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通達:粉じん障害防止総合対策推進運動の推進について

 

粉じん障害防止総合対策推進運動の推進について

平成5年3月31日基発第199号の3

(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長)

 

粉じん障害防止対策の一層の徹底を図るため、関係事業者団体及び事業場の自主的な活動に基づく粉じん障害防止総合対策推進運動(以下「推進運動」という。)を行うこととし、本省においては、労災指定団体を中心とする事業者団体等に対して、別添一、二のとおり推進運動の実施及び協力を要請したので、各局においても、本省要請団体の支部に対する推進運動への取組を指導されたい。

また、各局独自に、本省要請団体以外の粉じん作業に関係する団体に対しても、別添三を参考に推進運動の実施及び協力を要請するとともに、広報活動を行うことにより、推進運動の積極的な展開を図られたい。

なお、各局における推進運動に係る実施指導状況については、別添四により報告されたい。

 

別添一

○粉じん障害防止総合対策推進運動の実施について

成5年3月31日基発第199号

(別記の事業者団体の長あて労働省労働基準局長)

労働基準行政の推進につきましては、日頃より格別の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、粉じん障害の防止に関しては、昭和五六年度より三次にわたり粉じんに係る適切な作業環境管理、作業管理、健康管理、労働衛生教育等の徹底を内容とする総合的な対策を推進してきたところであり、また、平成三年度からは関係団体及び事業場の自主的な取組による粉じん障害防止対策の一層の徹底を図るため、粉じん障害防止総合対策推進運動の実施をお願いしてきたところであります。

その結果、じん肺の有所見者数は減少しているものの、依然として平成三年において新規に千人を超える有所見者が発生していること、アーク溶接作業等について粉じんの有害性等の認識が低いこと、中小規模事業場での対策の立ち遅れが見られること等から、平成五年度を初年度とした五か年計画による第四次粉じん障害防止総合対策推進要綱を作成したところです(別添一参照)。

つきましては、貴団体及び会員事業場の自主的な取組による粉じん障害防止対策の一層の徹底を図るため、平成五年度より、別添二の実施要綱に基づき、粉じん障害防止総合対策推進運動の実施をお願いいたします。

また、実施に際しましては、別添三を参考に自主点検表を作成し当該推進運動の進捗状況等を把握しつつ計画的に実施していただくようお願いいたします。

なお、貴団体に係る本運動の実施計画について、別添四により、平成五年六月末日までに小職あて報告して下さい。

おって、貴団体において粉じん対策に係る好事例、効果のあった啓発手法等がございましたら今後の指導啓発の参考とさせていただきたいと存じますので、御報告いただきますようお願いいたします。

別記

事業者団体

日本ゴム工業会

(社)セメント協会

日本硝子製品工業会

日本陶業連盟

耐火物協会

全国赤煉瓦協会

炭素協会

コンクリートポールパイル協会

全国コンクリート製品協会

全国ヒューム管協会

(社)石膏ボード工業会

ロックウール工業会

研削材工業協会

(社)日本鉄鋼連盟

普通鋼電炉工業会

日本フェロアロイ協会

(社)日本鋳物工業会

(社)日本強靭鋳鉄協会

(社)日本ダイカスト協会

日本鋳鍛鋼会

(社)日本非鉄金属鋳物協会

(社)全国鐡構工業連合会

(社)鉄骨建設業協会

(社)日本橋梁建設協会

(社)日本機械工業連合会

(社)日本電機工業会

(社)日本造船工業会

(社)日本中型造船工業会

(財)日本小型船舶工業会

(社)日本造船協力事業者団体連合会

(社)自動車産業経営者連盟

日本石炭協会

日本鉱業協会

(社)日本砕石協会

日本石材協会

石炭石鉱業協会

(社)日本砂利協会

(社)日本下水道管渠推進工法協会

(社)全国建設業協会

(社)全国中小建設業協会

(社)日本港運協会

(社)日本アルミニウム合金協会

(社)日本アルミニウム連盟

日本可鍛鋳鉄工業会

(社)日本土木工業会

 

(別添一)

労働省労働基準局

第四次粉じん障害防止総合対策推進要綱

〔計画期間:平成五年度~平成九年度〕

第一 目的及び目標

この粉じん障害防止総合対策推進要綱(以下「要綱」という。)は、第四次粉じん障害防止総合対策(以下「総合対策」という。)の効果的推進を図り、粉じん作業に関する適正な作業環境管理、作業管理等の定着を図ることによって、じん肺の発生を防止するとともに、既にじん肺が認められる有所見者に対して、適切な健康管理を実施することにより、じん肺の進展を防止し、健康の保持を図ることを目的とする。

