img1 img1 img1

◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー  

通達:移動式クレーンの構造部分に使用する鋼材について

 

移動式クレーンの構造部分に使用する鋼材について

平成19年10月4日基発第1004004号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

標記について、兵庫労働局長からの別紙甲の照会に対し、別紙乙のとおり回答したので了知されたい。

 

別紙甲

○移動式クレーンの構造部分に使用する鋼材について

平成19年6月21日兵労発基第602号

(厚生労働省労基準局長あて兵庫労働局長通知)

標記について、当局管内の事業場から移動式クレーンの構造部分に使用する下記の鋼材を使用してよいか照会がありました。これについて、移動式クレーン構造規格第1条ただし書きの「厚生労働省労働基準局長が認めた場合」として、移動式クレーンの構造部分に当該鋼材の使用を認めることとしてよろしいかお伺いします。

1 使用する鋼材の種類

SUMITEN980S―KB

2 使用する鋼材の化学成分及び機械的性質

別添のとおり

別添

SUMITEN980S―KBの化学成分及び機械的性質

(1) 化学成分

鋼材

適用板厚

化学成分%

炭素当量

Ceq %

溶接割れ感受性組成

Pcm %

 

mm

板厚範囲

mm

C

Si

Mn

P

S

Cu

Ni

Cr

Mo

Nb

V

B

N

SUMITEN980S―KB

6~25

6~25

0.20以下

0.80以下

1.70以下

0.02以下

0.01以下

0.50以下

2.00以下

1.50以下

0.70以下

0.70以下

0.12以下

0.005以下

0.015以下

0.65以下(規格値)

0.30以下(規格値)

・Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14…JISによる炭素当量

・Pcm=C+Si/30+Mn/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+Cu/20+5B…溶接割れ感受性組成

(2) 機械的性質

鋼材

適用板厚

mm

引張試験

曲げ性

衝撃試験

 

板厚範囲

mm

降伏点又は耐力

N/mm2

引張強さ

N/mm2

伸び

曲げ角度

曲げ半径

試験片

JIS

適用板厚

mm

試験温度

試験片

シャルピー吸収

エネルギー

J

板厚

mm

試験片

JIS

SUMITEN980S―KB

6~25

6~25

960以上

980~1150

≦16

5号

13以上

180°

厚さの2.0倍

1号

12~25

-20

JIS

Vノッチ

10×10

平均値

47以上

>16

5号

13以上

>20

4号

13以上

 

別紙乙

○移動式クレーンの構造部分に使用する鋼材について

平成19年10月4日基発第1004003号

(兵庫労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

平成19年6月21日付け兵労発基第602号をもって照会のあった住友金属工業株式会社製SUMITEN980S―KB(以下「申請材」という。)については、移動式クレーンの構造部分への使用を認めることとするので通知する。

なお、申請材の移動式クレーン構造規格(以下「規格」という。)における取扱い等について下記のとおり定めるので留意すること。

1 許容応力について

規格第5条の規定に基づき、申請材に係る許容応力の値は、規格第3条第1項及び第2項の規定によって求めた値とすること。

なお、規格第3条第2項に示す座屈係数については、同項の中の「厚生労働省労働基準局長が認めた計算の方法により計算して得た値」とすること。

2 溶接部の許容応力について

規格第5条の規定に基づき、溶接部に係る許容応力の値は、規格第4条第1項において「鋼材の種類」をBとして、求めた値とすること。

3 溶接について

規格第38条第2項の規定に基づき、申請材の溶接については、溶接棒は、鋼材メーカーの推奨する低水素系の溶接棒を用い、鋼材メーカーの溶接要領に従った予熱及び後熱管理を行うこと。

4 疲れ強さについて

申請材の使用に当たっては、母材及び溶接部位の疲れ強さに対する安全性を強度計算等により確認すること。

5 製造検査等における留意事項

製造検査及び使用検査においては、申請材を使用している箇所の溶接施工法を確認するとともに、製造者が行った溶接検査の結果を確認すること。また、クラックの発生の有無について入念に検査すること。さらに、溶接部位については、規格第11条に係る疲れ強さに対する安全性が強度計算において考慮されていることを確認すること。

溶接による補修を行う場合には、補修後の溶接検査の実施及びその結果の記録を徹底させること。また、性能検査等においても、溶接による補修が行われている場合には、補修後に行われた溶接検査の結果を確認すること。さらに、繰り返し応力によるクラックの発生の有無について入念に検査すること。