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通達:公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律(労働安全衛生法及び作業環境測定法関係)について〔作業環境測定法〕

 

公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律(労働安全衛生法及び作業環境測定法関係)について〔作業環境測定法〕

平成15年7月2日基発第0702003号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律については、第156回通常国会において本年6月24日に成立し、本日、平成15年法律第102号として公布され、一部を除き、平成16年3月31日までの間において政令で定める日から施行されることとなったところである。

ついては、今回の改正の趣旨を十分に理解し、下記の事項に留意の上、その運用に遺漏なきを期されたい。

 

第1 改正の趣旨

平成14年3月に閣議決定された「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」を踏まえ、国から公益法人等が委託等を受けて行っている検査、検定、資格付与等の事務及び事業について、官民の役割分担及び規制改革の観点からの見直しを行うため、厚生労働大臣がこれらの事務及び事業を行わせる者を指定する制度から、法律で定める一定の要件に適合し、かつ、行政の裁量の余地のない形で登録を受けた者がこれを行う制度へと改める等の措置を講じることを目的としている。

 

第2 改正の内容

1 登録制度への移行に係る規定の整備

(1) 登録機関による実施(労働安全衛生法第14条等関係)

労働安全衛生法に基づく製造時等検査、性能検査、個別検定、型式検定、技能講習及び教習並びに作業環境測定法に基づく作業環境測定士に係る講習及び研修(以下「検査、検定等」という。)について、指定機関による実施から登録機関による実施に改めたこと。

(2) 登録基準の明確化等(労働安全衛生法第46条等関係)

登録製造時等検査機関、登録性能検査機関、登録個別検定機関、登録型式検定機関、登録教習機関及び登録講習機関(以下「各登録機関」という。)の登録基準を法律上明確化するとともに、登録を申請した者が登録基準に適合しているときには、厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、当該申請者を登録しなければならないこととしたこと。

また、登録は、登録簿に登録年月日、登録番号等を記載してするとともに、5年以上10年以内において政令で定める期間ごとに更新を受けなければ、その効力を失うこととしたこと。

(3) 登録機関の義務(労働安全衛生法第47条第3項等関係)

登録製造時等検査機関、登録性能検査機関、登録個別検定機関及び登録型式検定機関(以下「登録検査・検定機関」という。)は、公正に、かつ、一定の基準に適合する方法により検査・検定を行わなければならないこととするとともに、当該検査・検定の方法から生ずる危険を防止するために必要な措置を講じなければならないこととしたこと。

また、登録教習機関及び登録講習機関は、正当な理由がある場合を除き、毎事業年度、講習等の実施に関する計画を作成し、これに基づいて講習等を実施するとともに、公正に、かつ、法令の規定に従って講習等を行わなければならないこととしたこと。

(4) 登録簿の記載事項に係る変更の届出等(労働安全衛生法第47条の2等関係)

各登録機関は、登録簿の記載事項のうち一定のものを変更しようとするときは、変更しようとする日の2週間前までに厚生労働大臣又は都道府県労働局長に届け出なければならないこととしたこと。

また、各登録機関は、検査、検定等の実施方法等を定めた業務規程を定め、当該検査、検定等の業務の開始の日の2週間前までに厚生労働大臣又は都道府県労働局長に届け出なければならないこととするとともに、各登録機関が検査、検定等の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ(登録性能検査機関にあっては休止又は廃止の日の30日前までに)、その旨を厚生労働大臣又は都道府県労働局長に届け出なければならないこととしたこと。

さらに、登録検査・検定機関は、検査員・検定員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならないこととしたこと。

(5) 財務諸表等の備付け、閲覧等(労働安全衛生法第50条等関係)

各登録機関は、毎事業年度経過後3月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支決算書並びに営業報告書又は事業報告書(以下「財務諸表等」という。)を作成し、5年間事務所に備えて置かなければならないこととするとともに、各登録機関が行う検査、検定等を受けようとする者その他の利害関係人は、当該登録機関の業務時間内は、いつでも、財務諸表等の閲覧又は謄写の請求等をすることができることとしたこと。

また、登録検査・検定機関が損害保険契約を締結しているときは、当該登録検査・検定機関が行う検査・検定を受けようとする者その他の利害関係人は、当該登録検査・検定機関の業務時間内は、いつでも、損害保険契約の契約内容を記載した書類の閲覧又は謄写の請求等をすることができることとしたこと。

さらに、各登録機関は、毎事業年度経過後3月以内に、その事業年度の損益計算書又は収支決算書及び営業報告書又は事業報告書を厚生労働大臣又は都道府県労働局長に提出しなければならないこととしたこと。

(6) 適合命令・改善命令(労働安全衛生法第52条等関係)

厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、各登録機関が登録基準に適合しなくなったと認めるときは、当該登録機関に対し、登録基準に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができることとするとともに、厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、各登録機関が当該登録機関に課された義務に違反していると認めるときは、当該登録機関に対し、業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができることとしたこと。

(7) 登録の取消し等(労働安全衛生法第53条等関係)

厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、各登録機関が欠格事由に該当するに至ったとき等には、その登録を取り消し、又は6月を超えない範囲内で期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができることとしたこと。

(8) 厚生労働大臣等による検査、検定等の実施(労働安全衛生法第53条の2等関係)

厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、登録を受ける者がいないとき等必要があると認めるときは、検査、検定等の業務の全部又は一部を自ら行うことができることとしたこと。

2 その他

(1) 登録等に伴う手数料(労働安全衛生法第112条等関係)

各登録機関に係る登録又はその更新を受けようとする者は、手数料を国に納付しなければならないこととしたこと。

(2) 厚生労働大臣等による公示(労働安全衛生法第112条の2等関係)

厚生労働大臣は、登録検査・検定機関に係る登録をしたとき等は、その旨を官報で告示しなければならないこととするとともに、都道府県労働局長は、登録教習機関に係る登録をしたとき等は、その旨を公示しなければならないこととしたこと。

また、厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、登録講習機関に係る登録をしたとき等は、その旨を公示しなければならないこととしたこと。

(3) 罰則その他所要の規定の整備を行ったこと。

3 施行期日等

(1) 施行期日(附則第1条関係)

この法律は、一部を除き、平成16年3月31日までの間において政令で定める日から施行することとしたこと。

(2) 経過措置等(附則第5条から第10条まで関係)

① この法律の施行の際現にこの法律による改正前の労働安全衛生法及び作業環境測定法に基づき指定を受けている者は、改正後の労働安全衛生法及び作業環境測定法に基づき登録を受けている者とみなすこととしたこと。

② その他この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律の規定の整備を行うこととしたこと。