また、総合対策の計画期間(平成五年度~平成九年度)におけるじん肺の新規有所見者の発生数について、計画前五年間の発生数のおおむね二五%の減少を図ることを目標とする。

第二 総合対策の重点事項

目標達成のため、総合対策の計画期間中において行うべき対策の重点事項は、以下のとおりである。

1 じん肺の新規有所見者等の発生事業場について作業環境等の適切な改善を図るとともに、じん肺の有所見者に対する適切な保健指導等事後措置の徹底を図り、じん肺の進展を防止し、健康の保持を図ること。

2 アーク溶接作業等の特定粉じん作業以外の粉じん作業に従事する労働者に対し、粉じんの有害性等に係る特別教育に準じた教育等を実施すること。

また、有効な呼吸用保護具を使用すべき作業については当該保護具の使用等の徹底を図ること。

3 特定粉じん作業について、粉じんの発生源を密閉する設備、局所排気装置又は当該作業に係る粉じんの発生源を湿潤な状態に保つための設備の設置並びに作業環境測定の実施及び測定結果の評価に基づく作業環境管理対策等の徹底を図ること。

4 粉じん作業場ごとに「たい積粉じん清掃責任者」の選任を行い、たい積粉じんの除去のための清掃を行う等たい積粉じん対策のより一層の徹底を図ること。

5 「粉じん障害防止総合対策推進強化月間」、「粉じん対策の日」を活用し、「大清掃運動」を実施するほか、粉じん障害防止対策の重要性についての普及・啓発活動のより一層の推進を図ること。

6 その他粉じん発生抑制設備の定期自主検査・点検の励行、粉じん作業に係る教育の実施の徹底等主要な粉じん障害防止対策の徹底を図ること。

第三 具体的実施事項

総合対策を推進するに当たり、具体的に実施する事項は次のとおりである。

1 作業環境測定及びその結果に基づく適正な作業環境管理の実施の徹底

常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場においては、作業環境測定の実施を徹底するものとする。

また、作業環境測定を実施した場合には、作業環境評価基準(昭和六三年労働省告示第七九号)に基づいた評価を行い、第三管理区分又は第二管理区分の評価された場所について施設、設備、作業工程及び作業方法の点検を行い、その結果に基づき、施設又は設備の設置又は整備、作業工程又は作業方法の改善その他必要な措置を講ずることにより作業環境の改善を図るものとする。

2 局所排気装置等の検査及び点検の実施の徹底

局所排気装置及び除じん装置については、法定の定期自主検査及び点検はもとより、少なくとも一月に一回以上自主的に点検し、これらの性能の確保を図るものとする。

また、法定の定期自主検査及び点検並びに自主的な点検については、それぞれの設備ごとに当該検査又は点検の実施責任者(以下「検査・点検責任者」という。)を選任するものとする。 この場合において、局所排気装置及び除じん装置の定期自主検査については、局所排気装置の定期自主検査指針(昭和五八年二月二三日付け自主検査指針公示第五号)及び除じん装置の定期自主検査指針(昭和五八年二月二三日付け自主検査指針公示第六号)により実施するとともに、これらの装置の検査・点検責任者については、昭和五八年一〇月一一日付け基発第五六三号「局所排気装置等の定期自主検査者等養成講習について」(以下「五六三号通達」という。)に定める「局所排気装置等の定期自主検査者講習」を修了した者を充てるものとする。

また、親企画の系列下にある中小規模事業場については、できる限り当該親企業の労働者が五六三号通達に定める「局所排気装置等の定期自主検査インストラクター講習」を受講し、その者により、当該系列下の中小規模事業場の検査・点検責任者に必要な知識及び技能を付与させるものとする。

粉じんの発生源を密閉する設備、湿潤な状態に保つための設備並びに湿式型さく岩機及びその水源についても、その日の作業を開始する前に点検し、これらの設備等の性能の確保を図るものとする。

3 たい積粉じん対策

粉じん作業を行う事業場においては、毎日の清掃及び少なくとも一月に一回以上のたい積粉じん除去のための清掃の定着を図るものとする。また、粉じん作業場ごとに「たい積粉じん清掃責任者」を選任し、その者の指揮の下で、法定の清掃が実施されるようにするものとする。特に遊離けい酸の含有率の高い粉じんを発生する工程を有する事業場における清掃は、入念に実施するものとする。

さらに、これらの徹底を図るため、関係事業者団体、労働災害防止団体等を通じ、第四の4に示す粉じん障害防止総合対策推進強化月間その他の機会をとらえ「大清掃運動」を展開するものとする。

