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フォークリフトの定期自主検査指針
平成5年12月20日自主検査指針公示第15号
<編注:本指針は令和5年3月31日の自主検査指針第21号にて廃止されました。>
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第45条第3項の規定に基づき、フォークリフトの定期自主検査指針(労働安全衛生規則第151条の21の定期自主検査に係るもの)を次のとおり公示する。
なお、フォークリフトの定期自主検査指針(昭和56年12月28日付け自主検査指針公示第3号)は、廃止する。
検 査 項 目 |
検 査 方 法 |
判 定 基 準 |
|||
1 ガソリンエンジン |
(1) |
a 始動性 |
エンジンのかかり具合及び異音の有無を調べる。 |
始動が容易で、異音がないこと。 |
|
b 回転状態 |
[1] アイドリング時及び無負荷最高回転時の回転数を調べる。 |
[1] メーカーの指定する基準値内であり、回転が円滑であること。 |
|||
c 排気の状態 |
[1] エンジンを十分に暖機した状態で、アイドリング時から高速回転時までの排気色及び排気音の異常の有無を調べる。 |
[1] 排気色及び排気音が正常であること。 |
|||
d エアクリーナー |
[1] ケースのき裂、変形及びふた部、接続管等の緩みの有無を調べる。 |
[1] ケースのき裂、変形又はふた部、接続管等に緩みがないこと。 |
|||
e 締付け |
シリンダーヘッド及びマニホールドの締付け部のボルト及びナットの緩みの有無を調べる。 |
緩みがないこと。 |
|||
f 弁すき間 |
弁すき間を調べる。 |
メーカーの指定する基準値内であること。 |
|||
g 圧縮圧力 |
圧縮圧力を調べる。 |
メーカーの指定する基準値内であること。 |
|||
h 過給機 |
[1] アイドリング時から高速回転時までの異常振動及び異音の有無を調べる。 |
[1] 異常振動又は異音がないこと。 |
|||
i エンジンマウント |
[1] ブラケットのき裂及び変形の有無を調べる。 |
[1] き裂又は変形がないこと。 |
|||
(2) 潤滑装置 |
[1] オイルパン内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 |
[1] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 |
|||
(3) 燃料装置 |
[1] 燃料タンク、燃料ポンプ、ホース、パイプ等からの燃料漏れの有無を調べる。 |
[1] 燃料漏れがないこと。 |
|||
(4) 高圧ガス燃料装置 |
[1] 導管及び接続部のガス漏れの有無を調べる。 |
[1] ガス漏れがないこと。 |
|||
(5) ブローバイガス還元装置 |
[1] メターリングバルブに負圧をかけ、バルブの作動の適否を調べる。 |
[1] 正常に作動すること。 |
|||
(6) 冷却装置 |
[1] 冷却水の量及び汚れの有無を調べる。 |
[1] 水量が適正で、著しい汚れがないこと。 |
|||
(7) 点火装置 |
[1] ディストリビューターキャップのき裂の有無を調べる。[2] 高圧コード端部の損傷の有無並びにディストリビューターへのはめ込みの適否を調べる。 |
[1] き裂がないこと。 |
|||
(8) |
a 充電装置 |
電流計及び充電表示灯によって機能の適否を調べる。 |
正常に機能すること。 |
||
b バッテリー |
[1] 電解液の量を調べる。 |
[1] 規定範囲内にあること。 |
|||
c 配線 |
[1] 接続部の緩みの有無を調べる。 |
[1] 緩みがないこと。 |
|||
2 ディーゼルエンジン |
(1) |
a 始動性 |
[1] エンジンのかかり具合及び異音の有無を調べる。 |
[1] 始動が容易で、異音がないこと。 |
|
b 回転の状態 |
[1] アイドリング時及び無負荷最高回転時の回転数を調べる。 |
[1] メーカーの指定する基準値内であり、回転が円滑であること。 |
|||
c 排気の状態 |
[1] エンジンを十分に暖機した状態で、アイドリング時からの高速回転時までの排気色及び排気音の異常の有無を調べる。 |
[1] 排気色及び排気音が正常であること。 |
|||
d エアクリーナー |
[1] ケースのき裂、変形及びふた部、接続管等の緩みの有無を調べる。 |
[1] ケースのき裂、変形又はふた部、接続管等に緩みがないこと。 |
|||
e 締付け |
シリンダーヘッド及びマニホールドの締付け部のボルト及びナットの緩みの有無を調べる。 |
緩みがないこと。 |
|||
f 弁すき間 |
弁すき間を調べる。 |
メーカーの指定する基準値内であること。 |
|||
g 圧縮圧力 |
圧縮圧力を調べる。 |
メーカーの指定する基準値内であること。 |
|||
h 過給機 |
[1] アイドリング時から高速回転時までの異常振動及び異音の有無を調べる。 |
[1] 異常振動又は異音がないこと。 |
|||
i エンジンマウント |
[1] ブラケットのき裂及び変形の有無を調べる。 |
[1] き裂又は変形がないこと。 |
|||
(2) 潤滑装置 |
[1] オイルパン内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 |
[1] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 |
|||
(3) 燃料装置 |
[1] 燃料タンク、噴射ポンプ、ホース、パイプ等からの燃料漏れの有無を調べる。 |
[1] 燃料漏れがないこと。 |
|||
(4) 冷却装置 |
[1] 冷却水の量及び汚れの有無を調べる。 |
[1] 水量が適正で、著しい汚れがないこと。 |
|||
(5) |
a 充電装置 |
電流計及び充電表示灯によって機能の適否を調べる。 |
