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労働安全衛生規則第5条第1号の厚生労働大臣が定める研修に係る具体的事項について
平成18年2月24日基発第0224004号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成18年厚生労働省令第1号)による改正後の労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第5条第1号及び労働安全衛生規則第5条第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める研修(平成18年厚生労働省告示第24号。以下「告示」という。)により、平成18年10月1日(以下「施行日」という。)以降は、労働安全コンサルタント及び施行日までに安全管理者として労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第11条第1項に規定する事項の管理を行った経験年数が2年以上である者を除き、安全管理者の資格要件として、労働安全衛生規則第5条第1号の厚生労働大臣が定める研修(以下「安全管理者選任時研修」という。)を修了していることが追加された。
今般、安全管理者選任時研修に関し、告示第3号に基づき、その実施について必要な事項を下記のとおり定めるので、その周知を図る等、その施行に遺漏のないようにされたい。
記
1 第1号関係
(1) 安全管理者選任時研修の科目の範囲等
ア 安全管理者選任時研修は、次の表の科目の欄に掲げる研修科目に応じ、それぞれ同表の範囲の欄に掲げる範囲について行われるもの(施行日前に行われるものを含む。)であること。
科目 |
範囲 |
安全管理 |
・企業経営と安全 ・安全管理者の役割と職務 ・総合的な安全衛生管理の進め方 ・安全活動 ・労働災害の原因の調査と再発防止対策 |
事業場における安全衛生の水準の向上を図ることを目的として事業者が一連の過程を定めて行う自主的活動(危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置を含む。以下「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置等」という。) |
・危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置 ・労働安全衛生マネジメントシステム |
安全教育 |
・安全教育の実施計画の作成 ・安全教育の方法 ・作業標準の作成と周知 |
関係法令 |
・労働安全関係法令(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)の関係条文を含む。) |
イ 安全管理者選任時研修は、研修を受ける者おおむね100人以内を1単位として行うこと。なお、研修の修了時に試験の実施等により研修の効果の確認を行うことが望ましいこと。
ウ 安全管理者選任時研修を修了した者に対し、修了証を発行すること。なお、安全管理者選任報告(労働安全衛生規則様式第3号)の提出の際に当該修了証の写しを添付する必要があるものであること。
(2) 安全管理者選任時研修の科目の一部免除
次の表の免除を受けることができる者の欄に掲げる者については、それぞれ同表の免除する科目の欄に掲げる科目の範囲で、安全管理者選任時研修の一部を免除することができること。
免除を受けることができる者 |
免除する科目 |
一 労働災害防止のための業務に従事する者に対する能力向上教育に関する指針(平成元年能力向上教育指針公示第1号)別表1に基づく安全管理者能力向上教育(初任時)を修了した者 |
安全管理及び安全教育 |
二 平成12年9月14日付け基発第577号の別添3に基づくリスクアセスメント担当者(製造業等)研修及び平成11年6月11日付け基発第372号の別添2に基づく労働安全衛生マネジメントシステム担当者研修を修了した者 |
危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置等 |
三 平成13年3月26日付け基発第177号の別紙1に基づく職長等教育講師養成講座又は別紙3に基づく職長・安全衛生責任者教育講師養成講座を修了した者 |
安全管理及び安全教育 |
2 第2号関係
(1) 安全管理者選任時研修の講師の要件
ア 安全管理者選任時研修を適切に行うため必要な能力を有する講師とは、次の表の科目の欄に掲げる科目に応じ、それぞれ同表の条件の欄に掲げる条件のいずれかに適合する者又はこれと同等以上の知識経験を有する者であること。
科目 |
条件 |
安全管理 |
一 イに定める講師養成講座(以下「講師養成講座」という。)を修了した者 二 労働安全コンサルタント 三 労働災害防止団体法(昭和39年法律第118号)第12条の安全管理士(以下「安全管理士」という。)として選任された者 |
危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置等 |
一 講師養成講座を修了した者 二 平成12年9月14日付け基発第577号の別添3に基づくリスクアセスメント担当者(製造業等)研修及び平成11年6月11日付け基発第372号の別添2に基づく労働安全衛生マネジメントシステム担当者研修を修了した者 |
安全教育 |
一 講師養成講座を修了した者 二 労働安全コンサルタント 三 安全管理士として選任された者 |
関係法令 |
一 講師養成講座を修了した者 二 労働安全コンサルタント 三 安全管理士として選任された者 |
イ 講師養成講座
(ア) 講師養成講座は、次の表の科目及び範囲についてそれぞれ同表に定める時間以上行われるものであって、講師養成講座を適切に行うため必要な能力を有する講師により行われるもの(施行日前に行われるものを含む。)であること。
科目 |
範囲 |
時間(分) |
|
講義 |
演習 |
||
安全管理者の職務と課題 |
・企業経営と安全 |
30 |
|
・安全管理者の役割及び職務とその問題点 |
80 |
180 |
|
・総合的な安全衛生管理 |
40 |
|
|
・安全活動 |
20 |
|
|
・労働災害の原因の調査と再発防止対策 |
80 |
80 |
|
危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置等 |
・危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置 |
180 |
120 |
・労働安全衛生マネジメントシステム |
120 |
120 |
|
安全管理者教育の方法 |
・指導及び教育の方法 |
90 |
|
・作業標準の作成と周知 |
90 |
|
|
関係法令 |
・労働安全関係法令(労働者派遣法の関係条文を含む。) |
270 |
|
教育技法演習 (注) |
・指導案の作成 |
|
130 |
・役割演技(個人発表等) |
|
10/回 |
|
・役割演技(全体討議) |
|
20 |
|
(注) 「教育技法演習」の「指導案の作成」については、受講者各人に安全管理者選任時研修の科目の範囲の項目の中から1項目を選定し、これらについて指導案等の作成を行わせること。 また、「役割演技(個人発表等)」については、受講者全員に対して課題の発表を行う機会を確保し、各人が行う発表及びこれに関する講師の講評、他の受講者のコメント等を併せて1回当たり10分を確保すること。 |
(イ) 講師養成講座は、受講者おおむね30人以内を1単位として行うことが望ましいこと。
(ウ) 講師養成講座は、次のいずれかの者を対象として行うものとすること。
① 安全管理者として5年以上の実務経験を有する者
② ①と同等以上と認められる者
(エ) 講師養成講座を修了した者に対し、修了番号を付した修了証を発行すること。
3 第3号関係
1及び2に掲げるもののほか、研修の実施に必要な事項としては、次の事項があること。
(1) 講師養成講座を実施した者による報告等
講師養成講座を実施した者は、毎事業年度経過後3か月以内に、実施科目、講師名及びその略歴、実施回数並びに修了者数について、厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課に報告すること。
また、講師養成講座を実施した者は、修了者の氏名、生年月日、受講科目、講師名、修了番号及び修了年月日を記載した帳簿を備え、これを保存しておくこと。
(2) 安全管理者選任時研修を実施した者による報告等
安全管理者選任時研修を実施した者は、毎事業年度経過後3か月以内に、実施科目、講師名及びその要件、実施回数並びに修了者数について、講習を実施した場所を所管する都道府県労働局労働基準部安全主務課に報告すること。
また、安全管理者選任時研修を実施した者は、修了者の氏名、生年月日、受講科目、講師名及び修了年月日を記載した帳簿を備え、これを保存しておくこと。