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通達:労働安全衛生規則の一部を改正する省令の運用について

 

労働安全衛生規則の一部を改正する省令の運用について

平成10年2月16日事務連絡

(都道府県労働基準局安全主務課長あて労働省労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室長通達)

標記省令については、平成一〇年二月一六日付け基発第四九号(以下「四九号通達」という。)により示されたところであるが、その運用に当たっては、下記の点に留意されたい。

 

1 適用等

(1) 土石流の発生メカニズムには今なお不明な点もあることから、今回の改正は、現時点で対応できる事項について行ったものであること。

(2) 労働安全衛生規則第五七五条の九から第五七五条の一六、第六三四条の二及び第六四二条の二の二の規定は、土石流による労働災害の防止を目的としたものであるので、土石流危険河川内で建設工事の作業を行う場合であっても、その作業場所に土石流が到達しないことが明らかな場合、無人化工法等労働者が土石流危険河川内に立ち入らない場合等にあっては、当該作業には適用されないものであること。

(3) 土石流危険河川において複数の事業者が建設工事の作業を行う場合にあっては、それぞれの事業者が措置義務を負うものであるが、第五七五条の九、第五七五条の一一、第五七五条の一二、第五七五条の一四及び第五七五条の一五の規定については、当該事業者がその義務を履行するための方法として、当該事業者が自ら行う場合のほか、他の事業者と共同で行う方法も含まれるものであること。

(4) 第五七五条の一二及び第五七五条の一三で規定する作業の中止は、土石流危険河川において行われる建設工事の作業を中止することをいうものであり、土石流危険河川外における作業の中止を義務付ける趣旨ではないこと。

(5) 四九号通達の記の第二の1(2)でいう「流水が継続して存する土地」とは、常時流水が存する土地のみならず、降雨時のみに流水が継続して存する土地を含むものであること。

(6) 四九号通達の記の第二の1(3)イのうち、平均河床勾配は二万五千分の一の地形図又は現地での測量等により、流域面積は二万五千分の一の地形図により判断すれば足りるものであること。

(7) 四九号通達の記の第二の1(3)ロでいう「土石流危険渓流」とは、昭和五三年八月四日付け建設省河砂発第四六号による土石流危険渓流及び危険区域調査等により、土石流の発生の危険性があり、五戸以上の人家(五戸以下でも官公署、学校、病院、駅、発電所等のある場所を含む。)に被害を生ずるおそれがあることとされ、その旨が公表された河川をいうものであること。

なお、土石流危険渓流は、災害対策基本法(昭和三六年法律第二二三号)に基づく市町村地域防災計画への記載、当該河川における表示のほか、災害対策基本法に基づく都道府県地域防災計画への記載等により明らかにされているものであり、市町村、都道府県土木主管事務所等への問い合わせにより把握できるものであること。

(8) 四九号通達の記の第二の1(3)ハでいう「崩壊土砂流出危険地区」とは、昭和六〇年五月一五日付け六〇林野治第一五七九号「山地災害危険地区調査」に基づく調査により、「崩壊土砂流出危険地区」として決定され、その旨が公表されたものをいうものであること。

なお、崩壊土砂流出危険地区は、災害対策基本法に基づく都道府県地域防災計画、市町村地域防災計画への記載等により明らかにされているものであり、都道府県農林主管事務所、市町村等への問い合わせにより把握できるものであること。

2 記録及び把握(第五七五条の一一関係)

(1) 本条では、各一時間ごとに二四時間雨量を把握することとしているが、二四時間雨量を算出することが困難な場合等にあっては、各測定時点の二四時間以上前から測定時点までの降雨量の合計を各測定時点における二四時間雨量とみなしても差し支えないこと。

なお、降雨量には、融雪量を含まないものであること。

(2) 作業開始後に降雨がないことが明らかな場合は、必ずしも雨量計、アメダス等からの情報により降雨量を把握することを要しないものであること。

(3) 雨量計を設置する際には、建築物等による雨の跳ね返り、樹木等による影響がないようにその設置場所に十分配慮しなければならないこと。

(4) アメダス等から把握する降雨量に関する情報は、作業場所から上流の河川の周辺における降雨量を適切に反映しているものとすること。

(5) 雨量計は、自記記録の機能を有しているものが望ましいこと。

3 降雨時の措置(第五七五条の一二関係)

(1) 監視人の配置又は土石流検知機器の設置にあたって考慮すべき土石流の想定される流下速度は、河川の状況、河床勾配、地質等に応じるものであるが、おおむね五~二〇m/s程度であり、その配置又は設置位置は、土石流を発見又は検知できる位置から作業場所までの距離を土石流の想定される流下速度で除して得られる時間内に、すべての労働者を避難させることができるものとすること。

(2) 土石流検知機器を設置にあたっては、以下の事項に留意させること。

イ ワイヤーセンサー

ワイヤーセンサーは河道内にワイヤーを張り、土石流が発生した場合にはこのワイヤーが切断されることによって土石流を検知するものである。したがって、一度ワイヤーが切断した場合には、再度ワイヤーの張り直しが必要となる。設置に当たっては、想定する土石流の規模に応じて適切な高さにワイヤーを設置するよう、また、動物、流木、倒木等による切断等の誤作動のおそれがないよう設置の位置について十分な検討が必要であること。

ロ 振動センサー

振動センサーは、土石流が発生した際の地盤の振動を検知するものである。設置に当たっては、土石流を検知するための設定すべき振動レベルについて十分な検討が必要である。また、地震による誤作動及び設置場所によっては工事用車両等の影響による誤作動について十分に配慮する必要があること。

ハ 光センサー

光センサーは、河道内に光軸が通るように機器を設置し、土石流が発生した場合にはこの光軸が遮断されることにより土石流を検知するものである。

設置に当たっては、光軸の位置について十分な検討が必要であり、また、動物、流木等による誤作動、降雪、霧の発生した場合等の誤作動に十分配慮する必要があること。

ニ 音響センサー

音響センサーは、土石流が発生した場合に地盤(地中)を伝播する音を検知するものである。設置に当たっては、設定する音響レベルについて十分な検討が必要であり、また、工事用車両、通過車両等の影響による誤作動について十分配慮する必要があること。