正常に機能すること。 |
||
b バッテリー |
[1] 電解液の量を調べる。 |
[1] 規定範囲にあること。 |
|||
c 配線 |
[1] 接続部の緩みの有無を調べる。 |
[1] 緩みがないこと。 |
|||
3 電動機・制御装置等 |
(1) 電動機 |
[1] ブラシの摩耗量及び当たりの状態を調べる。 |
[1] 摩耗量がメーカーの指定する基準値内であり、当たりが正常であること。 |
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(2) |
a コントローラー |
[1] 車輪を浮かせ、モーターの低速時から高速時までの回転状態並びに異音及び異臭の有無を調べる。 |
[1] 回転が円滑で、異音又は異臭がないこと。 |
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b コンタクター |
[1] 接点の緩み、損傷及び摩耗の有無を調べる。 |
[1] 緩み、損傷又は著しい摩耗がないこと。 |
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c マイクロスイッチ |
[1] 開閉のタイミング及び作動の適否を調べる。 |
[1] タイミングが適正で、正常に作動すること。 |
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d 抵抗器 |
[1] 取付けボルト及びナットの緩みの有無を調べる。 |
[1] 緩みがないこと。 |
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e 過電流制限装置 |
走行用及び荷役用モーターの最大電流を調べる。 |
メーカーの指定する基準値内であること。 |
|||
f 安全装置 |
強制的に安全装置を作動させ、作動の有無を調べる。 |
確実に作動すること。 |
|||
g ヒューズ |
[1] 取付けボルト及びナットの緩みの有無を調べる。 |
[1] 緩みがないこと。 |
|||
h 配線 |
[1] 接続部の緩みの有無を調べる。 |
[1] 緩みがないこと。 |
|||
(3) 充電装置 |
[1] タイマーの作動の適否を調べる。 |
[1] 正常に作動すること。 |
|||
(4) バッテリー |
[1] 電解液の量を調べる。 |
[1] 規定の範囲内にあること。 |
|||
4 動力伝達装置 |
(1) クラッチ |
[1] アイドリング状態でクラッチを切り、異音の有無を調べるとともにトランスミッションを変速し、クラッチの切れ具合を調べる。 |
[1] 異音がなく、クラッチが完全に切れること。 |
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(2) クラッチペダル |
[1] 反復操作してペダルの重さ及び戻り具合を調べる。 |
[1] 重さ及び戻り具合が適正であること。 |
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(3) クラッチマスターシリンダー |
[1] クラッチペダルを反復操作し、油漏れの有無を調べる。 |
[1] 油漏れがないこと。 |
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(4) クラッチレリーズシリンダー |
圧力をかけた状態をしばらく保持し、油漏れの有無を調べる。 |
油漏れがないこと。 |
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(5) トランスミッション |
[1] 前進及び後進状態で駆動させて作動状態並びにレバーの抜け及び異音の有無を調べる。 |
[1] 正常に作動し、レバーの抜け又は異音がないこと。 |
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(6) トルクコンバーター |
[1] 負荷をかけ、異音の有無を調べる。 |
[1] 異音がないこと。 |
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(7) プロペラーシャフト |
[1] 駆動させて振れの有無を調べる。 |
[1] 異常な振れがないこと。 |
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(8) デファレンシャル |
[1] 車輪を浮かせて駆動し、異音の有無を調べる。 |
[1] 異音がないこと。 |
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(9) ファイナルドライブ |
[1] 車輪を浮かせて駆動し、異音の有無を調べる。 |
[1] 異音がないこと。 |
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5 走行装置 |
(1) フロントアクスル |
[1] き裂、損傷及び変形の有無を調べる。 |
[1] き裂、損傷又は変形がないこと。 |
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(2) リヤアクスル |
[1] き裂、損傷及び変形の有無を調べる。 |
[1] き裂、損傷又は変形がないこと。 |
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(3) ホイール |
[1] 空気圧を調べる。 |
[1] メーカーの指定する基準値内であること。 |
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(4) サスペンション |
リンク、スプリング等のき裂、損傷及び変形並びに取付けボルト及びナットの緩みの有無を調べる。 |
き裂、損傷、変形又は緩みがないこと。 |
