条第3項の規定に基づき、その提出された日が審査請求の提起日となるので、その日付を確実に記録すること。

オ 行審法施行令第4条第4項の電子情報処理組織を使用して審査請求がされた場合には、審査請求人にエックス線写真等を郵送させ、氏名、生年月日等、エックス線写真に記載されている情報を基に、審査請求人とエックス線写真に写っている者が同一であるかどうかの確認を行うこと。

(2) 審理員による審理

ア ベリリウム業務又は石綿業務(令第23条第11号の業務(安衛則第53条第1項の表令第23条第11号の業務(石綿等(令第6条第23号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)を製造し、又は取り扱う業務に限る。)の項第2号から第4号までのいずれかに該当する場合を除く。))に係る審理(以下、「ベリリウム等の審理」という。)以外の場合

ア) 厚生労働省労働衛生課は、(1)により提出又は局から送付された審査請求書、添付書類、物件をとりまとめ、審理員(厚生労働省大臣官房総務課職員)に当該案件に係る審査請求書等を送付する。

イ) 審理員は、審査請求書(副本)を局に送付し、弁明書の作成を命じるとともに、当該処分に係る関係(証拠)書類の送付を依頼する。

ウ) 局においては、弁明書の提出に際して、参考様式例(様式第11号 弁明書提出通知書の添付書類の例)を参照すること。処分の根拠となった専門家による審査結果又は書類審査の鑑定の記録を基に、判断の根拠が審理員等に判るよう弁明書に記載すること。また、審査請求書等に処分が違法又は不当であることを理由付ける具体的な内容が記載されている場合には、処分が違法又は不当のいずれでもないことの根拠となる事実を「処分の内容及び理由」に記載すること。弁明書については、審理員からの特段の指定がない限り、おおよそ2~3週間で提出すること。

エ) 審理員は、局から提出された弁明書を審査請求人に送付し、必要に応じて反論書等の提出を受ける。

オ) 審理員は、下記イのウ)で得られた中央じん肺診査医等の鑑定結果並びにウ)及びエ)の過程で揃った弁明書・反論書等を基に、必要に応じて口頭意見陳述の機会を設け、証拠書類等や物件の提出要求、参考人の陳述や鑑定要求等を行い、審理を進めることから、局において出席、テレビ会議等の対応を行うことがあることに留意すること。

カ) 審理員は、申立て又は職権により、書類その他の物件の所持人に対し、提出期限を付して、物件の提出要求を行うことができるので、留意すること。

キ) 審理員は、審査請求人又は参加人から、提出書類の閲覧又は写し等の交付の求めを受けた場合は、交付を拒むことができる正当な理由の有無の確認、提出書類等の提出人の意見の聴取を経て、その実施について決定することに留意すること。

イ ベリリウム等の審理の場合は、上記ア)からキ)に加え、下記事項についても行うこと。

ア) 厚生労働省労働衛生課は、ベリリウム等の審理に際しては、診査個票を作成する。

イ) 審理員は、ベリリウム等の審理にあたっては、中央じん肺診査医に、処分の根拠となったエックス線写真等の鑑定を依頼し、交付要件への該当の有無の確認を行う。

ウ) 厚生労働省労働衛生課は、中央じん肺診査医会を開催し、局から送付された審査請求書等をもとに、当該処分に係る鑑定結果をとりまとめ、審理員に提供する。

(3) 審理員による審理員意見書等の作成

ア 審理員は、必要な審理を終えたと認めるときは、審理手続を終結するとともに、審理手続を終結した旨並びに審理員意見書及び事件記録を本省に提出する予定時期を審理関係者に通知する。

イ 審理員は(2)のオ)の審理の結果に基づいて、審理員意見書及び事件記録を遅滞なく作成し、厚生労働省労働衛生課へ速やかに提出する。

(4) 行政不服審査会への諮問・答申

ア 厚生労働省労働衛生課は、審理員意見書を基に、行政不服審査会に対する諮問案を作成し、諮問手続を行う。

イ 厚生労働省労働衛生課は、行政不服審査会から答申が得られれば、裁決の手続を行う。

(5) 厚生労働省労働衛生課における裁決

ア 厚生労働省労働衛生課は、行政不服審査会の答申に基づき、裁決を行う。

イ 裁決の結果、処分が取消となった場合には、局は、速やかに手帳の交付の手続をとること。

ウ 厚生労働省労働衛生課から審査請求人、参加人、都道府県労働局へ裁決書を送付するとともに、(1)により任意提出されたエックス線写真等の資料については、裁決書の謄本の送付と併せて本省から審査請求人に返還する。

エ 処分に係る審査請求の概要は別紙6のとおりであること。

4 不作為にかかる審査請求の手順

(1) 受理

ア 審査請求人から厚生労働省労働衛生課に、審査請求書等が提出されることとなるので、その際の受理事務は厚生労働省労働衛生課において実施する。

イ 審査請求書等が局に提出された場合は、経由事務を担うこととなる。局は、行審法第19条に基づく審査請求書であるか、及び行審法第32条に基づく証拠書類等であるか等についての審査(請求方式、請求に係る不作為の存在、審査請求人適格、請求期間、請求先)を行い、遅滞なく厚生労働省労働衛生課へ送付すること。この際、別紙5の審査請求チェックリストを活用すること。

