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有害業務の範囲について
昭和四三年七月二四日基発第四七二号
(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)
標記については、昭和二三年八月一二日付け基発第一一七八号通達により示されているが、同通達は、労働基準法施行規則第一八条、労働安全衛生規則第四八条並びに女子年少者労働基準規則第八条及び第九条に規定するそれぞれの有害業務を画一的に取り扱つているため、運用面において必ずしも円滑な施行が確保できないでいることにかんがみ、今般労働基準法施行規則第一八条に規定する衛生上有害な業務の範囲の一部を下記の通り改めたので遺憾のないよう運用されたい。
なお、女子年少者労働基準規則第八条及び第九条並びに労働安全衛生規則第四八条第二号に規定する有害な業務の範囲については、根本的に検討を加えているので当面従前どおりとする。
おつて、本通達に示す以外の有害業務については、その内容が確定次第逐次追加をする予定であるので念のため申し添える。
記
次の一から八までのそれぞれに掲げる作業を主たる作業とする業務及び九に掲げる業務は、通常労働基準法施行規則第一八条に規定する業務に該当する。ただし、当該有害要因の発散源が密閉されている場合又は当該業務を遠隔操作によつて隔離室において行なう場合等であつて、有害要因の影響を受けない業務は、この限りでない。
なお、労働基準法第三六条但書の適用に当り、一定時間有害業務に従事しないことが予め定められている場合等当該業務に従事しない時間数が確認できるものは、有害業務従事労働時間数に算入しないことは、昭和四一年九月一九日付け基発第九九七号で示したとおりであるので念のため申し添える。
一 第一号関係
(一) 鉱物又は金属を精錬する平炉、転炉、電気炉、溶鉱炉等について、原料を装入し、鉱さい若しくは溶融金属を取り出し、又は炉の状況を監視する作業
(二) 鉱物、ガラス又は金属を溶解するキユポラ、るつぼ、電気炉等について、原料を装入し、溶融物を取り出し、若しくは撹拌し、又は炉の状況を監視する作業
(三) 鉱物、ガラス又は金属を加熱する焼鈍炉、均熱炉、焼入炉、加熱炉等について、被加熱物を装入し、取り出し、又は炉の状況を監視する作業
(四) 陶磁器、レンガ等を焼成する窯について、被焼成物を取り出し、又は炉の状況を監視する作業
(五) 鉱物の焙焼、焼結等を行なう装置について、原料を装入し、処理物を取り出し、又は反応状況を監視する作業
(六) 加熱された金属について、これを運搬し、又は圧延、鍛造、焼入、伸線等の加工を行なう作業
(七) 溶融金属を運搬し、又は鋳込みする作業
(八) 溶融ガラスからガラス製品を成型する作業
(九) ゴムを加硫缶により加熱加硫する作業
(一〇) 熱源を用いる乾燥室について、被乾燥物を装入し、又は乾燥物を取り出す作業
二 第二号関係
(一) 多量の液体空気、ドライアイス等を取扱う場合にこれらのものが皮膚にふれ、又はふれるおそれのある作業
(二) 冷蔵倉庫業、製氷業、冷凍食品製造業における冷蔵庫、製氷庫、貯氷庫、冷蔵庫等の内部に出入して行なう作業
三 第三号関係
電離放射線障害防止規則第三条に規定する管理区域内において行なう同規則第二条第三項各号に掲げる作業
四 第四号関係
じん肺法施行規則別表に掲げる作業(同規則第二条の認定を受けた作業を除く。)
五 第五号関係
(一) 潜函工法、潜鐘工法、圧気シールド工法その他の圧気工法による大気圧をこえる圧力下の作業室、シヤフト等の内部における作業
(二) ヘルメツト式潜水器、マスク式潜水器その他の潜水器(アクアラング等)を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押ポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて行なう作業
六 第六号関係
(一) さく岩機、びよう打機、はつり機、コーキングハンマ、スケーリングハンマ、コンクリートブレーカ、サンドランマ等の手持ち打撃空気機械(ストローク七〇ミリメートル以下であつて、かつ、重量二キログラム以下のものを除く。)を用いて行なう作業
(二) チエンソー又はブツシヨクリーナ(刈払機)を用いる作業
七 第七号関係
重量物を取り扱う(人力により、持ち上げ、運び又は下に卸す)作業であつて、その対象物がおおむね三〇キログラム以上であるもの
八 第八号関係
(一) さく岩機、びよう打機、はつり機、コーキングハンマ、スケーリングハンマ、コンクリートブレーカ、鋳物の型込機等圧縮空気を用いる機械工具を取り扱う作業
(二) 圧縮空気を用いて溶融金属を吹き付ける作業
(三) ロール機、圧延機等により金属を圧延し、伸線し、歪取りし、又は板曲げする作業(液圧プレスによる歪取り又は板曲げ及びダイスによる線引きを除く。)
(四) 動力を使用するハンマを用いて金属の鍛造又は成型を行なう作業
(五) 両手で持つハンマを用いて金属の打撃又は成型を行なう作業
(六) タンブラにより金属製品の研ま又は砂落しを行なう作業
(七) チエン等を用い、動力によりドラム缶を洗滌する作業
(八) ドラムバーカを用いて木材を削皮する作業
(九) チツパを用いてチツプする作業
(一〇) 抄紙機を用いて紙を抄く作業
九 第九号関係
(一) 鉛中毒予防規則第一条第五号に掲げるもののうち、屋内作業場又はタンク等の施設内において行なう船業務(同規則第二条の規定により適用を除外されたものを除く。)
(二) 四アルキル鉛中毒予防規則第一条第五号に定める四アルキル鉛業務(同規則第一条第五号の規定により適用を除外されたものを除く。)
(三) クロームメツキ槽のある屋内作業場におけるメツキ状況の看視、加工物のメツキ槽への取付け及び取りはずし、メツキ後の加工物の水洗等の一連の作業
(注) この場合、ゼロミスト等で無水クローム酸の液面を覆つても、有害要因の発散源を密閉したものとはみなさない。
(四) 有機溶剤中毒予防規則第一条第一項第三号に掲げるもののうち、屋内作業場又はタンク等の施設内において行なうもの(同規則第二条又は第三条の規定により適用を除外されたものを除く。)
(五) 地下駐車場の業務のうち、入車受付け業務、出庫受付け業務、料金徴収業務、自動車誘導等の場内業務、洗車等のサービス業務