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通達:介護作業者の腰痛予防対策のチェックリストについて

 

介護作業者の腰痛予防対策のチェックリストについて

平成21年4月9日事務連絡

(都道府県労働局長・労働基準部労働衛生主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長通知)

 

職場における腰痛予防対策については、平成6年9月6日付け基発第547号<編注:現行廃止>「職場における腰痛予防対策について」により、当該業務従事者に対する腰痛予防対策を示し、その指導に努めてきたところである。

今般、介護作業者の腰痛予防対策の推進を図るため、中央労働災害防止協会への委託事業により「介護作業者の腰痛予防対策のチェックリスト」を作成したところであるので、各局においては、関係事業者に対する指導等において活用されたい。

なお、関係業界団体等に対しては、別添により要請等を行っているので、了知されたい。

おって、腰痛予防対策のチェックリストについては、印刷が出来次第、別途送付予定であるので、併せて了知されたい。

 

(別添)

○介護作業者の腰痛予防対策のチェックリストについて

平成21年4月9日基安労発第0409001号

(別紙の関係団体の長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長通知)

日頃より、労働衛生行政の推進にご協力いただき感謝申し上げます。

さて、腰痛は業務上疾病発生件数の約6割を占めるとともに、近年増加する傾向にあり、また、介護サービス職場を含む保健衛生業において大半が発生しているなど、介護作業者などの腰痛予防対策の充実は重要な課題となっています。

これらを踏まえて、厚生労働省においては、介護作業者の腰痛予防対策の一層の充実を図るため、中央労働災害防止協会への委託事業により「介護作業者の腰痛予防対策のチェックリスト」を作成したところです。

貴団体におかれましても、本チェックリストを活用した腰痛予防対策の推進について、ご理解とご協力をお願いいたします。

なお、腰痛予防対策のチェックリストについては、印刷が出来次第、別途送付させていただきます。


(別添)

「職場における腰痛予防対策指針及びその解説―抜粋―」

職場における腰痛予防対策指針

1 はじめに

職場における腰痛は、特定の業種のみならず多くの業種及び作業において見られる。

これらの腰痛の発生の要因には、①腰部に動的あるいは静的に過度に負担を加える動作要因、②腰部への振動、寒冷、床・階段での転倒等で見られる環境要因、③年齢、性、体格、筋力等の違い、椎間板ヘルニア、骨粗しょう症等の既往症又は基礎疾患の有無及び精神的な緊張度等の個人的要因があり、これら要因が重なり合って発生する。

職場における腰痛を予防するためには、作業管理、作業環境管理、健康管理及び労働衛生教育を適切に行うことによって腰痛の発生の要因の排除又は軽減に努めるとともに、労働者の健康の保持増進対策を進めることが必要であることから、本指針は、これらの事項について具体的に示すものである。

各事業場においては、本指針に掲げられた腰痛の基本的な予防対策を踏まえ、各事業場の作業の実態に即した対策を講ずる必要がある。

なお、本指針では、腰痛の発生を減少させるため、一般的な腰痛の予防対策を示した上で、腰痛の発生が比較的多い次の5作業についての作業態様別の基本的な対策を別紙により示した。

(1) 重量物取扱い作業

(2) 重症心身障害児施設等における介護作業

(3) 腰部に過度の負担のかかる立ち作業

(4) 腰部に過度の負担のかかる腰掛け作業・座作業

(5) 長時間の車両運転等の作業

2 作業管理

(1) 自動化、省力化

腰部に著しい負担のかかる作業を行わせる場合には、作業の全部又は一部を自動化又は機械化し、労働者の負担を軽減することが望ましいが、それが困難な場合には、適切な補助機器等を導入すること。

(2) 作業姿勢、動作

労働者に対し、次の事項に留意させること。

イ 腰部に負担のかかる中腰、ひねり、前屈、後屈ねん転等の不自然な姿勢をなるべく取らないようにすること。このため、正面を向いて作業が行えるよう作業台等の高さ、労働者と作業台等との対面角度の調節等を行うこと。また、不自然な姿勢を取らざるを得ない場合には、適宜、身体を保持する台等を使用すること。