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6 操縦装置 |
(1) ハンドル |
[1] 走行状態でハンドルの振れ及び取られの有無並びに戻り具合及び重さを調べる。 |
[1] 振れ又は取られがなく、戻り具合及び重さが正常であること。 |
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(2) ギヤボックス |
[1] ボックス内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 |
[1] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 |
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(3) ロッド及びアーム類 |
[1] き裂、損傷及び曲がりの有無を調べる。 |
[1] き裂、損傷又は曲がりがないこと。 |
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(4) ナックル |
[1] キングピンのがたの有無を調べる。 |
[1] がたがないこと。 |
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(5) かじ取り車輪 |
[1] ハンドルを左右に切って旋回し、最小旋回半径及びステアリング角度を調べる。 |
[1] メーカーの指定する基準値内であること。 |
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(6) パワーステアリング装置 |
[1] 油圧ポンプを作動させ、ポンプ、バルブ、ホース、パイプ等からの油漏れの有無を調べる。 |
[1] 油漏れがないこと。 |
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(7) ステアリング用チェーン、ワイヤケーブル等 |
張り具合並びに損傷及び摩耗の有無を調べる。 |
張りが適正で、著しい損傷又は摩耗がないこと。 |
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7 制動装置 |
(1) 走行ブレーキ |
[1] ペダルの遊び及びペダルを踏み込んだときのペダルと床板とのすき間を調べる。 |
[1] メーカーの指定する基準値内であること。 |
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(2) 駐車ブレーキ |
[1] レバーをいっぱいに引いた状態で、引きしろの余裕の有無を調べる。 |
[1] 余裕があること。 |
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(3) ロッド、リンク及びケーブル類 |
[1] 損傷の有無及びクランプの緩みの有無を調べる。 |
[1] 損傷又は緩みがないこと。 |
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(4) ホース及びパイプ |
[1] 圧力をかけ、油漏れ及びエア漏れの有無を調べる。 |
[1] 油漏れ又はエア漏れがないこと。 |
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(5) オイルブレーキ |
[1] ペダルを反復操作し、マスターシリンダー及びホイールシリンダーの作動状態を調べる。 |
[1] 円滑に作動すること。 |
|||
(6) エアブレーキ |
[1] ペダルを反復操作し、ブレーキチャンバーロッドのストローク及び戻り具合を調べる。 |
[1] ストロークがメーカーの指定する基準値内であり、戻り具合が正常であること。 |
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(7) ブレーキ倍力装置 |
[1] チェック弁及びリレー弁の作動の適否を調べる。 |
[1] 正常に作動すること。 |
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(8) ブレーキドラム及びブレーキシュー |
[1] ドラムとライニングのすき間を調べる。 |
[1] メーカーの指定する基準値内であること。 |
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(9) バックプレート |
[1] き裂、損傷及び変形の有無を調べる。 |
[1] き裂、損傷又は変形がないこと |
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(10) ブレーキディスク及びパッド |
[1] ペダルを反復操作し、パッドを安定させた後、ブレーキの引きずりの有無を調べる。 |
[1] 引きずりがないこと。 |
|||
(11) 駐車ブレーキドラム及びライニング |
[1] ドラムとライニングのすき間を調べる。 |
[1] メーカーの指定する基準値内であること。 |
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8 荷役装置 |
(1) フォーク |
[1] フォーク止めピン部の変形、き裂及び摩耗の有無を調べる。 |
[1] 変形、き裂又は著しい摩耗がないこと。 |
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(2) マスト、ストラドルアーム及びリフトブラケット |
[1] 変形、き裂及び損傷の有無を調べる。 |
[1] 変形、き裂又は損傷がないこと。 |
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(3) チェーン及びチェーンホイール |
[1] チェーンの張り具合を調べる。 |