ウ 局においては、審査請求書の様式は、様式第10号によるよう指導すること。あわせて、審査請求者が「どのような内容の不作為があると考えているのか」が明確に判るよう「審査請求の趣旨」欄に記載するように十分に説明すること。

エ 局においては、審査請求に係る照会があった際には、審査請求者の利便性の確保の観点から可能な限り対応を行うこと。審査請求書が局経由で提出された場合には、行審法第21条第3項の規定に基づき、その提出された日が審査請求の提起日となるので、その日付を確実に記録すること。

オ 行審法施行令第4条第4項の電子情報処理組織を使用して審査請求がされた場合には、審査請求人に、その他の添付書類、物件の提出の予定がないかを確認し、ある場合は郵送するよう指導すること。その上で審査請求人からエックス線写真が郵送されてきた場合には、氏名、生年月日等、エックス線写真に記載されている情報を基に、審査請求人とエックス線写真に写っている者が同一であるかどうかの確認を行うこと。

(2) 審理員による審理

ア ベリリウム等の審理以外の場合

ア) 厚生労働省労働衛生課は、(1)により提出又は局から送付された審査請求書、添付書類、物件をとりまとめ、審理員(厚生労働省大臣官房総務課職員)に当該案件に係る審査請求書等を送付する。

イ) 審理員は、審査請求書等を局に送付し、弁明書の作成を命じるとともに、不作為に係る関係(証拠)書類の送付を依頼する。

ウ) 局においては、弁明書の提出に際して、参考様式例(様式第11号 弁明書提出通知書の添付書類の例)を参照すること。「処分をしていない理由」の記載に当たっては、当該申請がどのような処理の段階にあるかといった審査の進行状況を明示し、審査に時間を要する事情が生じていれば当該事情を明らかにするなどして、処分をするまでに至っていない原因となる事実を記載すること。このため、例えば「業務の輻輳による遅延」といった抽象的な記載は適当ではないこと。

エ) 「予定される処分の時期」とは、弁明書の提出時点における時間的な観点からの予定時期であり、例えば、「標準処理期間どおりにいけば、○月△日ぐらいであるが、本件の場合は□日程度遅れる見込み」といった記載が考えられる。なお、「未定」等の予定時期を示さない記載は可能な限り避けるべきであること。

オ) 「予定される処分の内容及び理由」とは、弁明書の提出時点において予定されている処分の内容及び理由であり、処分についての審査請求についての弁明書における「処分の内容及び理由」と同様に、審理員等が予定される処分の内容及び理由を明確に認識し得るものであることが必要であるが、いまだ処分をしていない段階であるため、審査の進行状況等によっては、具体的に記載することが困難な場合も考えられる。このような場合は、その時点でできる限り具体的な記載をすることが求められるが、状況により「内容及び理由」を明示できない場合は、これを明示できない理由を記載する必要がある。弁明書については、審理員からの特段の指定がない限り、おおよそ2~3週間で提出すること。

カ) なお、審理員から局あてに審査請求書の送付があり次第、弁明書の作成と並行して速やかに当該審査請求案件にかかる処理等を行うこと。ただし、鑑定が行えない正当な理由がある場合は、その理由を弁明書に明記し審理員に提出すること。

キ) 審査請求人から処分の審査に必要な物件として提出されているエックス線写真については、地方じん肺診査医による鑑定を速やかに行う必要があるため、証拠物件として弁明書に添付し厚生労働省労働衛生課へ提出する必要はないこと。また、イ)で審理員から送付されたエックス線写真等は本省から審査請求人に返却するため、厚生労働省労働衛生課に返送すること。

ク) 審理員は、局から提出された弁明書を審査請求人に送付し、必要に応じて反論書等の提出を受ける。

ケ) 審理員は、カ)及びク)の過程で揃った弁明書・反論書等をもとに、必要に応じて口頭意見陳述の機会を設け、証拠書類等や物件の提出要求、参考人の陳述や鑑定要求等を行い、審理を進めることから、局において出席、テレビ会議等の対応を行うことがあることに留意すること。

コ) 審理員は、申立て又は職権により、書類その他の物件の所持人に対し、提出期限を付して、物件の提出要求を行うことができるので、留意すること。

サ) 審理員は、審査請求人又は参加人から、提出書類の閲覧又は写し等の交付の求めを受けた場合は、交付を拒むことができる正当な理由の有無の確認、提出書類等の提出人の意見の聴取を経て、その実施について決定することに留意すること。

