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通達:労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則及び特定化学物質等障害予防規則の一部を改正する省令の施行について

 

労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則及び特定化学物質等障害予防規則の一部を改正する省令の施行について

平成7年2月20日基発第76号

(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長)

改正 平成18年8月11日基発第0811002号

 

労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成七年政令第九号)が平成七年一月二五日に公布され、同年四月一日(危険物に係る部分は平成七年一〇月一日)から施行されることとなった。

また、労働安全衛生規則及び特定化学物質等障害予防規則の一部を改正する省令(平成七年労働省令第三号)が平成七年一月二六日に公布され、同年四月一日(一部の規定は、同年一〇月一日又は平成八年四月一日)から施行されることとなった。

今回の改正は、最近の石綿粉じんによる職業性疾病の増加を踏まえて石綿による健康障害防止対策の充実を図るとともに、最近の爆発・火災による労働災害の発生状況を踏まえてその防止対策の充実を図るほか、作業環境測定の結果の評価を行う特定化学物質等の追加等を行うこととしたものである。

ついては、今回の改正の趣旨を十分に理解し、左記の事項に留意して、その運用に遺漏なきようにされたい。

 

第一 労働安全衛生法施行令の一部改正関係

Ⅰ 改正の要点

一 製造等が禁止される有害物として、石綿のうちのアモサイト及びクロシドライトを追加したこと(第一六条関係)。

二 爆発性の危険物として、アジ化ナトリウムその他の金属のアジ化物を追加したこと(別表第一関係)。

三(一) 金属のアジ化物に係る作業主任者の選任は、平成九年三月三一日まで要しないこと(附則第二条関係)。

(二) 平成七年四月一日前に製造され、又は輸入されたアモサイト、クロシドライト又はこれらの含有物(以下「アモサイト等」という。)は、労働安全衛生法(以下「法」という。)第五五条の規定は適用しないこと。なお、その際には、作業主任者の選任等従前とられていた措置を講じること(附則第三条及び第四条第一項関係)。

(三) 平成七年四月一日においてアモサイト等を試験研究のために製造し、又は使用している者については、平成七年六月三〇日までの間は、改正後の労働安全衛生法施行令第一六条第二項の要件に該当しない場合にも、当該アモサイト等を製造し、又は使用することができること(附則第四条第二項関係)。

Ⅱ 細部事項

一 第一六条関係

石綿のうちアモサイト及びクロシドライトは、他の種類の石綿に比べて発がん性が著しく強く、人体に与える影響が大きいこと、また、昭和六一年にILOにおいて採択された「石綿の使用における安全に関する条約(第一六二号条約)」においてクロシドライトの使用禁止が求められ、平成元年に開催されたWHOの専門家会議においてアモサイト及びクロシドライトの使用禁止が求められていることから、これら二物質を製造等が禁止される有害物(以下「製造等禁止物質」という。)に追加したものであること。

二 第一八条関係

アモサイト及びクロシドライトが製造等禁止物質に追加されたことに伴い、第二号の二の「石綿」からこれら二物質を除くこととしたものであること。

三 第二二条関係

アモサイト及びクロシドライトが製造等禁止物質に追加されたことに伴い、特定業務に従事していた労働者に対する健康診断の対象となる有害物として、新たに、これら二物質を追加するとともに、併せて第二項第八号の「石綿」からこれら二物質を除くこととしたものであること。

四 別表第一関係

アジ化ナトリウムは、現行の危険物と同等以上の爆発性を有し、近年、その製造、使用量が大幅に増加するとともに、爆発事故が相次いで発生していること、また、その他の金属のアジ化物も同様の爆発性を有することから、今回、爆発性の危険物として追加することとしたものであること。

五 別表第三関係

アモサイト及びクロシドライトが製造等禁止物質に追加されたことに伴い、第二号四の「石綿」からこれらの二物質を除くこととしたものであること。

 

第二 労働安全衛生規則の一部改正関係

Ⅰ 改正の要点

一 事業者が仕事の開始前にその計画を労働基準監督署長に届け出なければならない仕事として、石綿及び石綿含有物(アモサイト等を含む。以下「石綿等」という。)が吹き付けられている耐火建築物又は準耐火建築物における、石綿等の除去の作業を行う仕事を加えたこと(第九〇条関係)。

