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労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行について
昭和50年7月21日基発第415号
(各都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)
労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(昭和五〇年労働省令第五号。以下「改正省令」という。)は、昭和五〇年三月二二日公布され、同日、同年四月一日又は七月一日から施行された(一部の規定は、同年一〇月一日又は昭和五一年一月一日から施行される。)。
今回の改正は、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(昭和五〇年政令第四号)による労働安全衛生法施行令(昭和四七年政令第三一八号。以下「令」という。)の一部改正に伴い、及びコンクリート破砕器作業における労働災害の発生状況等にかんがみ、労働安全衛生規則(昭和四七年労働省令第三二号)等の整備充実を行つたものである。
ついては、今回の改正の趣旨を十分に理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、特に左記事項に留意してその運用に遺憾のないようにされたい。
なお、改正省令の施行に伴い、昭和四二年二月六日付け基発第一二二号通達の記の一三の(一)及び(三)、一四の(三)及び(四)並びに一七の(一)並びに昭和四九年六月二五日付け基発第三三二号通達の記のⅡの第一の九の(七)並びに同一五の(二)及び(三)中の「危険物」を「危険物等」に、昭和四三年六月一四日安発第一〇〇号通達の記の三の(三)及び四中の「命綱」を「安全帯等」に改める。
記
Ⅰ 今回の改正の要点
一 令の改正により追加された労働安全衛生法(昭和四七年法律第五七号。以下「法」という。)第五七条の名称等を表示すべき有害物のうち、人体に及ぼす作用を表示すべきものを定め、また、これら有害物を含有する製剤その他の物で名称等を表示すべきものを定めたこと。
二 法第五九条第三項の特別の教育を必要とする業務としてエックス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影(いわゆる非破壊検査)の業務を追加したこと。
三 結核予防法等の一部を改正する法律(昭和四九年法律第八八号)による結核予防法の一部改正に伴い、定期健康診断及び結核健康診断の健康診断項目から赤血球沈降速度検査等を削つたこと。
四 令の改正により追加された法第一四条の作業主任者を選任すべき作業のうち、令第六条第五号の二の作業については、ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許を受けた者のうちからガンマ線透過写真撮影作業主任者を、同条第八号の二の作業についてはコンクリート破砕器作業主任者技能講習を修了した者のうちからコンクリート破砕器作業主任者を選任すべきこととするとともに、コンクリート破砕器作業主任者の職務及びコンクリート破砕器作業主任者技能講習の受講資格等を定めたこと。
五 法第四二条の労働大臣が定める規格を具備すべき機械等として令第一三条に第三六号から第三八号までの機械等が追加されたことに伴い、労働安全衛生規則第二七八条を改めたこと。
六 コンクリート破砕器作業の基準を定めたこと。
七 特定元方事業者が標識の統一等を行うべき事故現場等として酸素欠乏危険作業に係る立入禁止場所等を追加したこと。
Ⅲ 細部事項(労働安全衛生規則関係)
一 第一四二条関係
第三項の「命綱」には、令第一三条第四〇号の安全帯が含まれること(改正省令によるボイラー及び圧力容器安全規則(昭和四七年労働省令第三三号)、クレーン等安全規則(同第三四号)、ゴンドラ安全規則(同第三五号)及び酸素欠乏症防止規則(同第四二号)の一部改正の関係条項において同じ。)。
なお、令の改正により安全帯が法第四二条の労働大臣が定める規格を具備すべき機械等として追加された趣旨にかんがみ、できるだけ令第一三条第四〇号の安全帯を使用させるよう指導すること。
二 第二七二条関係
本条第二号ただし書の「バルブ又はコックが確実に閉止していることを確認することができる装置」とは、ストレーナ等とこれらに最も近接した化学設備との間に設けられているバルブ又はコックを閉止したときに、ストレーナ等を開放し、又は取り外すことなく、これらのバルブ又はコックにより完全に危険物等の流れがしや断されていることを確認することができる装置をいうこと。
なお、ストレーナ等を開放し、又は取り外す部分に設けられるベントバルブ、ドレンバルブ等排気、排液等のために用いられる装置は、本条第二号ただし書の装置には該当しないこと。
三 第二七三条の五関係
本条第一号の「動力源の異常により爆発又は火災を防止するための………予備動力源」とは、使用中の動力源が停止したこと等により爆発又は火災が発生しないよう特殊化学設備を安全に運転し、又は停止させることができる予備動力源をいい、設備全体を通常運転するためのものである必要はないこと。
四 第三二一条の二関係
(一) 本条第三号の「その他の発火又は引火の危険のないもの」には、ゴム栓等が含まれること。
(二) 本条第四号の「破砕された物等」の「等」には込物として使用されたセメントモルタル等が含まれること。
(三) 本条第四号の「飛散を防止するための措置」には、安全マット、シート類等により破砕する物を覆うこと等が含まれること。
五 第三三二条関係
(一) 本条ただし書は、交流アーク溶接機で、その外箱内に溶接機の主回路と電撃防止回路が一体的に組み込まれており、自動電撃防止装置を使用しなくとも出力側無負荷電圧が一・五秒以内に三〇ボルト以下となり、かつ、その旨を表示した銘板がその外箱に取り付けてあるものについては、自動電撃防止装置を使用する必要がないこととしたものであること(第六四八条において同じ。)。
(二) 本条ただし書の「溶接棒と被溶接物との間の電圧」には、ガウジング等を行う際の電極棒と加工される母材との間の電圧が含まれること。
六 第三四八条関係
本条第二項は、直流で七五〇ボルト以下又は交流で三〇〇ボルト以下の充電電路に対して用いられる絶縁用保護具、活線作業用器具及び絶縁用防具については、法第四二条の労働大臣が定める規格を具備すべき機械等とされておらず、したがつて絶縁効力についての規格が定められていないが、これらを使用するときは、その使用する充電電路の電圧に応じた絶縁効力を有するものでなければ使用してはならないことを定めたものであること。
七 第三五一条関係
本条の絶縁性能についての定期自主検査を行う場合の耐電圧試験は、絶縁用保護具等の規格(昭和四七年労働省告示第一四四号)に定める方法によること。ただし、絶縁用保護具及び絶縁用防具の耐電圧試験の試験電圧については、次の表の上欄に掲げる種類に応じ、それぞれ同表の下欄に定める電圧以上とすること。
絶縁用保護具又は絶縁用防具の種別 |
電圧 |
交流の電圧が三〇〇ボルトを超え六〇〇ボルト以下である電路について用いるもの |
交流一、五〇〇ボルト |
交流の電圧が六〇〇ボルトを超え三、五〇〇ボルト以下である電路又は直流の電圧が七五〇ボルトを超え三、五〇〇ボルト以下である電路について用いるもの |
交流六、〇〇〇ボルト |
電圧が三、五〇〇ボルトを超える電路について用いるもの |
交流一〇、〇〇〇ボルト |