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局地的な大雨等による河川・下水道管内等作業における労働災害の防止について
平成20年8月5日基安安発第0805002号
(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
全国各地で局地的な大雨が発生しており、別添1のとおり、下水道工事中に作業員6名が流される労働災害が発生した。
本労働災害については、現在、調査中であるが、上流域の降雨により河川、下水道管内等の水位が急激に上昇することにより、同種の労働災害の発生が懸念されるところである。
ついては、同種の労働災害の発生を防止するため、別添2のとおり要請を行ったので、貴局におかれても本要請を了知の上、あらゆる機会を捉え、管内における関係事業場並びに都道府県及び市町村に対し必要な指導及び要請を実施されたい。
別添1
既設下水道管再構築工事における災害
1 発生年月 平成20年8月
2 発生場所 東京都豊島区
3 発生状況
本工事は、老朽化した既設の下水道管(2.12メートル×1.59メートル)を延長約550メートルにわたって再構築する工事である。
発生当時の朝、作業員6名がマンホールから下水道管内に入場し、資材の投入とともに水の仮止めとポンプによる排水を行った後、FRP樹脂塗り作業を開始した。昼前から大粒の雨が降り出し、急激に下水道管内が満水状態となり、作業員6名が流水に巻き込まれた。うち、1名は自力で脱出したものの、5名が下流に流された。
4 被災状況 死亡1名 行方不明4名
別添2
○局地的な大雨等による河川・下水道管内等作業における労働災害の防止について
平成20年8月5日基安安発第0805001号
(建設業労働災害防止協会会長・社団法人全国建設業協会会長・社団法人日本土木工業協会会長・社団法人日本建設業団体連合会会長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
建設工事における労働災害の防止については、かねてからその徹底を求めてきたところですが、別添のとおり、下水道工事中に作業員6名が流される労働災害が発生しました。
本労働災害については、現在、調査中ですが、全国各地で局地的な大雨が発生しており、同種の労働災害の発生が懸念されるところです。
つきましては、貴団体におかれましても、同種の労働災害の発生を防止するため、下記の対策を講じるよう、関係事業場等に周知徹底していただきたく要請いたします。
記
1 上流域の降雨による河川、下水道管内等の水位の上昇による危険性について、あらかじめ発注者からの情報等をもとに把握しておくこと。
2 大雨注意報の発令等、上流域への降雨に関する情報を迅速に把握する体制を構築しておくこと。
3 緊急時の警報並びに避難の方法をあらかじめ定めておくこと。
4 大雨等により河川、下水道管内等の水位が急激に上昇するおそれのあるときは、河川、下水道管内等での作業を行わないこと。
5 作業中において、大雨等により河川、下水道管内等の水位が急激に上昇するおそれが生じたときは、直ちに作業を中止し、労働者を安全な場所に退避させること。
6 河川、下水道管内等で作業を行う労働者に対して、大雨により急激に水位が上昇する場合があること及びその場合の避難方法について、あらかじめ周知しておくこと。