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労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について
平成19年9月26日基発第0926009号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働安全衛生規則の一部を改正する省令(平成19年厚生労働省令第108号。以下「改正省令」という。)及び労働安全衛生規則第53条第1項の表令第23条第11号の業務の項第4号の規定に基づき厚生労働大臣が定める要件(平成19年厚生労働省告示第292号)が平成19年8月31日に公布され、及び公示され、同年10月1日から施行し、及び適用することとされたところであるが、その改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、その施行に遺漏ないようにされたい。
記
Ⅰ 労働安全衛生規則関係
第1 改正の趣旨
健康管理手帳は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第67条第1項等の規定に基づき、がんその他の重度の健康障害を発生させるおそれがある12の業務に従事した者に対し、一定の要件を満たした場合に交付されている。
石綿を製造し、又は取り扱う業務については、平成8年から手帳を交付されることとなっているところであり、その要件は胸部エックス線検査等で、「両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること」とされている。
この交付要件が定められてから10年以上が経過し、これら胸部エックス線検査等で胸膜肥厚等の所見が認められない場合でも、石綿肺がん等の悪性腫瘍が発症するという報告があることから、専門家を集め最新の医学的知見に基づいた交付要件の考え方を検討したところである(石綿業務に従事した離職者の健康管理についての検討委員会。以下「検討委員会」という。)。
今般、検討委員会の報告書に基づき、交付要件を見直す等、所要の改正を行ったものである。
第2 改正の要点
1 石綿に係る健康管理手帳の交付対象者の拡大(第53条第1項関係)
労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」という。)第23条第11号の業務について、健康管理手帳の交付要件を次のいずれかに該当することとしたこと。
① 両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること。
② 石綿等(令第6条第23号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)の製造作業、石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材等の張付け、補修若しくは除去の作業、石綿等の吹付けの作業又は石綿等が吹き付けられた建築物、工作物等の解体、破砕等の作業(吹き付けられた石綿等の除去の作業を含む。)に1年以上従事した経験を有し、かつ、初めて石綿等の粉じんにばく露した日から10年以上を経過していること。
③ 石綿等を取り扱う作業(②の作業を除く。)に10年以上従事した経験を有していること。
④ ②及び③に掲げる要件に準ずるものとして厚生労働大臣が定める要件に該当すること。
2 喫煙歴記入欄の新設(様式第8号(10)関係)
健康管理手帳の様式に喫煙歴に関する記載欄を加えたこと。
3 規定、様式等の整備
① 所要の規定の整備を行ったこと。(第53条第3項、第90条関係)
② 健康管理手帳交付申請書、健康管理手帳、健康管理手帳による健康診断実施報告書、健康管理手帳書替申請書及び健康管理手帳再交付申請書並びに免許申請書、免許証再交付申請書、免許証書替申請書及び免許更新申請書の様式等について、所要の整備を行ったこと。(様式第7号から様式第10号まで及び様式第12号関係)
4 施行期日(改正省令附則第1条関係)
改正省令は、平成19年10月1日から施行することとしたこと。
5 経過措置(改正省令附則第2条、第3条関係)
改正省令の施行の際現に提出され又は交付されている改正前の様式による健康管理手帳交付申請書等は、改正後の様式による健康管理手帳交付申請書等とみなすこと。
第3 細部事項
改正後の労働安全衛生規則第53条第1項の表令第23条第11号の業務の項第2号の「1年以上従事した経験」及び第3号の「10年以上従事した経験」は、当該作業に継続して従事していたことをいうものであること。
Ⅱ 告示関係
第1 制定の趣旨
改正省令により、新たに加えられた石綿に係る健康管理手帳の要件(Ⅰの第2の1の②及び③)に準じる要件について定めたものである。
第2 改正の要点
改正後の労働安全衛生規則第53条第1項の表令第23条第11号の業務の項第4号の規定に基づき厚生労働大臣が定める要件は、同項第2号の作業に従事した月数に10を乗じて得た数と同項第3号の作業に従事した月数との合計が120以上であって、かつ、初めて石綿等にばく露した日から10年以上を経過していることとしたこと。