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ボイラーの定期自主検査指針
平成10年3月31日自主検査指針公示第1号
1 趣旨
この指針は、ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号)第32条の規定によるボイラーの定期自主検査の適切かつ有効な実施を図るため、当該定期自主検査の検査項目、検査方法及び判定基準について定めたものである。
Ⅱ 検査項目、検査方法及び判定基準
ボイラーについては、次の表の左欄に掲げる検査項目に応じて、同表の中欄に掲げる検査方法による検査を行った場合に、それぞれ同表の右欄に掲げる判定基準に適合するものでなければならない。
1 ボイラー本体
検査項目 |
検査方法 |
判定基準 |
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1.1 |
(1)胴、鏡板、炉筒及び鋳鉄製セクション |
のぞき窓、たき口等から、損傷、変形、過熱、変色、水及び蒸気の漏れ、腐食並びにすす等の付着の有無を調べる。 |
損傷、変形、過熱、変色、漏れ、著しい腐食又はすす等の付着がないこと。 |
(2)各管取付け部及び弁 |
損傷、ボルトの緩み、水及び蒸気の漏れ並びに腐食の有無を調べる。 |
損傷、緩み、漏れ又は腐食がないこと。 |
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1.2 |
水管及び煙管 |
のぞき窓、たき口等から、損傷、膨出、局部過熱、水及び蒸気の漏れ、曲がり、腐食並びにすす等の付着の有無を調べる。 |
損傷、膨出、局部過熱、漏れ、著しい曲がり、腐食又はすす等の付着がないこと。 |
1.3 |
ケーシング及びれんが壁 |
[1] 損傷、異臭、塗装の変色、取付け金具の緩み、すす等の付着及び腐食の有無を調べる。 |
[1] 損傷、異臭、変色、緩み、すす等の付着又は著しい腐食がないこと。 |
2 燃焼装置
検査項目 |
検査方法 |
判定基準 |
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2.1 |
温度調節器 |
[1] 作動状態を調べる。 |
[1] 油温が設定範囲内にあること。 |
2.2 |
(1)配管 |
燃料油の漏れの有無を調べる。 |
漏れがないこと。 |
(2)グランド部 |
シール部について燃料油の漏れ及び異常昇温の有無を調べる。 |
漏れ又は異常昇温がないこと。 |
|
(3)軸受 |
振動、油漏れ及び過熱の有無並びに給油状態を調べる。 |
振動、油漏れ又は過熱がなく、油量及び油質が適当であること。 |
|
(4)回転部 |
異常音及び異常振動の有無を調べる。 |
異常音又は異常振動がないこと。 |
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2.3 |
(1)ノズル、スタビライザ(保炎器)及びアトマイジングカップ |
焼損、変形、損耗及びすす等の付着の有無を調べる。 |
焼損、変形、損耗又はすす等の付着がないこと。 |
(2)ロータリバーナの軸受 |
振動、油漏れ及び過熱の有無並びに給油状態を調べる。 |
振動、油漏れ又は過熱がなく、油量及び油質が適正であること。 |
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(3)空燃比調節機構 |
O2 メータ、CO2 メータ等により、空燃費( 空燃空気と燃料の比率) を調べる。 |
O2 値、CO2 値等が適正であること。 |
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2.4 |
バーナ |
[1] 焼損、変形、損傷及びすす等の付着の有無を調べる。 |
[1] 焼損、変形、損傷又はすす等の付着がないこと。 |
2.5 |
金網等 |
[1] 損傷の有無を調べる。 |
[1] 損傷がないこと。 |
2.6 |
バーナタイル及び炉壁 |
のぞき窓、たき口等から、変形、焼損、脱落、損傷及びすす等の付着の有無を調べる。 |
変形、焼損、脱落、損傷又はすす等の付着がないこと。 |
2.7 |
(1)ストーカ |
運転状態を調べる。 |
運転が円滑に行われていること。 |
(2)火格子 |
目詰まり、損傷、焼損及び変形の有無を調べる。 |
目詰まり、損傷、焼損及び変形がないこと。 |
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2.8 |
(1)回転部 |
[1] 損傷、摩耗、汚れ及び腐食の有無を調べる。 |
[1] 損傷、著しい摩耗、汚れ又は腐食がないこと。 |
(2)軸受 |
異常振動、油漏れ及び過熱の有無並びに給油状態を調べる。 |
