当該災害の発生原因については、現在、福井労働局及び敦賀労働基準監督署において調査中であるが、関西電力株式会社から、別添1のとおり、鉄塔部材の一部に片側架線状態における荷重に対する強度が不足していたこと及び事前に当該鉄塔の工事中における強度計算を行っていなかったことが公表されたところである。

このため、同種災害の再発を防止する観点から、当面の措置として、別添2により電気事業連合会会長あてに、別添3により社団法人電設工業協会及び建設業労働災害防止協会会長あてに、各々要請を行ったので、了知の上、管内の電力会社、電設工事関係団体等に対し、送電鉄塔工事の安全対策の徹底について指導されたい。

2008年9月18日

関西電力株式会社

美浜線No.21鉄塔事故の調査状況について

平成20年9月15日の11時25分頃、美浜線No.21鉄塔※1(美浜町と敦賀市の境界線上)の建替工事に伴う送電線の取外し作業※2を実施していたところ、鉄塔の地上45m付近部分が折損し、株式会社かんでんエンジニアリング(本社：大阪市)の下請け会社で、鉄塔上で作業を行っていた株式会社エフテック(本社：富山市)の作業員4名の方が墜落し、2名の方がお亡くなりになり、2名の方が負傷されました。

※1　美浜線は275kVの電圧で美浜発電所から嶺南変電所(福井県美浜町)を結ぶ送電線。

※2　鉄塔の建替えに伴い送電線を旧鉄塔から新鉄塔に順次移すための送電線取外し作業。

現在、当社では、事故について徹底した調査を行っているところですが、その調査を進めるなかで、今回の工事により、当該鉄塔が片側架線状態(一方の送電線を取り外した状態)になり、鉄塔部材の一部において、その状態における荷重に対する強度が不足していたこと、また、事前に当該鉄塔の工事中における強度計算を行っていなかったことを確認しました。

今後、当社としましては、警察ご当局の捜査に全面的に協力するとともに、現在までに確認した事実を踏まえて、現場調査をはじめ、鉄塔折損部分の破断面の分析や鉄塔構造の解析を行うなど、あらゆる観点から調査を行い、原因の究明に努めてまいります。

お亡くなりになった方のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、ご遺族の方に対し心からお悔やみを申し上げます。また、負傷された方の一日も早いご本復をお祈りいたします。

皆さまに多大なご心配をおかけしたことに対し、深くお詫び申し上げます。

以上

○送電鉄塔工事における安全確保について

平成20年9月22日基安安発第0922002号

(電気事業連合会会長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)

貴連合会が、安全確保等への積極的な取組を通じ、労働安全行政の推進に御理解と御協力をいただいていることについて、厚く御礼申し上げます。

さて、平成20年9月15日に、福井県内で送電鉄塔が倒壊し、これにより、労働者4人が墜落し、うち2人が死亡、2人が負傷する労働災害が発生しました。

当該災害の発生原因については、現在、調査中ですが、同種災害の再発を防止し、安全な施工を確保する観点から、会員事業者に対し、送電鉄塔工事の発注に際し、下記の点に留意するよう周知願います。

記

1　次の事項について、安全確保の観点から十分な検討を行い発注すること。

(1)　作業方法及び順序

(2)　鉄塔の倒壊又は部材の落下を防止するための方法

2　上記1に当たり、必要な強度計算を適切に行うこと。

○送電鉄塔工事における安全確保について

平成20年9月22日基安安発第0922003号

(社団法人日本電設工業協会会長・建設業労働災害防止協会会長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)

貴協会が、建設工事における安全確保等への積極的な取組を通じ、労働安全行政の推進に御理解と御協力をいただいていることについて、厚く御礼申し上げます。

さて、平成20年9月15日に、福井県内で送電鉄塔が倒壊し、これにより、労働者4人が墜落し、うち2人が死亡、2人が負傷する労働災害が発生しました。

当該災害の発生原因については、現在、調査中ですが、同種災害の再発を防止し、安全な施工を確保する観点から、会員事業者に対し、送電鉄塔工事の施工において、下記の事項を実施するよう周知願います。

記

1　次の事項について、安全確保の観点から十分な検討を行い、適切な作業計画を作成すること。

(1)　作業方法及び順序

(2)　鉄塔の倒壊又は部材の落下を防止するための方法

2　上記1に当たり、必要な強度計算を適切に行うこと。