◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー
労働衛生保護具検定規則の一部を改正する省令の施行並びに防じんマスクの規格及び防毒マスクの規格の適用について
昭和37年7月24日基発第781号
(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)
改正 昭和54年7月26日基発第382号
今般、労働衛生保護具検定規則の一部を改正する省令並びに防じんマスクの規格及び防毒マスクの規格が別途送付したとおり制定され、昭和三十七年六月一日から施行及び適用されたが、今回の省令改正の要点、監督指導にあたつて留意すべき点等については、下記のとおりであるので了知のうえ、労働衛生行政の一層の進展に配意されたい。
よつて、防じんマスクの規格及び防毒マスクの規格の内容については、別途送付する資料を参考とされたい。
記
一 労働衛生保護具検定規則の一部を改正する省令について
(1) 改正の要点
イ 従来、検定を行なう保護具の種類は、別表一により防じんマスク、同ろ過材及び同排気弁に限られていたものであるが、今回の改正により、防じんマスク、防毒マスク及び防毒マスクの吸収かんの三種に改められるとともに、検定を受けるために必要なものの提出数が定められたこと。
ロ 検定手数料が、防じんマスクについて改められるとともに、防毒マスク及び防毒マスクの吸収かんについて新たに定められたこと。
(2) 監督及び指導の留意点について
検定に合格したマスクに付される検定合格標章A及び防毒マスクの吸収かんに付される検定合格標章Bの表示は、次の例示のとおりであるので、適正な使用の確認に当つては当該表示に留意すること。
イ 防じんマスク
注 No.の下の枠に検定番号を、DR(防じんマスクの略号)の右の枠に防じんマスクの種類を直結式にあつては「直」、隔離式にあつては「隔」の略号で、等級を特級にあつては「特」、一級にあつては「一」、二級にあつては「二」の略号で刻印する。
ロ・ハ 削除
二 防じんマスクの規格について
(1) 規格改正の目的
昭和三十年告示第一号により定められた「防じんマスク」の適用以降、新しいろ過材が開発され、従前に比べ著しく性能の高い防じんマスクが製造されるようになるとともに、防じんマスクの材料として合成樹脂が大幅に使用されるようになつたので、これに即応するため防じんマスクの規格を改正したものである。
(2) 防じんマスクの使用に関する監督及び指導にあたつての留意点
イ 経過措置
昭和三十七年五月三十一日までに、旧規格に基づく検定に合格し、検定合格標章を付した防じんマスクについては、昭和三十八年五月三十一日までは、なお使用できるので留意すること。
ロ 防じんマスクの選択並びにろ過材の交換について
(イ) マスクの等級別使用区分については、別掲の「防じんマスクの等級別使用区分」を目安とすること。
(ロ) マスクの選択にあたつては、次の点について考慮すること。
A マスクは、粉じん捕集効率が高いものほどよい。
B マスクは、吸気、排気抵抗の小さいものほどよい。
C マスクは、吸気抵抗上昇率の低いものほどよい。
D 重量の小さいものほどよい。
E 視野の広いものほどよい。
F 顔面への密着性の大きいものがよい。
G 重心の位置で顔面に特に強い圧迫感のないものがよい。
H 使用後の手入れの簡単なものがよい。
(ハ) 作業強度の大きい場合には、特に粉じん捕集効率の高いものを選ぶこと。
(ニ) マスクのろ過材は、通常の使用状態では六カ月毎に、使用条件の苛酷な場合では三カ月毎に新しいものと取換えること。
防じんマスクの等級別使用区分の例示
粉じんの種類 |
作業名 |
使用すべきマスクの等級 |
1 ベリリウム、ひ素、鉛、マンガン、亜鉛等中毒をおこすおそれのある粉じん |
粉じん(ヒユームを含む。)を発散する場所における作業 |
特級 |
2 放射性物質の粉じん |
|
|
備考
1 削除
2 中毒をおこすおそれのあるガス、蒸気又はミストを混在した粉じんを発散する場所においては、それぞれの有毒ガス、蒸気又はミストに対応する防毒マスクを使用すること。
ハ その他
昭和二十六年基発第二五号(防じんマスクの使用に関する指導並びに監督要領)によること。
三 防毒マスクの規格について
(1) 規格制定の目的
防毒マスクは、その性能の優秀性とともに、確実性が要請されるものであるので、国家検定を行なうことによつてこれを確保するため、検定の基準としての規格を定めたものである。
(2) 防毒マスクの使用に関する監督及び指導の留意点について
イ 規格の適用について
(イ) 防毒マスクの規格は、アンモニア用及び亜硫酸・硫黄用のものにあつては本年六月一日から、普通ガス用及び有機ガス用のものにあつては本年十二月一日から、それぞれ適用されるものであるが、本年八月三十一日までに販売された前者については昭和三十九年八月三十一日までの間は、昭和三十八年二月二十八日までに販売された後者については昭和四十年二月二十八日までの間は、適用されないこととなつているから留意すること。
(ロ) 削除
ロ 防毒マスクの規格の適用範囲及び防毒マスクの種類
(イ) 削除
(ロ) 防毒マスクは、携帯及び使用の便宜上から吸収剤を入れる吸収かんの大きさに自ら制限をうけ、使用上限度があるので、本規格は、ガス又は蒸気の濃度が二パーセント(アンモニアにあつては、三パーセント)以下のものについて適用されることとしたこと。
(ハ) 削除
(ニ) 防毒マスクの種類は、構造上の分数にしたがつて隔離式防毒マスク、直結式防毒マスク及び直結式小型防毒マスクに区分し、各々についてその使用し得る最高濃度を定めているが、一般的には隔離式防毒マスクは長時間の使用又は比較的高濃度の場所における使用、直結式防毒マスクは短時間の使用又は比較的低濃度の場所における使用、直結式小型防毒マスクは刺戟や臭気を有する程度の場所で作業する場合の使用に適するものであること。
ハ・ニ 削除