4 アーク溶接作業等の特定粉じん作業以外の粉じん作業に係る粉じん障害防止対策

(1) 粉じんの有害性の認識の徹底

アーク溶接作業等の特定粉じん作業以外の粉じん作業については関係事業者及び労働者の粉じんの有害性に関しての認識がいまだ必ずしも十分ではないところが見受けられる。

したがって、事業者に対して、安全衛生セミナーその他企業のトップを対象とした集団講習等の場において、粉じんの有害性に関する認識を一層深めるものとする。

また、労働者に関しては、特定粉じん作業以外の粉じん作業に従事する労働者に対しても特別教育に準ずる教育を行うものとする。特にアーク溶接作業については、法定の特別教育の機会に、粉じんの有害性、呼吸用保護具の使用方法等についての教育を併せて実施するものとする。

(2) 粉じん作業場の明示等

アーク溶接作業等の特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う作業場所には、粉じん作業場所であることの明示及び保護具の適正な着用方法等必要な事項についての掲示等を行うものとする。

(3) 呼吸用保護具の適切な使用の徹底

アーク溶接作業等有効な粉じん発生源対策が困難な作業については、防じんマスク等の有効な呼吸用保護具の着用が重要であることから、これらの保護具の着用・管理の徹底を図るものとする。なお、呼吸用保護具の着用が法的に義務付けられていない作業においても、労働者が粉じんを吸入する可能性が高い場合は、有効な呼吸用保護具が着用するものとする。

防じんマスクについては、労働大臣が行う型式検定に合格したものであること、個々の労働者に適したものを使用させることに留意することはもとより、平素から点検及び手入れを励行して十分性能を発揮できる状態に保持することが重要である。このため、昭和五九年一月三〇日付け基発四八号「防じんマスクの選択、使用等について」及び昭和六三年一一月一五日付け基発第七一一号「使い捨て式防じんマスクの選択、使用等について」に基づいて適正な呼吸用保護具の使用を徹底するものとする。

また、粉じん障害防止規則(昭和五四年労働省令第一八号。以下「粉じん則」という。)第二七条の有効な呼吸用保護具を使用すべき事業場においては、事業者が、労働者への保護具の貸与、交換等が適切に行われているかを確認するために呼吸用保護具の管理台帳を整備するとともに、呼吸用保護具の適正な着用、取扱方法等に関する指導、呼吸用保護具の保守管理及び廃棄を行う「保護具着用管理責任者」を、各作業場ごとに、衛生管理者又は衛生推進者(安全衛生推進者)の資格を有する者その他労働衛生に関する知識、経験等を有する者から選任し、呼吸用保護具の適正な使用の徹底を図るものとする。

5 じん肺の有所見労働者を使用する事業場における健康管理

(1) じん肺健康診断の事後措置等の徹底

じん肺の有所見者を使用する事業場においては、当該事業場の実情、労働者の意思等を十分勘案した上で、じん肺管理区分が管理二の者に対しては粉じんばく露の低減措置、管理三のイの者に対しては粉じんばく露の低減措置又はじん肺法(昭和三五年法律第三〇号)第二一条第一項の勧奨が行われた場合における粉じん作業以外の作業への転換、管理三のロの者に対しては粉じん作業以外の作業への転換の措置を、それぞれとるものとする。粉じん作業以外の作業への転換を実施するに当たって、労働者に対する教育訓練を必要とする場合には、昭和五三年一一月八日付け基発第六二〇号「じん肺作業転換教育訓練援護措置制度の実施について」により示したじん肺作業転換教育訓練援護措置制度を積極的に活用するものとする。

(2) じん肺の新規有所見者に対する保健指導

事業場における継続的な健康管理体制を確立し、じん肺の新規有所見者に対して産業医等による保健指導を実施するものとする。この場合、地域産業保健センターの活用についても考慮するものとし、また、系列企業の親企業においては、必要に応じ系列下の事業場に対し指導援助を行うものとする。

(3) 離職者に対する健康管理

じん肺の有所見者が離職する際には、離職後の健康管理等について周知を図るものとする。特に、じん肺管理区分が管理三である離職者に対しては、健康管理手帳の交付申請方法等について併せて周知するものとする。

6 粉じん障害防止に関する教育の徹底

(1) 粉じん作業に従事する労働者に対する特別教育の普及徹底を図るため、労働基準協会、労働災害防止団体の都道府県支部において計画的に特別教育を実施するとともに、粉じん作業従事労働者の多い事業場においては、必要に応じて、事業場内に、昭和五四年八月二九日付け基安発第一九号「特定粉じん作業に係る特別の教育の推進について」及び昭和六一年七月一六日付け基安発第三〇号「建設業粉じん作業特別教育指導員講習の実施について」により示した粉じん作業特別教育指導員(インストラクター)を養成するものとする。