異常振動、油漏れ又は過熱がなく、油量及び油質が適正であること。 |
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(3)ベーン及びダンパ |
作動状態を調べる。 |
円滑に作動し、開度の変化が正常であること。 |
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2.9 |
外面 |
[1] 局部過熱による変色の有無を調べる。 |
[1] 変色がないこと。 |
2.10 |
(1)可動板及び取付け枠 |
[1] 変形及び焼損の有無並びに可動状態を調べる。 |
変形又は損傷がなく、可動状態が正常であること。 |
(2)押さえばね |
折損、さび及び汚れの有無を調べる。 |
折損、著しいさび又は汚れがないこと。 |
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2.11 |
(1)油面調節器 |
[1] フロートスイッチの作動状態を調べる。 |
[1] 正常に作動すること。 |
(2)油面計 |
作動状態を調べる。 |
正常に作動すること。 |
備考 ※印を付した検査は、当該ボイラーの関係部分の作動を停止し、安全を確認した上で実施すること。
3 自動制御装置
検査項目 |
検査方法 |
判定基準 |
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3.1 |
起動機構及び停止機構 |
表示灯又は聴音によって、プレパージ、点火、消火及びポストパージの順序並びに時間の変化を調べる。 |
順序又は時間が変化していないこと。 |
3.2 |
(1)保護ガラス及び遮へいガラス |
汚れ、き裂及び割れの有無を調べる。 |
汚れ、き裂又は割れがないこと。 |
(2)ケース |
手で触れることにより、過熱の有無を調べる。 |
過熱していないこと。 |
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3.3 |
※(1)燃料遮断機構 |
必要に応じて、燃焼中に燃料手動止め弁を閉止する等によって火炎を消失させ、燃料遮断機構の作動状態を調べる。 |
燃料遮断機構が正常に作動すること。 |
(2)電磁弁、電動弁及び液動弁 |
駆動部、グランド部及び取付け部の異常の有無を調べる。 |
異常がないこと。 |
|
3.4 |
弁及び空気ダンパ |
低燃焼位置及び高燃焼位置の異常の有無を調べる。 |
異常がないこと。 |
3.5 |
(1)固定ねじ |
緩みの有無を調べる。 |
緩みがないこと。 |
(2)設定部 |
固定した位置の良否を調べる。 |
異常がないこと。 |
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3.6 |
(1)連絡配管及び吹出し管 |
詰まり並びに水及び蒸気の漏れの有無を調べる。 |
詰まり又は漏れがないこと。 |
(2)元弁 |
開閉状態を調べる。 |
全開であること。 |
|
(3)電気接点 |
[1] さび及び焼損の有無を調べる。 |
[1] さび又は焼損がないこと。 |
|
(4)ベローズ |
フロート式のものについては、き裂及び腐食の有無を調べる。 |
き裂又は腐食がないこと。 |
|
※(5)作動機構 |
[1] ボイラー本体の吹出しを行い、徐々に水位を低下させて作動状態を調べる。 |
[1] 設定の水位で給水が開始されること。 |
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3.7 |
(1)連絡配管及び吹出し管 |
詰まり並びに水及び蒸気の漏れの有無を調べる。 |
詰まり又は漏れがないこと。 |
(2)元弁 |
開閉状態を調べる。 |
全開であること。 |
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3.8 |
(1)電機接点 |
[1] 水銀スイッチについては、水銀の変色及び粒状飛散の有無並びにガラスのひび割れ及び装着の緩みを調べる。 |
[1] 水銀に変色又は粒状飛散がなく、ガラスにひび割れ又は緩みがないこと。 |
(2)圧力検出部 |
ベローズ、ダイアフラム等のき裂及び腐食の有無を調べる。 |
き裂又は腐食がないこと。 |
|
※(3)遮断機構 |
蒸気圧力制限器については、必要に応じて、燃焼中に設定圧力を低圧側に移動させた場合における作動状態を調べる。 |
速やかに燃焼が停止し、警報が発せられること。 |
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3.9 |
(1)導管 |
つぶれ、折損及び封入液体の漏れの有無を調べる。 |
つぶれ、損傷又は漏れがないこと。 |
