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石綿障害予防規則及び石綿使用建築物等解体等業務特別教育規程の改正について
平成21年2月18日基発第0218002号
(関係団体の長あて厚生労働省労働基準局長通知)
日ごろから労働基準行政の推進に格段の御理解・御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)については、平成17年7月1日から施行されておりますが、石綿ばく露防止対策の充実等のため、「建築物の解体等における石綿ばく露防止対策等検討会」における検討の結果を踏まえ、石綿則及び石綿使用建築物等解体等業務特別教育規程(平成17年厚生労働省告示第132号。以下「規程」という。)の一部を改正しました。
つきましては、本改正の主な内容等につきましては下記のとおりでありますので、貴団体におかれましても、この趣旨を御理解いただくとともに、傘下会員事業場等に対する本改正内容の周知徹底等につきまして御協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、改正の内容、パンフレット等につきましては、厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/index.html)に掲載することとしております。
記
1 改正の概要
(1) 石綿則関係
ア 事前調査の結果の掲示(石綿則第3条関係)
建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。)の解体、破砕等の作業等、石綿則第3条第1項各号に掲げる作業を行う作業場には、石綿則第3条第1項及び同条第2項の規定により行った当該建築物等における石綿等の使用の有無に関する調査を終了した年月日並びに当該調査の方法及び結果の概要について、労働者が見やすい箇所に掲示しなければならないこととしたこと。
イ 隔離の措置を講ずべき作業の範囲の拡大等(石綿則第6条及び第7条関係)
石綿則第5条第1項第1号に規定する保温材、耐火被覆材等(以下単に「保温材、耐火被覆材等」という。)の除去の作業であって、石綿則第13条第1項第1号の石綿等の切断、穿孔、研磨等の作業が伴うものを、吹き付けられた石綿等の除去の作業と同様に隔離の措置を講じなければならない作業としたこと。
ウ 隔離の措置と併せて講ずべき措置(石綿則第6条関係)
隔離の措置を講じた際には、隔離された作業場所の排気に集じん・排気装置を使用すること、当該作業場所を負圧に保つこと、当該作業場所の出入口に前室を設置することを義務付けることとしたこと。また、これらと同等以上の効果を有する措置を講じたときは、この限りでないものとしたこと。
エ 隔離の措置の解除に当たり講ずべき措置(石綿則第6条関係)
隔離の措置を講じた際には、あらかじめ、石綿等の粉じんの飛散を抑制するため、隔離された作業場所内の石綿等の粉じんを処理するとともに、吹き付けられた石綿等又は張り付けられた保温材、耐火被覆材等を除去した部分を湿潤化した後でなければ、隔離の措置を解いてはならないこととしたこと。
オ 電動ファン付き呼吸用保護具の使用(石綿則第14条関係)
隔離された作業場所において、吹き付けられた石綿等の除去の作業に労働者を従事させる場合に使用させる呼吸用保護具を、電動ファン付き呼吸用保護具又はこれと同等以上の性能を有する空気呼吸器、酸素呼吸器若しくは送気マスクに限ることとしたこと。
カ 船舶の解体等の作業に係る措置について(石綿則第3条、第4条、第8条、第9条、第14条及び第27条関係)
建築物又は工作物の解体等の作業に係る規定のうち、石綿則第3条(事前調査)、第4条(作業計画)、第8条(石綿等の使用の状況の通知)、第9条(建築物の解体工事等の条件)、第13条(石綿等の切断等の作業に係る措置)、第14条(呼吸用保護具の使用)及び第27条(特別の教育)について、船舶(鋼製の船舶に限る。)の解体等の作業についても適用することとしたこと。
(2) 規程関係
ア 石綿の有害性の科目について、その範囲に「喫煙の影響」を追加したこと。
イ 石綿等の粉じんの発散を抑制するための措置の科目について、その範囲に「船舶(鋼製の船舶に限る。)の解体等の作業の方法」を追加したこと。
ウ 保護具の使用方法の科目について、教育を行うべき最低限の時間を1時間に改正したこと。
2 施行日等
平成21年4月1日から施行し、及び適用することとしたこと。ただし、(1)のカ及び(2)のイについては、同年7月1日から施行し、及び適用することとしたこと。
3 その他
1の改正内容のほか、建築物の解体等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書(以下「検討会報告書」という。)等を踏まえ、次に掲げる事項について、石綿ばく露防止対策の充実のため、必要な対応を行うこと。
(1) 1の(1)のアの掲示については、関係労働者のみならず周辺住民にも見やすい場所に掲示することが望ましいこと。
(2) 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第60条の2第1項の規定により、事業者は安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、当該業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならないこととされていることに留意し、定期的に必要な教育を行うこと。
(3) 呼吸用保護具の使用方法等については、平成17年2月7日付け基発第0207006号「防じんマスクの選択、使用等について」に留意の上、必要な教育を行うこと。
(4) 検討会報告書において、石綿則第3条第2項による分析の結果の記録については、統一的な様式により記録することとされたところ、平成20年度厚生労働省委託事業「石綿分析機関能力向上事業」(委託先(社)日本作業環境測定協会)において、一定の様式が示されているところであり、活用を図ること。
なお、当該委託事業の報告書については、委託事業終了後、厚生労働省ホームページに掲載することとしていることを申し添える。
(5) 石綿を含有する吹付け材、断熱材等が、損傷、劣化等によりはく落したものの取扱い作業を行うに当たっては、必要に応じ湿潤化、呼吸用保護具の着用等必要な措置を講ずること。
なお、煙突等においても石綿含有断熱材が使用されている場合があり、当該断熱材がはく落している場合があるので、炉内の灰だし作業においても留意すること。