ロ 立位、椅座位等において、同一姿勢を長時間取らないようにすること。

ハ 腰部に負担のかかる動作を行うに当たっては、姿勢を整え、かつ、急激な動作を避けること。

ニ 持ち上げる、引く、押す等の動作は、膝を軽く曲げ、呼吸を整え、下腹部に力を入れながら行うこと。

ホ 勁部又は腰部の不意なひねりを可能な限り避け、動作時には、視線も動作に合わせて移動させること。

(3) 作業標準等

イ 作業標準の策定

腰部に過度の負担のかかる作業については、腰痛の予防のため、次の事項に留意して作業標準を策定すること。また、新しい機器、設備等を導入した場合には、その都度、作業標準を見直すこと。

(イ) 作業時間、作業量、作業方法、使用機器等を示すこと。なお、作業時間、作業量等の設定に際しては、作業内容、取り扱う重量、自動化等の状況、補助機器の有無、作業に従事する労働者の数、性別、体力、年齢、経験等に配慮すること。

(ロ) 不自然な姿勢を要する作業や反復作業等を行う場合には、他の作業と組み合わせる等により当該作業ができるだけ連続しないようにすること。また、作業時間中にも適宜、小休止・休息が取れるようにすることが望ましい。

ロ その他

(イ) コンベヤー作業等作業速度が機械的に設定されている作業を行わせる場合には、労働者の身体的な特性と体力差を考慮して、適正な作業速度にすること。

(ロ) 夜勤、交替制勤務及び不規則勤務にあっては、作業量が昼間時における同一作業の作業量を下回るよう配慮すること。

(4) 休憩

イ 腰部に著しい負担のかかる作業を行わせる場合には、横になって安静を保てるよう十分な広さを有する休憩設備を設けるよう努めること。

ロ 休憩設備の室内温度を、筋緊張が緩和できるよう調節することが望ましい。

(5) その他

イ 腰部に著しい負担のかかる作業を行わせる場合には、腹帯等適切な補装具の使用も慮すること。

ロ 作業時の靴は、足に適合したものを使用させること。腰部に著しい負担のかかる作業を行う場合には、ハイヒールやサンダルを使用させないこと。

3 作業環境管理

(1) 温度

屋内作業場において作業を行わせる場合には、作業場内の温度を適切に保つこと。また、低温環境下において作業を行わせる場合には、保温のための衣服を着用させるとともに、適宜、暖が取れるよう暖房設備を設けることが望ましい。

(2) 照明

作業場所、通路、階段、機械類等の形状が明瞭にわかるように適切な照度を保つこと。

(3) 作業床面

作業床面はできるだけ凹凸がなく、防滑性、弾力性、耐衝撃性及び耐へこみ性に優れたものとすることが望ましい。

(4) 作業空間

動作に支障がないよう十分な広さを有する作業空間を確保すること。

(5) 設備の配置等

作業を行う設備、作業台等については、作業に伴う動作、作業姿勢等を考慮して、形状、寸法、配置等に人間工学的な配慮をすること。

4 健康管理

(1) 健康診断

重量物取扱い作業、介護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際(再配置する場合を含む。以下同じ。)及びその後6月以内ごとに1回、定期に、次のとおり医師による腰痛の健康診断を実施すること。

イ 配置前の健康診断

配置前の労働者の健康状態を把握し、その後の健康管理の基礎資料とするため、配置前の健康診断の項目は、次のとおりとすること。

(イ) 既往歴(腰痛に関する病歴及びその経過)及び業務歴の調査

(ロ) 自覚症状(腰痛、下肢痛、下肢筋力減退、知覚障害等)の有無の検査

(ハ) 脊柱の検査:姿勢異常、脊柱の変形、脊柱の可動性及び疼痛、腰背筋の緊張及び圧痛、脊椎棘突起の圧痛等の検査

(ニ) 神経学的検査:神経伸展試験、深部腱反射、知覚検査、筋萎縮等の検査

(ホ) 脊柱機能検査:クラウス・ウェーバーテスト又はその変法(腹筋力、背筋力等の機能のテスト)

(ヘ) 腰椎のX線検査:原則として立位で、2方向撮影(医師が必要と認める者について行うこと。)