二 事業者は、爆発の危険がある場所等において作業を行うときは、労働者に静電気帯電防止作業服及び静電気帯電防止用作業靴を着用させる等労働者の身体、作業服等に帯電する静電気を除去するための措置を講じなければならないものとしたこと(第二八六条の二関係)。

三 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律(平成四年法律第八二号)の改正に伴う所要の整備を行ったものであること(第二九三条関係)。

四 事業者は、船舶の改造等を行う場合に、当該船舶の内部等において、点火源となるおそれのある機械等を使用する作業を行うときは、当該作業の開始時及び当該作業中随時、作業箇所及びその周辺における引火性の物の蒸気又は可燃性ガスの濃度を測定しなければならないものとしたこと(第三二八条の三関係)。

五 事業者は、液化酸素を製造する設備の改造等を行う場合において、当該設備の内部で作業を行うときは、当該作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これを関係労働者に周知させること等の措置を講じなければならないものとしたこと(第三二八条の四関係)。

六 石綿の含有物の範囲を含有量が五パーセントを超えるものから一パーセントを超えるものに拡大するものとしたこと(別表第二関係)。

七 石綿等が吹き付けられている耐火建築物又は準耐火建築物における、石綿等の除去の作業を行う仕事のうち、平成七年六月一日前に開始されるものについては、法第八八条第四項の規定は適用しないものであること(附則第二条関係)。

Ⅱ 細部事項

一 第三二条関係

アモサイト及びクロシドライトが製造等禁止物質に追加されたことに伴い、第二号の二の「石綿」からこれら二物質を除くこととしたものであること。

二 第九〇条関係

(一) 石綿等が吹き付けられた建物の解体・改修工事の際に石綿等を除去する作業は、高濃度の石綿粉じんが発散する場合があり、当該作業に従事する労働者に対して適切な暴露防止対策を講じる必要があることから、届出の対象とすることとしたものであること。

(二) 第五号の二の「準耐火建築物」には、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律(平成四年法律第八二号)による改正前の建築基準法第二条第九号の三の簡易耐火建築物も含まれるものであること。

三 第九一条関係

第九〇条第五号の二に規定する仕事に係る届出に関しては、石綿等の除去に関する部分を記載すれば足りるものであること。

四 第二八六条の二関係

(一) 第一項の「静電気帯電防止作業服及び静電気帯電防止用作業靴」は、それぞれ、JIST八一一八(静電気帯電防止作業服)及びJIST八一〇三(静電気帯電防止用安全・作業靴)に適合するもの又はこれと同等以上の性能を有するものをいうものであること。

(二) 第一項の「労働者の身体、作業服等に帯電する静電気を除去するための措置」には、除電装置の使用等の措置が含まれるものであること。

(三) 第三項の「爆発又は火災の危険が生ずるおそれのない措置」とは、労働安全衛生規則第二八三条の「爆発又は火災の危険が生ずるおそれのない措置」と同意であること。

五 第三二八条の三関係

(一) 「清掃等」には、塗装、解体及び内部検査が含まれるものであること。

(二) 「これに接する場所」とは、鋼板等により船舶の内部と接している場所をいうこと。

(三) 「火花若しくはアークを発し、若しくは高温となつて点火源となるおそれのある機械等」とは、労働安全衛生規則第二七九条の「火花若しくはアークを発し、若しくは高温となつて点火源となるおそれのある機械等」と同意であること。

(四) 「当該作業を開始するとき」には、作業を再開する時も含まれるものであること。

(五) 「その周辺」とは、船舶の構造等に応じ、引火性の物の蒸気、可燃性ガスが停滞しやすい場所をさす趣旨であり、当該作業箇所に隣接する区画であって、当該作業により火花等が入るおそれのあるもの又は隔壁が高温となるおそれのあるものが含まれるものであること。