※(2)遮断機構 |
温水温度制限器については、必要に応じて、燃焼中に設定温度を低温側に移動させた場合における作動状態を調べる。 |
速やかに燃焼が停止し、警報が発せられること。 |
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3.10 |
電線接続端子部 |
[1] ねじの緩みの有無を調べる。 |
[1] 緩みがないこと。 |
備考 ※印を付した検査は、当該ボイラーの関係部分の作動を停止し、安全を確認した上で実施すること。
4 付属装置及び付属品
検査項目 |
検査方法 |
判定基準 |
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4.1 |
過熱器管及び管寄せ |
過熱蒸気の温度を調べる。 |
正常な温度範囲内にあること。 |
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4.2 |
管等 |
※[1] 水漏れ、割れ、損傷、腐食及び汚れの有無を調べる。 |
[1] 水漏れ、割れ、損傷、著しい腐食又は汚れがないこと。 |
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4.3 |
4.3.1 |
管等 |
※[1] 割れ、空気の漏れ、損傷、つまり、腐食及び汚れの有無を調べる。 |
[1] 割れ、漏れ、損傷、詰まり、著しい腐食又は汚れがないこと。 |
4.3.2 |
(1)回転体 |
異常振動、きしみ、垂下、詰まり、損傷、腐食及び汚れの有無を調べる。 |
異常振動、きしみ、垂下、詰まり、損傷、腐食又は汚れがないこと。 |
|
(2)軸受部 |
過熱及び潤滑油の漏れの有無を調べる。 |
過熱又は漏れがないこと。 |
||
(3)駆動用モータ |
負荷変動の状態を調べる。 |
異常な負荷変動がないこと。 |
||
4.4 |
(1)樹脂 |
[1] 硬度指示薬を用いて、常用処理水量における処理水の硬度を調べる。 |
[1] 処理水が漏出点を超えていないこと。 |
|
(2)樹脂塔、配管、ストレーナ等 |
水漏れ、腐食及び詰まりの有無を調べる。 |
水漏れ、著しい腐食又は詰まりがないこと。 |
||
(3)操作部(ロータリバルブ) |
[1] 摩耗、ゴム板の破れ及び硬度のリークの有無を調べる。 |
[1] 摩耗、破れ又は硬度のリークがないこと。 |
||
(4)自動制御装置 |
処理工程の順序及び各処理段階の処理時間を調べる。 |
順序及び処理時間が正常であり、設定値どおりに処理されていること。 |
||
(5)薬液溶解槽、かくはん機、附属タンク及びポンプ |
[1] 塩水の漏れ、配管の腐食及び塩水バルブの固着の有無を調べる。 |
[1] 漏れ、腐食又は固着がないこと。 |
||
4.5 |
(1)回転部 |
異常音及び異常振動の有無を調べる。 |
異常音又は異常振動がないこと。 |
|
(2)グランド部 |
[1] メカニカルシールについては、水漏れ及び異常昇温の有無を調べる。 |
[1] 水漏れ又は異常昇温がないこと。 |
||
(3)軸受 |
異常振動、油漏れ及び過熱の有無並びに給油状態を調べる。 |
異常振動、油漏れ又は過熱がなく、油量及び油質が適正であること。 |
||
(4)流量計、圧力計等 |
[1] 電流値及び給水状態を調べる。 |
[1] 電流値が定格値であり、給水状態が正常であること。 |
||
4.6 |
低水位表示 |
低水位にして、低水位の表示及び警報の異常の有無を調べる。 |
異常がないこと。 |
|
4.7 |
(1)弁 |
蒸気及び温水の漏れの有無を調べる。 |
漏れがないこと。 |
|
(2)取付け部 |
蒸気及び温水の漏れ、取付けボルトの緩み、さび並びに汚れの有無を調べる。 |
漏れ、緩み、著しいさび又は汚れがないこと。 |
||
(3)排気管等 |
詰まり及び腐食の有無並びに取付け状態を調べる。 |
詰まり又は著しい腐食がなく、取付けに無理がないこと。 |
||
(4)逃がし管 |
水漏れ及び詰まりの有無を調べる。 |
水漏れ又は詰まりがないこと。 |
||
4.8 |
4.8.1 |
(1)管 |
水及び蒸気の漏れ、損傷、曲がり、並びに腐食の有無を調べる。 |
漏れ、損傷、異常な曲がり又は著しい腐食がないこと。 |
(2)伸縮継手及び管支え金具 |
損傷の有無及び伸縮機能を調べる。 |
損傷がなく、伸縮が正常であること。 |
||
(3)ドレン抜き |
ドレンのたまりの有無を調べる。 |
たまりがないこと。 |
||
4.8.2 |
グランド部及びフラン部等 |
水及び蒸気の漏れ、損傷並びにボルトの緩みの有無を調べる。 |
漏れ、損傷又は緩みがないこと。 |
備考 ※印を付した検査は、当該ボイラーの関係部分の作動を停止し、安全を確認した上で実施すること。