ロ 定期健康診断

(イ) 定期に行う腰痛の健康診断の項目は、次のとおりとすること。

a 既往歴(腰痛に関する病歴及びその経過)及び業務歴の調査

b 自覚症状(腰痛、下肢痛、下肢筋力減退、知覚障害等)の有無の検査

(ロ) (イ)の健康診断の結果、医師が必要と認める者については、次の項目についての健康診断を追加して行うこと。この場合、(イ)の健康診断に引き続いて実施することが望ましい。

a 脊柱の検査:姿勢異常、脊柱の変形、脊柱の可動性及び疼痛、腰背筋の緊張及び圧痛、脊椎棘突起の圧痛等の検査

b 神経学的検査:神経伸展試験、深部腱反射、知覚検査、徒手筋力テスト、筋萎縮等の検査(必要に応じ、心因性要素に関わる検査を加えること。)

c 腰椎のX線検査(医師が必要と認める者について行うこと。)

d 運動機能テスト(医師が必要と認める者について行うこと。)

ハ 事後措置

腰痛の健康診断の結果、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、作業方法等の改善、作業時間の短縮等必要な措置を講ずること。

(2) 作業前体操、腰痛予防体操

イ 作業前体操の実施

腰痛の予防を含めた健康確保の観点から、次のとおり作業前体操を実施すること。

(イ) 始業時に準備体操として行うこと。

(ロ) 就業中に新たに腰部に過度の負担のかかる作業を行う場合には、当該作業開始前に下肢関節の屈伸等を中心に行うこと。

なお、作業終了時においても、必要に応じ、緊張した筋肉をほぐし、血行を良くするための整理体操として行うこと。

ロ 腰痛予防体操の実施

重量物取扱い作業、介護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に対し、適宜、腰痛予防を目的とした腰痛予防体操を実施すること。

腰痛予防体操には、①関節可動体操、②軟部組織伸展体操、③筋再建体操の3種があり、実施に当たっては、その目的に合ったものを選択すること。

5 労働衛生教育等

(1) 労働衛生教育

重量物取扱い作業、介護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者については、当該作業に配置する際及び必要に応じ、腰痛の予防のための労働衛生教育を実施すること。

当該教育の項目は次のとおりとし、その内容は受講者の経験、知識等を踏まえ、それぞれのレベルに合わせて行うこと。

① 腰痛に関する知識

② 作業環境、作業方法等の改善

③ 補装具の使用方法

④ 作業前体操、腰痛予防体操

なお、当該教育の講師としては、腰痛の予防について十分な知識と経験を有する者が適当であること。

(2) その他

腰痛を予防するためには、職場内における対策を進めるのみならず、労働者の日常生活における健康の保持増進が欠かせない。このため、産業医等の指導の下に、労働者の体力や健康状態を把握した上で、バランスのとれた食事、睡眠に対する配慮等の指導を行うことが望ましい。

 

別紙 作業態様別の対策

Ⅰ 重量物取扱い作業

重量物を取り扱う作業を行わせる場合には、単に重量制限のみを守るのではなく、取扱い回数等作業密度を考慮し、適切な作業時間、人員の配置等に留意しつつ、次の対策を講ずること。

(1) 自動化、省力化

イ 重量物取扱い作業については、適切な自動装置、台車の使用等により人力の負担を軽減することを原則とすること。なお、作業の自動化が困難な場合は、適切な装置、器具等を使用して、できるだけ人力の負担を軽減すること。

ロ 人力による重量物取扱い作業が残る場合には、作業速度、取扱い物の重量の調整等により、腰部に過度の負担がかからないようにすること。

(2) 重量物の取扱い重量

イ 満18歳以上の男子労働者が人力のみにより取り扱う重量は、55kg以下にすること。

また、当該男子労働者が、常時、人力のみにより取り扱う場合の重量は、当該労働者の体重のおおむね40%以下となるように努めること。

ロ (1)の重量を超える重量物を取り扱わせる場合には、2人以上で行わせるように努め、この場合、各々の労働者に重量が均一にかかるようにすること。

(3) 荷姿の改善、重量の明示等

イ 荷物は、かさばらないようにし、かつ、適切な材料で包装し、できるだけ確実に把握することのできる手段を講じて、取扱いを容易にすること。

ロ できるだけ取り扱う物の重量を明示すること。

ハ 著しく重心の偏っている荷物については、その旨を明示すること。

ニ 手カギ、吸盤等補助具の活用を図り、持ちやすくすること。

(4) 作業姿勢、動作

労働者に対し、次の事項に留意させること。重量物を取り扱うときは急激な身体の移動をなくし、かつ、身体の重心の移動を少なくする等できるだけ腰部に負担をかけない姿勢で行うことを原則とすること。