(六) 本条の「濃度の測定」には、ガス等の空気中における容量パーセントの測定のほか、ガス等の爆発危険性の有無を判定することも含まれるものであること。

六 第三二八条の四関係

(一) 液化酸素の取扱い、貯蔵又は運搬のための設備には本条の適用はないものであること。

(二) 「清掃等」の「等」には、塗装、解体及び内部検査が含まれるものであること。

(三) 第三号の「酸素」とは、純酸素又は空気中に通常含まれる濃度を超える高濃度の酸素をいうものであること。

七 別表第二関係

(一) アモサイト及びクロシドライトが製造等禁止物質に追加されたことに伴い、第二号の二の「石綿」からこれら二物質を除くこととしたものであること。

(二) 近年、石綿の含有率が五パーセント以下の製品が生産されてきており、含有率の低いものであっても、取扱いの方法によっては労働者が高濃度の石綿粉じんに暴露するおそれもあることから、石綿の含有物の範囲を一パーセントを超えて含有するものに拡大することとしたものであること。

 

第三 特定化学物質等障害予防規則の一部改正

Ⅰ 改正の要点

一 事業者は、設備の改造等で、当該設備を分解する作業又は当該設備の内部に立ち入る作業を行う場合において、当該設備の溶断、研磨等により特定化学物質等を発生させるおそれのあるときは、作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これを作業に従事する労働者に周知させる等の措置を講じなければならないものとしたこと(第二二条の二関係)。

二 作業環境測定の結果の評価を行わなければならない特定化学物質等として、塩素化ビフェニル、エチレンイミン、塩化ビニル、コールタール、三・三’―ジクロロ―四・四’―ジアミノジフェニルメタン、トリレンジイソシアネート、ニッケルカルボニル、ベータ―プロピオラクトン、硫酸ジメチルの九物質を新たに追加するものとしたこと。また、このうち、エチレンイミン等特別管理物質である六物質については作業環境測定の結果の評価の記録を三〇年間保存するものに追加するものとしたこと(第三六条の二関係)。

三 事業者は、石綿等の切断、穿せん孔、研磨等の作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に呼吸用保護具及び作業衣等を使用させなければならないものとしたこと(第三八条の九関係)。

四 事業者は、建築物の解体等の作業を行うときは、あらかじめ、石綿等が使用されている箇所及び使用の状況を、設計図書等により調査し、その結果を記録しておかなければならないものとしたこと(第三八条の一〇関係)。

五 事業者は、石綿等が吹き付けられた建築物の解体等の作業を行う場合において、当該石綿等を除去する作業に労働者を従事させるときは、当該除去を行う作業場所を、それ以外の作業を行う作業場所から隔離しなければならないものとしたこと(第三八条の一一関係)。

六 石綿の含有物の範囲を含有量が五パーセントを超えるものから一パーセントを超えるものに拡大するものとしたこと(別表第一及び別表第五関係)。

七 平成七年一〇月一日前に行われた、塩化ビニル及びコールタールに係る作業環境測定については、改正後の特定化学物質等障害予防規則第三六条の二から第三六条の四までの規定は適用しないものとすること(附則第三条第一項関係)。

八 平成八年一〇月一日前に行われた、塩素化ビフェニル、エチレンイミン、三・三’―ジクロロ―四・四’―ジアミノジフェニルメタン、トリレンジイソシアネート、ニッケルカルボニル、ベータ―プロピオラクトン及び硫酸ジメチルに係る作業環境測定については、改正後の特定化学物質等障害予防規則第三六条の二から第三六条の四までの規定は適用しないものとすること(附則第三条第二項関係)。

Ⅱ 細部事項

一 第二二条の二関係

(一) 改造、修理、清掃等の際に労働者が特定化学物質等により健康障害を受けるおそれのある設備は、第二二条で規定している設備だけではなく、設備の溶断等により特定化学物質等が発生するものもあり、過去において労働災害も発生していることから、このような設備においても一定の措置を講じるべきことを規定したものであること。

(二) 「清掃等」の「等」には、解体が含まれること。

(三) 「研磨等」の「等」には、酸による清掃等が含まれること。

(四) 第一項第一号から第六号までの措置は、それぞれ、第二二条第一項第一号、第二号、第五号、第六号、第九号及び第一〇号の措置と同意であること。

二 第三六条の二関係

(一) 管理濃度については、日本産業衛生学会の許容濃度や米国産業安全衛生専門家会議(ACGIH)の暴露限界(TLV―TWA)の勧告値等の医学的根拠、作業環境測定技術の精度、事業場における環境改善の工学的技術等を考慮して定めているところであるが、今般、新たに塩素化ビフェニルなど九物質について管理濃度を設定することが可能となり、これに伴い、これらの物質を作業環境の測定の結果の評価を行わなければならない物質に追加したものであること。