(2) 親企業の系列下にある中小規模事業場の労働者に対する特別教育については、その親企業ができる限り企業系列ごとに計画的に実施するとともに、必要に応じこれらの系列下の事業場に対し指導援助を行うものとする。

(3) 特定粉じん作業以外の粉じん作業に従事する労働者について、じん肺及びその防止対策についての認識を高めるため、特別教育の内容に準じた教育を行うものとする。

(4) 上記(1)、(2)及び(3)の教育については、繰り返し実施することが効果的であるので、就業時のみならず、機会をとらえて繰り返し教育を行うものとする。

第四 基本的手法

総合対策を展開する上で労働者、都道府県労働基準局及び労働基準監督署の用いる主な手法については、次のとおりである。

1 関係団体等の指導の実施

(1) 労働災害防止団体、事業者団体等に対する指導

労働災害防止団体の本部支部、関係労災指定団体の本部支部、主要な産地における関係事業者団体等類似の粉じん作業を有する団体等に対し、研究会、専門医員会等を設置し、粉じん作業に係る改善事例の紹介、具体的な粉じん障害防止対策に関する検討、啓発活動の推進等を行うよう要請するものとする。

また、粉じんに係る労働衛生教育に使用する視聴覚教材等の作成についても併せて要請するものとする。

(2) 粉じん作業関連機器メーカー等に対する指導

労働省においては、アーク溶接機、グラインダー等主要な粉じん作業関連機器のメーカー、輸入業者等の団体に対し、粉じん則について周知徹底を図るとともに、製品等の使用説明書、カタログ等にできる限り粉じん則の趣旨を盛り込むよう要請するものとする。

2 中小規模事業場に対する指導援助

中小規模事業場に対しては、総合対策のより一層の推進を図るため、労働災害防止団体の都道府県支部、事業者団体等と連携して粉じん障害防止に関し積極的な集団指導を行うものとする。この場合、必要に応じて、粉じん対策指導委員、労働衛生コンサルタント、衛生管理士等専門的知識を有する者の積極的な活用を図るものとする。

また、中小規模事業場に係る、助成制度等の積極的な活用を図るものとする。

3 計画の届出等

粉じん則第二八条に基づく計画の届出の徹底を図ることはもとより、これらの機会を活用し、設置事業者及びこれら設置等のメーカーに対して総合対策の周知徹底を図るものとする。

4 啓発活動の実施

(1) 粉じん障害防止総合対策推進強化月間

第三次粉じん障害防止総合対策に引き続き、全国労働衛生週間準備月間を「粉じん障害防止総合対策推進強化月間」と定め、キャンペーンの実施等の広報、啓発活動を積極的に行うとともに、関係団体等を中心に、各事業場の改善事例、自作ポスター等を集め発表会、コンクール等を行うよう要請するものとする。

(2) 粉じん対策の日

粉じん作業を行う事業場において、局所排気装置等の点検、たい積粉じん除去のための清掃、呼吸用保護具の点検、職場点検等の定期的な実施を促進するため、毎月特定の日を粉じん対策の日と定め、事業場に掲示するよう指導するものとする。

(3) 広報活動等

粉じん障害防止に係るリーフレット等を活用し事業者等の粉じん障害防止に関する認識を深めるものとする。

また、関係団体等の広報誌等に粉じん障害防止に関する情報を積極的に掲載するよう要請するものとする。

5 適正なじん肺健康診断の実施の促進

適正なじん肺健康診断の実施を確保するため、労働省においては、産業医、じん肺健康診断に携わる医師、診療放射線技師、臨床検査技師等に対して「じん肺診断技術等研修」を実施するものとする。

また、適正な健康診断を推進するため、健康診断実施機関に対し、(社)全国労働衛生団体連合会に委託して行っている「総合精度管理事業」への積極的な参加・活用について指導するものとする。

6 粉じん障害防止対策に関する調査研究の推進

労働省においては、粉じん作業に係る工法、作業方法等の変化に対応した粉じん作業の実態把握のための作業環境調査、医学の進歩等に応じた新しいじん肺健康診断技術、じん肺健康管理に関する情報管理技術等の研究開発に努め、粉じん障害防止対策の進展に資するものとする。

 

(別添二) 略(基発第一九九号の三の別添三に同じ。)

(別添三)

 

