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通達:クレーン・デリック運転士免許試験について

 

クレーン・デリック運転士免許試験について

平成18年2月24日基発第0224006号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

今般、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成18年厚生労働省令第1号。以下「平成18年改正省令」という。)により労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)及びクレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号。以下「クレーン則」という。)を改正し、クレーン運転士免許及びデリック運転士免許を統合して「クレーン・デリック運転士免許」とするとともに、免許試験の科目の範囲等について定めたクレーン運転士免許試験、移動式クレーン運転士免許試験及びデリック運転士免許試験規程(昭和47年労働省告示第120号。以下「免許試験規程」という。)の一部を改正し、これらを平成18年4月1日から施行し、及び適用することとした。

その改正の要点は下記第1、その細部事項は下記第2のとおりであるとともに、昭和53年9月29日付け基発第547号「クレーン運転士免許試験、移動式クレーン運転士免許試験及びデリック運転士免許試験規程等の一部を改正する告示の施行について」(以下「昭和53年通達」という。)を下記第3のとおり改正するので、これらの事項に十分留意し、その運用に遺漏のないようにされたい。

 

第1 改正の要点

1 クレーン運転士免許及びデリック運転士免許を統合して「クレーン・デリック運転士免許」としたことに伴い、クレーン・デリック運転士免許試験の学科試験及び実技試験の実施に係る事項について所要の整備を行ったこと。(クレーン則第226条、免許試験規程)

2 取り扱うことのできる機械の種類をクレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許(以下「クレーン限定免許」という。)及び床上運転式クレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許(以下「床上クレーン限定免許」という。)を受けるための試験科目等を定めたこと。(クレーン則第224条の4)

3 クレーン限定免許及び床上クレーン限定免許を受けた者が、取り扱うことのできる機械の種類を限定しないクレーン・デリック運転士免許(以下「限定なし免許」という。)を受けようとするときの試験科目の免除について定めたこと。(クレーン則第227条)

4 デリック運転士免許試験が廃止されたことに伴い、その学科試験及び実技試験の実施に係る事項を削除したこと。(クレーン則第235条等)

 

第2 細部事項

1 クレーン・デリック運転士免許試験の学科試験(以下単に「学科試験」という。)の科目のうち「クレーン及びデリックに関する知識」については、従前のクレーン運転士免許試験の学科試験の科目であるクレーンに関する知識に、デリックに関する知識を追加するものであること。(クレーン則第226条)

2 クレーン限定免許又は床上クレーン限定免許を受けようとするときは、学科試験の科目のうち「クレーン及びデリックに関する知識」及び「関係法令」については、クレーンに係る部分に限るものとしたこと。(クレーン則第224条の4)

3 クレーン限定免許若しくは床上クレーン限定免許を受けた者又は従前のクレーン運転士免許(従前の取り扱うことのできるクレーンの種類を床上運転式クレーンに限定したクレーン運転士免許を含む。以下同じ。)を受けた者が、限定なし免許を受けようとするときは、学科試験の科目のうち「クレーン及びデリックに関する知識」及び「関係法令」のクレーンに係る部分並びに「原動機及び電気に関する知識」及び「クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」が免除されること。(クレーン則第227条、平成18年改正省令附則第8条)

4 従前のデリック運転士免許を受けた者が、限定なし免許を受けようとするときは、学科試験の科目のうち「クレーン及びデリックに関する知識」及び「関係法令」のデリックに係る部分並びに「クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」が免除されること。(平成18年改正省令附則第8条)

5 学科試験の科目のうち「原動機及び電気に関する知識」及び「クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」については、従前と変更はないこと。(クレーン則第226条)

6 クレーン・デリック運転士免許試験の実技試験については、クレーン及びデリックを安全かつ正確に運転するために必要な技能の有無を判定する方法として、クレーンを使用する試験を実施することとしていること。(クレーン則第226条)

 

第3 昭和53年通達の一部改正

昭和53年通達の一部を次のように改正する。

記の第1を次のように改める。

第1 クレーン・デリック運転士免許試験及び移動式クレーン運転士免許試験規程関係

1 クレーン・デリック運転士免許試験の学科試験(第1条関係)

(1) 試験の程度

試験の程度は、クレーン及びデリックを安全かつ正確に運転するために必要な知識の有無を判定することができる程度とすること。

(2) 試験の具体的方法

イ 出題の形式は、5肢択一式とし、出題数は、全科目を通じて40~50題とすること。

ロ 試験の科目ごとの配点は、次のとおりとすること。

(イ) クレーン及びデリックに関する知識 30点

(ロ) 原動機及び電気に関する知識 30点

(ハ) クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 20点

(ニ) 関係法令 20点

ハ 採点は、各科目の配点の合計点をもって満点とし、各科目の得点がロに掲げる配点の40パーセント以上であって、かつ全科目の得点の合計が満点の60パーセント以上の場合を合格とすること。

ニ 受験について、不正の行為があった者の得点は、0点とすること。

(3) クレーン限定免許及び床上クレーン限定免許を受けようとする場合の取扱い(クレーン則第224条の4)

クレーン限定免許及び床上クレーン限定免許を受けようとする場合における学科試験について、試験の科目は、「クレーン及びデリックに関する知識(クレーンに係る部分に限る。)」、「原動機及び電気に関する知識」、「クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」及び「関係法令(クレーンに係る部分に限る。)」に限定されること。また、その際の試験時間は150分とし、試験の具体的方法については、(2)のイからニまでと同様とすること。

(4) 試験の科目を免除するときの試験時間(クレーン則第227条及び平成18年改正省令附則第8条)

イ クレーン限定免許若しくは床上クレーン限定免許を受けた者又は従前のクレーン運転士免許を受けた者について、試験の科目のうち「クレーン及びデリックに関する知識(クレーンに係る部分に限る。)」、「原動機及び電気に関する知識」、「クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」及び「関係法令(クレーンに係る部分に限る。)」を免除するときは、その者に対する試験時間は、75分とすること。

ロ 従前のデリック運転士免許を受けた者について、試験の科目のうち「クレーン及びデリックに関する知識(デリックに係る部分に限る。)」、「クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」及び「関係法令(デリックに係る部分に限る。)」を免除するときは、その者に対する試験時間は、120分とすること。

ハ 移動式クレーン運転士免許又は揚貨装置運転士免許を受けた者について、試験の科目のうち「クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」を免除するときは、その者に対する試験時間は、120分とすること。

2 クレーン・デリック運転士免許試験の実技試験(第2条関係)

(1) 試験の程度

クレーンを安全かつ正確に運転するために必要な技能の有無を判定することができる程度とすること。

(2) 細部事項

試験科目「クレーンの運転」の試験の方法中「重量を確認」とは、つり上げようとする荷の重量を荷重計又は重量目測等により判断し、つり上げようとする荷が使用するクレーンの定格荷重以内であることを確認することをいうこと。

(3) 試験の具体的方法

試験の具体的方法については、別途示すところによる。

3 移動式クレーンの学科試験及び実技試験(第3条及び第4条関係)

学科試験及び実技試験とも、クレーン・デリック運転士免許試験に関する第1条関係及び第2条関係と同様であること。この場合において、「クレーン・デリック」、「クレーン及びデリック」又は「クレーン」とあるのは、「移動式クレーン」とすること。