(二) 当該物質の管理濃度については、別途告示することとしていること。

三 第三八条の七関係

アモサイト及びクロシドライトが製造等禁止物質に追加されたことに伴い、規定の整備を図ったものであること。

四 第三八条の八関係

アモサイト等は今回の改正により製造等禁止物質に追加されたが、これまでに建築物に吹き付けられるなど使用されてきており、こうした既存の建築物の解体等においてアモサイト等の除去作業が今後とも行われることから、これら製造等禁止物質も含めて、所要の措置を講じることとしたものであること。

五 第三八条の九関係

(一) 第三八条の八第一項各号の作業はいずれも石綿粉じんの発生量が多いものであることから、労働者の暴露防止の徹底を図るため、第三八条の八の措置に加えて、呼吸用保護具及び作業衣等の使用を義務づけることとしたものであること。

(二) 作業衣は粉じんの付着しにくいものとすること。

(三) 石綿により汚染した作業衣等は二次発じんの原因となることから、このような作業衣等はそれ以外の衣服等から隔離して保管させ、かつ、作業衣等に付着した石綿は、粉じんが発散しないよう洗濯により除去するとともに、事業場からの持出しは行わないこと。

六 第三八条の一〇関係

(一) 石綿等が使用されている建築物の解体等の作業を行う場合には、適切な作業方法等を検討する必要があることから、石綿等の使用箇所及び使用の状況を事前に把握すべきことを規定したものであること。

(二) 「解体等」の「等」には、改修が含まれるものであること。

(三) 「使用の状況」の把握については、吹付け材、スレート材等といった石綿等の使用形態及びその使用量を把握すれば足りるものであること。

(四) 「設計図書」とは、建築物、その敷地、又は煙突等の工作物に関する工事用の図面及び仕様書のことであること。

(五) 「設計図書等」の「等」には、施工記録、維持保全記録、建築管理者・建築物の所有者・施工者等からの情報、目視も含まれるものであること。

(六) 吹付け石綿の除去はスレート材等石綿含有建築板の除去と比較すると石綿粉じんの発じん量が多く、このような作業に従事する労働者の暴露防止対策を確実に行う必要がある。このため、石綿の吹付けが行われているものについては、吹付け材が石綿を一パーセントを超えて含有しているか否かについて設計図書等により調査ができない場合は、定量分析を行う必要があること。

七 第三八条の一一関係

(一) 吹付け石綿を除去する作業を行う場合は石綿粉じんの発生量が多く、このような作業場所に隣接した場所で作業を行う労働者が石綿に暴露するおそれもあるため、それ以外の作業を行う場所から隔離すべきことを規定したものであること。

(二) 「当該除去を行う作業場所を、それ以外の作業を行う場所から隔離する」とは、当該除去を行う作業場所をビニールシートで覆うなど、石綿粉じんが他の作業場所に漏れないようにすることであること。

(三) 「鉄骨等」とは、第三八条の七第二項の「鉄骨等」と同意であること。

八 別表第一及び別表第五関係

(一) アモサイト及びクロシドライトが製造等禁止物質に追加されたことに伴い、別表第一第四号及び別表第五第一号の「石綿」からこれら二物質を除くこととしたものであること。

(二) 近年、石綿の含有率が五パーセント以下の製品が生産されてきており、含有率の低いものであっても、取扱いの方法によっては労働者が高濃度の石綿粉じんに暴露するおそれのある場合もあることから、石綿の含有物の範囲を一パーセントを超えて含有するものに拡大することとしたものであること。

 

第四 その他

一 昭和五一年五月二二日付け基発第四〇八号通達の記の二のうちの「特に」以下を削除する。

二 昭和六一年九月六日付け基安発第三四号の二通達を廃止する。

三 昭和六三年九月一六日付け基発第六〇二号通達の記のⅤの第二の一の(三)のなお書を削除する。

四 平成四年一月一日付け基発第一号通達の記の一の(二)を削除する。