このため次の事項に留意すること。

イ できるだけ身体を対象物に近づけ、重心を低くするような姿勢を取ること。

ロ はい付け又ははいくずし作業においては、できるだけはいを肩より上で取り扱わないこと。

ハ 床面等から荷物を持ち上げる場合には、片足を少し前に出し、膝を曲げ、腰を十分に降ろして当該荷物をかかえ、膝を伸ばすことによって立ち上がるようにすること。

ニ 腰をかがめて行う作業を排除するため、適切な高さの作業台等を利用すること。

ホ 荷物を持ち上げるときは呼吸を整え、腹圧を加えて行うこと。

ヘ 荷物を持った場合には、背を伸ばした状態で腰部のひねりが少なくなるようにすること。

(5) 取扱い時間

イ 取り扱う物の重量、取り扱う頻度、運搬距離、運搬速度等作業の実態に応じ、小休止・休息をとる、他の軽作業と組み合わせる等により、重量物取扱い時間を軽減すること。

ロ 単位時間内における取扱い量を、労働者に過度の負担とならないよう適切に定めること。

(6) その他

腹圧を上げるため、必要に応じ、腰部保護ベルト、腹帯等を使用させること。

Ⅱ 重症心身障害児施設等における介護作業

重症心身障害児施設等で、入所児、入所者等(以下「入所児等」という。)の介護を行わせる場合には、姿勢の固定、中腰で行う作業や重心移動等の繰り返し、重量の負荷等により、労働者に対して腰部に静的又は動的に過重な負担が持続的に、又は反復して加わることがあり、これが腰痛の大きな要因となる。このため、次の措置を講ずることにより、作業負担の軽減を図ること。

なお、肢体不自由児施設、特別養護老人ホーム等における介護に係る腰痛の予防についても、次の措置に準じ、実情に応じた対策を講ずるよう努めること。

(1) 作業姿勢、動作

中腰で行う作業や腰をひねった姿勢を長く保つ作業等を行わせる場合には、適宜小休止・休息をとる、他の作業と組み合わせる等により、同一姿勢を長時間続けないようにさせること。

イ 介護の方法

介護のために入所児等を床面又はベッドからかかえた状態で作業を行わせるときの作業姿勢はⅠによること。また、体重の重い入所児等の体位の変換、移動等は、複数の者で行わせること。

ロ 食事介助の方法

食事の介助を行う者に対しては、ベッドに横座りすることを避け、椅子に座って入所児等に正面を向くか、ベッド上でいわゆる膝まくらの姿勢を取らせること。ただし、同一の姿勢を長く続けさせないこと。

(2) 作業標準

使用機器、作業方法等に応じた作業標準を策定すること。また、作業標準には、入所児等の身体等の状態別、作業の種類別の作業手順、役割分担、作業場所等についても明記すること。

(3) 介護者の適正配置

介護者の数は、施設の構造、勤務体制、療育内容及び入所児等の心身の状況に応じた適正なものとするよう努めること。

なお、やむを得ない理由で、一時的に繁忙な事態が生じた場合は、介護者の配置を随時変更する等により、腰部負担の大きい業務が特定の介護者に集中しないように十分配慮すること。

(4) 施設及び設備の構造等の改善

不適切な施設及び設備は、作業姿勢に密接に関係するので、適切な介護設備、機器等の導入を図るとともに、介護に関連した業務を行うために必要な施設、機器等についても適切なものを整備すること。

