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通達:事務所衛生基準規則の施行について

 

事務所衛生基準規則の施行について

昭和47年9月18日基発第595号

(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)

最終改正 令和3年12月1日基発1201第1号

 

労働安全衛生法(昭和四七年法律第五七号。以下「法」という。)の規定に基づき、事務所衛生基準規則(昭和四七年労働省令第四三号。以下「事務所則」という。)は、昭和四七年九月公布され、同年一〇月一日から施行されることとなつた。

今回のこの規則の制定は、法および労働安全衛生法施行令(昭和四七年政令第三一八号。以下「令」という。)の施行に伴い、従来の事務所衛生基準規則(昭和四六年労働省令第一六号。以下「旧規則」という。)を全面的に検討を加え、騒音、振動の防止、十分な飲料水の供給、被服の乾燥設備の設置等の規制をさらに追加して充実整備し事務所における衛生基準をより適切にしたものである。

ついては、今回の制定の趣旨を十分に理解し、関係者への周知徹底をはかるとともに、とくに下記の事項に留意して運用に遺憾のないようにされたい。

なお、規則の通達で、事務所則にこれに相当する規定があるものについては、当該規定に関し出されたものとして取り扱うこと。

 

第一 旧規則との主な相違点

一 室内の労働者に有害な影響を及ぼす騒音および振動の防止についての努力義務を新たに定めたこと(第一一条)。

二 飲用に供する水その他飲料を十分に供給するようにしなければならないことを新たに定めること(第一三条)。

三 被服が湿潤し、または湿潤するおそれがある労働者のために被服の乾燥設備を設けることを新たに定めたこと(第一八条)。

四 負傷者の手当てのための救急用具の備え付け等を新たに定めたこと(第二三条)。

五 中央管理方式の空気調和設備及び機械換気設備について設置、変更等の場合届出すべきことを定めたこと(第二四条および第二五条)。

 

第二 細部事項

一 第九条関係

本条による点検を行なつたときは、その結果の記録を三年間保存しなければならないことを明確にしたこと。

二 第一一条関係

(一) 本条は、室内の労働者に有害な影響を及ぼすおそれのある騒音および振動について、適当な措置によりできる限り防止するようにすることを新たに規定したものであること。

(二) 「必要な措置」としては、次のようなものがあること。

イ 機械並びに音を発する設備および装置により生ずる騒音または振動を実質的に減少させること。

ロ 音の大きさおよび強さ並びに音の発生の持続時間を減少すること。

ハ 原動機、コンプレツサー、鍛造機械等で騒音または振動を発するものは、室に騒音または振動の影響を与えない程度の距離を保つて設置すること、または室の周囲にしや音のための障壁を設けること。

ニ 事務所の外部からの騒音または振動については、それらの影響がない程度に室を隔離すること。

三 第一三条関係

(一) 本条は、事務所における給水については、十分な量の衛生的な飲用のための水その他の飲料を労働者に供給するようにしなければならないことを新たに規定したものであること。

(二) 第一項の「その他の飲料」とは湯、茶等をいうこと。

四 第一八条関係

(一) 本条は、従前の規定に加え、作業または通勤等で、衣服が湿潤するおそれのある労働者のために、衣服の乾燥設備の設置を新たに規定したものであること。

(二) 第二項の「衣服が湿潤し、または湿潤するおそれのある労働者」としては、そうじ等で水を使用するものまたは通勤時、外勤等で雨水等にさらされる機会のあるものであること。

(三) 第二項の「乾燥設備」には、ロツカー、ハンガー、ほし物用のロープ等を含まれること。

五 第二三条関係

(一) 本条は、負傷者の手当に必要な救急用具および材料の備付け並びにそれらを清潔に保持すべきことを新たに規定したものであること。

(二) 削除

六 第二四条関係

本条は、中央管理方式の空気調和設備または機械換気設備を設置、移転または変更しようとする場合に届出の手続について定めたものであり従前の事業場設置届に相当するものであるが上記の設備についてのみ届出すべきことを新たに規定したものであること。

七 別記様式関係

(一) 様式中「単一ダクト方式」とは、暖房又は冷房を行なうに必要な全送風量を一本の主ダクトで分配する方式をいうこと。

(二) 様式中「各階ユニツト方式」とは、一次の空気調和設備の他に、各階に二次の空気調和設備を設ける方式をいうこと。

(三) 様式中「二次誘引ユニツト方式」とは、一次空気を吹き出すときに室の空気を吸引し、一次空気と室の空気を混合させて吹き出す方式をいうこと。

(四) 様式中「二重ダクト方式」とは、暖房又は冷房を行なうに必要な送風量を温風用と冷風用の主ダクトで別々に分配する方式をいうこと。

(五) 様式中「フアンコイル方式」とは、小型のフアン、加熱用コイル及び冷却用コイルをケーシングに収めた構造の装置のコイルに熱媒又は冷媒を通じて空気の温度調節を行なう方式をいうこと。

(六) 様式中「パツケージ方式」とは、冷却用、加熱用、送気用等の設備を一括してケーシングに収めた方式をいい、比較的狭い範囲の空気調和に用いられるものをいうこと。