[1] 左右均等であること。 |
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(4) アタッチメント装置 |
[1] 本体への取付け状態を調べる。 |
[1] 正常であること。 |
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9 油圧装置 |
(1) 作動油タンク |
[1] 取付け部及び溶接部並びにカバー、継手、油面計等の接続部からの油漏れの有無を調べる。 |
[1] 油漏れがないこと。 |
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(2) フィルター |
[1] フィルターエレメントを取り出し、汚れ、目詰まり及び損傷の有無を調べる。 |
[1] 汚れ、目詰まり又は損傷がないこと。 |
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(3) 配管 |
[1] き裂、損傷、老化、ひび割れ及びねじれの有無を調べる。 |
[1] き裂、損傷、老化、ひび割れ又はねじれがないこと。 |
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(4) 油圧ポンプ |
[1] パイプ及びホースとの継手部並びにシール部からの油漏れの有無を調べる。 |
[1] 油漏れがないこと。 |
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(5) 油圧モーター |
[1] パイプ及びホースとの継手部並びにシール部からの油漏れの有無を調べる。 |
[1] 油漏れがないこと。 |
|||
(6) 油圧シリンダー |
[1] 作動状態を調べる。 |
[1] 円滑に作動し、異音がないこと。 |
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(7) 方向制御弁 |
[1] レバーを操作し、作動状態を調べる。 |
[1] 円滑に作動すること。 |
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(8) 電磁弁 |
[1] 作動させて異音及び異常発熱の有無並びに作動の適否を調べる。 |
[1] 異音又は異常発熱がなく、正常に作動すること。 |
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(9) 回転継手 |
負荷をかけた状態で回転させ、回転状態及び油漏れの有無を調べる。 |
||||
10 安全装置・車体関係等 |
(1) 車枠及び車体 |
[1] シャシーフレーム、クロスメンバー、フェンダー、サイドガード等のき裂及び変形の有無を調べる。 |
[1] き裂又は著しい変形がないこと。 |
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(2) キャブ |
[1] き裂、変形、腐食及び雨漏りの有無を調べる。 |
[1] き裂、変形、腐食又は雨漏りがないこと。 |
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(3) 座席 |
[1] 調整・ロック装置の作動の適否を調べる。 |
[1] 正常に作動すること。 |
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(4) 昇降設備及び滑り止め |
[1] き裂、損傷及び変形の有無を調べる。 |
[1] き裂、損傷又は著しい変形がないこと。 |
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(5) 表示板 |
構造規格に規定された表示板その他の注意・指示銘板等の損傷の有無及び取付け状態を調べる。 |
損傷がなく、適正に取付けられていること。 |
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(6) ヘッドカード及びバックレスト |
[1] 取付けボルト及びナットの緩みの有無を調べる。 |
[1] 緩みがないこと。 |
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(7) 灯火装置、 |
[1] 各スイッチ類を操作し、作動の適否及び取付け状態を調べる。 |
[1] 正常に作動し、適正に取付けられていること。 |
|||
(8) 計器類 |
エンジンを回転させた状態及び走行状態で、各計器の作動状態を調べる。 |
正常に作動すること。 |
|||
(9) 後写鏡及び反射鏡 |
汚れ及び損傷の有無並びに写影の状態を調べる。 |
汚れ又は損傷がなく、写影が正常であること。 |
|||
(10) 給油脂 |
[1] 各部の給油脂状態を調べる。 |
[1] 給油脂が十分であること。 |
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11 総合テスト |
走行及び作業テストを行い、機能を調べる。 |
各装置が正常に作動し、異常振動、異音又は異常発熱がないこと。 |
備考
1 この指針は、フォークリフトについて、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第151条の21の規定により、1年以内に、定期に自主検査を行う場合の検査項目、検査方法及び判定基準を定めたものである。
2 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)の適用を受けるフォークリフトであって、同法第48条第1項に基づく定期点検基準に定める点検と同等以上の点検を荷役装置又は作業装置以外の部分について実施し、その点検を行ったことが記録等により確認されるものについては、当該部分に係る自主検査を省略して差し支えないものであること。