別添二

○粉じん障害防止総合対策推進運動への協力について

平成5年3月31日基発第199号の2

(中央労働災害防止協会、各業種別労働災害防止協会(林災防を除く。)、全国中小企業団体中央会、日本経営者団体連盟、日本商工会議所、全国労働衛生団体連合会、日本作業環境測定協会、日本労働安全衛生コンサルタント会、全国労働基準関係団体連合会、日本トンネル技術協会の長あて労働省労働基準局長)

労働基準行政の推進につきましては、日頃より格別の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、粉じん障害の防止に関しては、昭和五六年度より三次にわたり粉じんに係る適切な作業環境管理、作業管理、健康管理、労働衛生教育等の徹底を内容とする総合的な対策を推進してきたところであり、また、平成三年度からは関係団体及び事業場の自主的な取組による粉じん障害防止対策の一層の徹底を図るため粉じん障害防止総合対策推進運動の実施をお願いしてきたところであります。

その結果、じん肺の有所見者数は減少しているものの、依然として平成三年において新規に千人を超える有所見者が発生していること、アーク溶接作業等について粉じんの有害性等の認識が低いこと、中小規模事業場での対策の立ち遅れが見られること等から、別添一のとおり平成五年度を初年度とした五か年計画により第四次粉じん障害防止総合対策推進要綱を作成したところです。また、別添二のとおり関係事業者団体に対して、粉じん障害防止総合対策推進運動の実施を依頼しているところです。

つきましては、貴団体におかれましても粉じん障害防止対策推進運動の効率的な実施を図るため、関係事業者団体等と連携した広報、啓発、指導等について御協力下さいますようお願いいたします。

 

別添三

粉じん障害防止総合対策推進運動実施要綱

関係事業者団体及び事業場における粉じん障害防止対策の一層の徹底を図ることにより、粉じん作業に従事する労働者の健康障害を防止するため、左記により粉じん障害防止総合対策推進運動(以下「推進運動」という。)を実施することとする。

Ⅰ 実施者

関係事業者団体及び事業場

Ⅱ 実施期間

平成五年度から平成九年度まで

Ⅲ 実施事項

1 主として業界団体が実施する事項

(1) 粉じん障害防止対策について、業界誌、ポスター、リーフレット等により、会員事業場等に対し広報及び啓発を行うこと。

なお、全国労働衛生週間準備月間(九月)を「粉じん障害防止総合対策推進強化月間」と定めることにより推進運動の趣旨の徹底を図ること。

(2) 業界団体首脳者等による会員事業場のパトロールを実施すること。

(3) 研究会及び専門委員会等の活動により、粉じん作業に係る改善事例の会員事業場への普及等を図ること。

(4) 会員事業場に対し、毎月特定の日を「粉じん対策の日」と定め、たい積粉じん除去のための清掃、局所排気装置等の点検等毎月行うべき対策について計画的に実施するよう周知させること。

(5) たい積粉じん対策のより一層の推進を図るため「大清掃運動」を実施すること。

(6) 粉じん障害防止対策に関する教育に使用するわかりやすい教材の整備に努めること。

(7) 自主点検表等による業界単位の定期的な自主点検を実施すること。

2 主として事業場が実施する事項

(1) 経営首脳者等による粉じん作業場のパトロールを実施すること。

(2) 生産設備、生産工程及び作業方法の改善、原材料の変更等による粉じんばく露の低減化のための検討及び対策の実施を図ること。

(3) 事業場の規模に応じて、衛生管理者、衛生推進者(安全衛生推進者)等の選任及び職務の徹底を図ること。

(4) 「検査・点検責任者」を選任し、局所排気装置及び除じん装置の一年以内ごとに一回の定期自主検査及び少なくとも月に一回以上の自主的な点検の実施を徹底すること。

(5) 「たい積粉じん清掃責任者」を選任し、毎月の清掃及び月一回以上のたい積粉じん除去のための清掃の実施を徹底すること。

(6) 作業環境測定の実施及びその結果の評価に基づく適正な作業環境管理の実施の徹底を図ること。

(7) 「保護具着用管理責任者」を選任し、呼吸用保護具の適正な使用の徹底を図ること。

(8) じん肺健康診断の実施及び管理区分に応じて作業転換等の事後措置の徹底を図ること。

(9) じん肺の有所見者に対し、産業医等による適切な保健指導を実施すること。

(10) 特別教育の計画的な実施の徹底及びアーク溶接作業等特定粉じん作業以外の粉じん作業に従事する労働者に対する特別教育に準じた教育の実施を図ること。

(11) 毎月特定の日を「粉じん対策の日」と定め、たい積粉じん除去のための清掃、局所排気装置等の点検、職場の巡視等を計画的に実施すること。

(12) 系列企業も含めた粉じん障害防止対策の推進を図ること。

 

別添4

図

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