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通達:クレーン等安全規則の施行について

 

クレーン等安全規則の施行について

昭和47年9月18日基発第598号

(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)

最終改正 平成8年3月21日基発第134号

 

労働安全衛生法(昭和四七年法律第五七号)および労働安全衛生法施行令(昭和四七年政令第三一八号)の規定に基づき、クレーン等安全規則(昭和四七年労働省令第三四号。以下「新規則」という。)は、昭和四七年九月公布され、同年一〇月一日から施行されることとなつた。

今回の新規則の制定は、労働安全衛生法および労働安全衛生法施行令の施行に伴い従来のクレーン等安全規則(昭和三七年労働省令第一六号。以下「旧規則」という。)を廃止するとともに、従来の規制に新規の規制を加え、クレーン等の安全の確保を一層効果的にすすめることとしたものである。

ついては、今回の新規則の制定の趣旨を十分に理解し、関係者への周知徹底をはかるとともに、とくに下記の事項に留意して、その運用に遺憾のないようにされたい。

なお、旧規則に関する通達は、新規則の相当条文に関する通達として取扱うこととし、昭和四六年九月七日付け基発第六二一号通達中、第三条関係の(三)および(四)(別紙一を除く。)、第四五条関係の(二)および(三)(別紙二を除く。)、第七九条関係の(五)、第一四八条関係の(一)および(二)並びに第一五六条関係の(一)を削り、別紙三を本通達別紙のように改める。

 

第一 旧規則との主な相違点

一 クレーン等の設置認可制度および変更認可制度が廃止され届出制(移動式クレーンの設置については除く。)とされるとともに、届出事項等について整備がはかられたこと(第五条、第四四条、第八五条、第九六条、第一二九条、第一四〇条、第一六三条、第一七四条および第一九七条)。

二 移動式クレーン検査証は、製造検査または使用検査に合格した移動式クレーンについて都道府県労働基準局長が交付することとされたこと(第五九条)。

三 小型のクレーン等の運転またはつり上げ荷重が一トン未満のクレーン等の玉掛けの業務に労働者をつかせるときに事業者が行なうべき特別の教育の教育科目等が定められたこと(第二一条、第六七条、第一〇七条、第一八三条および第二二二条)。

四 事業者がクレーンの組立てまたは解体の作業を行なうときは、当該作業を指揮する者を選任しなければならないこと等が定められたこと(第三三条)。

五 使用を休止したクレーン等(建設用リフトを除く。)を再び使用しようとする者は、使用再開検査を受けなければならないことと定められたこと(第四九条、第九〇条、第一三四条および第一六八条)。

六 クレーン運転実技教習、移動式クレーン運転実技教習およびデリック運転実技教習の教習科目等が定められたこと(第二四〇条~第二四三条)。

 

第二 細部事項

一 第五三条、第九四条、第一三八条および第一七二条関係

(一) 「同一の型式」とは、昭和四六年九月七日付け基発第六二一号通達の別紙二、ならびにこの通達別紙に示すクレーン等の分類表に掲げる種類、構造部分の主要部材の材料および形状、能力(製造できる最高のつり上げ荷重、積載荷重またはガイドレールの高さで許可を受けた場合は、それ以下のものは能力が同一であるとみなすものとする。)ならびに工作方法が、すでに許可を受けているクレーン等と同一であるものをいうこと。

(二) デリック、エレベーターおよび建設用リフトに係る製造許可の取扱いについては、クレーンの場合に準ずること。

二 第二一条関係

玉掛技能講習修了者ならびに移動式クレーン、デリックの運転および玉掛けの業務に係る特別の教育を修了した者は、それぞれ修了した講習または教育の科目の範囲および時間に応じて、第二項の科目の一部を省略して差しつかえないこと。

三 第四九条、第九〇条、第一三四条および第一六八条関係

「使用再開検査」は、検査証の有効期間をこえて使用を休止しているクレーン、移動式クレーン、デリックまたはエレベーターの、使用を再開しようとする者が、法第三八条第二項の規定に基づき受けるべきものであること。

四 第五七条関係

(一) 使用を廃止した移動式クレーンについては、設置者以外の者が使用検査を受けることを妨げるものではないので、当該移動式クレーンを譲渡または貸与しようとする者が事前に使用検査を受け、これに合格したものを二年以内に設置する場合には、当該設置者は改めて使用検査を受ける必要はないこと。

(二) 第一項第三号の「設置し、又は使用しようとする者」には、移動式クレーン以外の機械を移動式クレーンに用途変更して、またはつり上げ荷重三トン未満から三トン以上に変更して設置または使用しようとする者が含まれること。

五 第六一条関係

第二項の報告書の提出がなされた場合所轄労働基準監督署長は、添付された移動式クレーン明細書により台帳を作成し、かつ、移動式クレーン検査証に設置地および事業の名称を記載して当該検査証および明細書を当該事業者に返還すること。

六 第六七条関係

第二一条の場合に準じて取り扱うこと。

七 第一〇七条関係

第二一条の場合に準じて取り扱うこと。

八 第一八三条関係

(一) 玉掛技能講習を修了した者ならびにクレーン、移動式クレーンおよびデリックの運転の業務に係る特別の教育を修了した者については、第二項の科目の全部を省略して差しつかえないこと。

(二) 玉掛けの業務に係る特別の教育を修了した者については、その修了した教育の科目の範囲および時間に応じて、第二項の科目の一部を省略して差しつかえないこと。

九 第二二二条関係

(一) クレーン、移動式クレーンまたはデリックの運転の業務に係る特別の教育を修了した者については、第二項の科目の全部を省略して差しつかえないこと。

(二) 建設用リフトの運転の業務に係る特別の教育を修了した者については、その修了した教育の科目の範囲および時間に応じて、第二項の科目の一部を省略して差しつかえないこと。

一〇 第二二六条、第二三二条および第二三七条関係

(一) クレーン、移動式クレーンおよびデリックの運転士免許試験において、実技試験は学科試験に合格した者について行なうこと。

(二) クレーン、移動式クレーンまたはデリックの運転実技教習を修了した者の学科試験は、当該教習の修了の前後いずれでもよいこと。

 

別紙

図