また、作業姿勢を適正化するため、実際の作業状況を検討し、次の改善を図ること。

イ 室の構造等

入所児等の移送は、できるだけストレッチャーによって行うようにし、通路及び各部屋にはストレッチャーの移動の障害となるような段差等を設けないこと。

ロ 浴槽の構造等

(イ) 浴槽、洗身台、シャワー設備等の配置は、介護者の無用の移動をできるだけ少なくするようなものとすること。

(ロ) 浴槽の縁、洗身台及びシャワーの高さ等は、介護者の身長に適合するものとすること。なお、これらの高さが適切でないこととなる介護者に対しては、滑りにくい踏み板等を使用させることも考慮すること。

(ハ) 移動式洗身台、ローラコンベヤー付き洗身台、移動浴槽、リフト等の介助機器の導入を図ること。

ハ ベッドの構造等

ベッドの高さは、入所児等の身体状況等も考慮し、介護者の身長に適合するものとすること。

なお、これらの高さが適切でないこととなる介護者に対しては、履物、踏み板等を使用させることも考慮すること。

ニ 付帯設備等

介護中に利用できる背もたれのある椅子や堅めのソファー等を適宜配置し、くつろいで座れるようにすること。また、介護に必要な用具等は、出し入れしやすい場所に収納すること。

ホ 休憩

休憩設備は、労働者の数及び勤務体制を考慮し、利用に便利で、かつ、くつろげるものとすることが望ましい。

(5) その他

腹圧を上げるため、必要に応じ、腰部保護ベルト、腹帯等を使用させること。

Ⅲ 腰部に過度の負担のかかる立ち作業 (略)

Ⅳ 腰部に過度の負担のかかる腰掛け作業・座作業 (略)

Ⅴ 長時間の車両運転等の作業 (略)

「別紙 作業態様別の対策」について

Ⅰ 重量物取扱い作業 (略)

Ⅱ 重症心身障害児施設等における介護作業

(1) 作業姿勢、動作

イ 立位から床上にいる人を抱え上げる場合には、片足を少し前に出し、膝を曲げてしゃがむように抱え(図a)、この姿勢から膝を伸ばすようにすることによって持ち上げる。両膝を伸ばしたまま上体を下方に曲げる姿勢(図b)を取らないようにする。

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ロ 立位で人を抱え、身体の前方で保持する場合には、できるだけ身体の近くで支え(図a)、腰の高さより上に持ち上げないようにする(図b)。また、背筋を伸ばしたり、身体を後に反らしたりしないようにする(図c)。

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(2) 作業標準

介護に係る作業標準は、画一的なものにならないよう、それぞれの作業条件を勘案して策定する。

なお、新しい機器や設備を導入したり、入所児等、作業内容等に変更があった場合には、その都度、作業標準の見直しを行う必要がある。

長時間にわたり不自然な姿勢で介護を行うことは腰部に負担をかけることとなる。したがって、介護者の役割分担を明確に示し、併せて時間管理等を行うことにより、作業をしながら日誌を書く、食事の介助をしながら自分の食事を取る等2つ以上の行為を同時に行うことがないように配慮した作業標準を策定する必要がある。

(3) 施設及び設備の構造等の改善

介護設備、機器等の導入に当たっては、人間工学や労働衛生等の専門家の意見を聴き、ベッド、浴槽、トイレ、洗身台、介護室・居室、作業室、医務室、調理場、施設への出入口、連絡道、床面の材質、段差等について点検し、安全衛生面のみならず使いやすさを追及した施設・設備の改善を図ることが望ましい。

また、ベッドは入所児等の移動が容易で高さの調整が可能なものとする。

「介護に関連した業務を行うために必要な施設、機器等についても適切なものを整備する」とは、介護者が行う介護に関連した業務を行うための設備、例えば、事務、会議等を行うため、必要に応じ、十分な広さの机・背もたれのある椅子等を整備することをいう。

「介護に必要な用具等」とは、生活用品、寝具、医療器具、介護器具、教材、遊具等をいう。

Ⅲ 腰部に過度の負担のかかる立ち作業 (略)

Ⅳ 腰部に過度の負担のかかる腰掛け作業・座作業(略)

Ⅴ 長時間の車両運転等の作業 (略)

参考1・2(腰痛健康診断問診票・腰痛健康診断個人票) (略)

参考3 作業前体操

例1 立って行う体操 (略)

例2 椅子に腰かけて行う体操 (略)

例3 床上で行う体操(ウイリアムスの運動) (略)

参考4 腰痛予防体操(例) (略)