イ ベリリウム等の審理の場合は、上記ア)からサ)に加え、下記の地方じん肺診査医による鑑定等を行うこと。

ア) ベリリウム等の審理において、局は、当該審査請求があったことを地方じん肺診査医に連絡し、定例又は臨時の地方じん肺診査医会を開催すること。

イ) ベリリウム等の審理において、局は、審理員から送付された審査請求書等をとりまとめるとともに、地方じん肺診査医会を開催する。

ウ) 地方じん肺診査医は、審査請求書及びエックス線写真等(①健康管理手帳の交付申請の為に、既に提出されており当該局に保管中のもの、②不作為に係る審査請求で新たに提出されたもの)を基に、不作為に係る鑑定を行う。

エ) 局は、ウ)の結果をまとめ、審理員に提供する。

(3) 審理員による審理員意見書等の作成

ア 審理員は、必要な審理を終えたと認めるときは、審理手続を終結するとともに、審理手続を終結した旨並びに審理員意見書及び事件記録を厚生労働省労働衛生課に提出する予定時期を審理関係者に通知する。

イ 審理員は(2)のアのケ)で得られた心証を踏まえ、かつ(2)のイのウ)で得られた鑑定結果に基づいて、審理員意見書及び事件記録を遅滞なく作成し、厚生労働省労働衛生課へ速やかに提出する。

(4) 行政不服審査会への諮問・答申

ア 厚生労働省労働衛生課は、審理員意見書を基に、行政不服審査会に対する諮問案を作成し、諮問手続を行う。

イ 厚生労働省労働衛生課は、行政不服審査会から答申が得られれば、裁決の手続を行う。

(5) 厚生労働省労働衛生課における裁決

ア 厚生労働省労働衛生課は、(4)イの答申に基づき、裁決を行う。この場合において、厚生労働省労働衛生課が、不作為が不当である旨を宣言するときは、局に対し、健康管理手帳の交付又は不交付決定を行うべき旨を命ずる。

イ 厚生労働省労働衛生課から審査請求人、参加人、都道府県労働局へ裁決書を送付するとともに、審査請求人へ証拠書類等やエックス線写真等を返還する。

(6) 局における裁決の履行

ア 局は、裁決に基づき健康管理手帳の交付又は不交付決定を行い審査請求人に対し、通知する。

なお、(2)のアのカ)のとおり、裁決を待たず原処分の手続きを進め、その決定を行うことは差し支えない。

イ 不作為にかかる審査請求の手順の概要は別紙7のとおりであること。

 

別紙1

都道府県名

整理番号

北海道

01

青森

02

岩手

03

宮城

04

秋田

05

山形

06

福島

07

茨城

08

栃木

09

群馬

10

埼玉

11

千葉

12

東京

13

神奈川

14

新潟

15

富山

16

石川

17

福井

18

山梨

19

長野

20

岐阜

21

静岡

22

愛知

23

三重

24

滋賀

25

京都

26

大阪

27

兵庫

28

奈良

29

和歌山

30

鳥取

31

島根

32

岡山

33

広島

34

山口

35

徳島

36

香川

37

愛媛

38

高知

39

福岡

40

佐賀

41

長崎

42

熊本

43

大分

44

宮崎

45

鹿児島

46

沖縄

47

 

別紙2

石綿健康管理手帳をお持ちの方へ

~ 石綿ばく露作業従事歴の確認方法について ~

石綿健康管理手帳の交付に当たっては、手帳の交付要件である一定の石綿ばく露作業従事歴の確認について、主に

・事業主の証明書

・同僚労働者の証明書

・その他ご本人に関する関係書類

により行っています。

一方、石綿による疾患(注)を発症し、労災請求をされた場合には、労働基準監督署において、石綿ばく露作業従事歴等を調査の上、労災認定基準に基づいて、業務上の疾病に該当するか否かを判断しています。

このため、石綿健康管理手帳を交付された方であっても、労災請求をされた場合には、石綿ばく露作業従事期間、石綿ばく露作業の内容、取扱い材料等の詳細について、労災請求をされたご本人及び事業主等の関係者から聴取等の調査をさせていただくこととなりますことをご承知おきください。

(注) 石綿による疾患・・・石綿肺、肺がん、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚

なお、健康管理手帳に関する詳細については都道府県労働局(健康安全課又は健康課)に、労災請求に関する詳細については最寄りの労働基準監督署に、それぞれお問い合わせください。

厚生労働省労働基準局

都道府県労働局 労働基準監督署

 

別紙3

以下の1~4が同封されているかご確認ください。

1 健康管理手帳

2 石綿健康管理手帳をお持ちの方へ

~ 石綿ばく露作業従事歴の確認方法について ~

3 「石綿による疾病の認定基準」

4 (その他各局から配布するものがあればタイトルを記入)

同封されていない場合は各都道府県労働局にお問い合わせください。

 

別紙4


別紙5

続紙


別紙6


別紙7


様式第1号


様式第2号


様式第3号


様式第4号


様式第5号


様式第6号


様式第7号


様式第8号


様式第9号


様式第10号


様式第11号

続紙

続紙2