◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー
危険又は有害な業務に現に就いている者に対する安全衛生教育に関する指針
平成元年5月22日安全衛生教育指針公示第1号
改正 平成2年12月1日安全衛生教育指針公示第2号
平成5年9月30日安全衛生教育指針公示第3号
平成8年12月4日安全衛生教育指針公示第4号
平成27年8月31日安全衛生教育指針公示第5号
令和3年3月17日安全衛生教育指針公示第6号
労働安全衛生法(昭和四七年法律第五七号)第六〇条の二第二項の規定に基づき、危険又は有害な業務に現についている者に対する安全衛生教育に関する指針を次のとおり公表する。
1 名称 危険又は有害な業務に現に就いている者に対する安全衛生教育に関する指針
2 趣旨 この指針は、労働安全衛生法第六〇条の二第二項の規定により事業者が危険又は有害な業務に現に就いている者に対して行う、当該業務に関する安全又は衛生のための教育について、教育の内容、時間、方法及び講師並びに教育の推進体制の整備等その適切かつ有効な実施のために必要な事項を定めたものである。
3 内容の閲覧 内容は、労働者労働基準局安全衛生部安全課及び労働衛生課並びに都道府県労働基準局安全衛生課(北海道労働基準局、東京労働基準局、神奈川労働基準局、愛知労働基準局、大阪労働基準局、兵庫労働基準局及び福岡労働基準局にあっては、安全課及び労働衛生課)において閲覧に供する。
危険又は有害な業務に現に就いている者に対する安全衛生教育に関する指針
Ⅰ 趣旨
この指針は、労働安全衛生法(昭和四七年法律第五七号)第六〇条の二第二項の規定に基づき事業者が労働災害の動向、技術革新等社会経済情勢の変化に対応しつつ事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者(以下「危険有害業務従事者」という。)に対して行う、当該業務に関する安全又は衛生のための教育(以下「安全衛生教育」という。)について、その内容、時間、方法及び講師並びに教育の推進体制の整備等その適切かつ有効な実施のために必要な事項を定めたものである。
事業者は、危険有害業務従事者に対する安全衛生教育の実施に当たっては、事業場の実態を踏まえつつ本指針に基づき実施するよう努めなければならない。
Ⅱ 教育の対象者及び種類
1 対象者
次に掲げる者とする。
(1) 就業制限に係る業務に従事する者
(2) 特別教育を必要とする業務に従事する者
(3) (1)又は(2)に準ずる危険有害な業務に従事する者
2 種類
一に掲げる者が当該業務に従事することになった後、一定期間ごとに実施する安全衛生教育(「定期教育」)又は取り扱う機械設備等が新たなものに変わる場合等に実施する安全衛生教育(「随時教育」)とする。
Ⅲ 教育の内容、時間、方法及び講師
1 内容及び時間
(1) 内容
労働災害の動向、技術革新の進展等に対応した事項
(2) 時間
原則として一日程度とする。
なお、安全衛生教育の内容及び時間は、教育の対象者及び種類ごとに示す別表の危険有害業務従事者に対する安全衛生教育カリキュラムによるものとする。また、取り扱う機械設備等が新たなものに変わる場合等に実施する随時教育は、運転操作方法のほか点検整備等の実技に関する事項を加えたものとする。
2 方法
講義方式、事例研究方式、討議方式等教育の内容に応じて効果の上がる方法とする。
3 講師
当該業務についての最新の知識並びに教育技法についての知識及び経験を有する者とする。
Ⅳ 推進体制の整備等
1 教育の実施者は事業者であるが、事業者自らが行うほか、安全衛生団体等に委託して実施できるものとする。
事業者又は事業者の委託を受けた安全衛生団体等はあらかじめ安全衛生教育の実施に当たって実施責任者を定めるとともに、実施計画を作成するものとする。
2 事業者は、実施した安全衛生教育の記録を個人別に保存するものとする。
3 安全衛生教育は、原則として就業時間内に実施するものとする。
別表
危険有害業務従事者に対する安全衛生教育カリキュラム
1 揚貨装置運転士安全衛生教育
2 ボイラー取扱業務(労働安全衛生法施行令第20条第3号の業務)従事者安全衛生教育
3 ボイラー溶接業務(労働安全衛生法施行令第20条第4号の業務)従事者安全衛生教育
4 ボイラー整備士安全衛生教育
5 クレーン運転士安全衛生教育
6 移動式クレーン運転士安全衛生教育
7 ガス溶接業務(労働安全衛生法施行令第20条第10号の業務)従事者安全衛生教育
8 フォークリフト運転業務(労働安全衛生法施行令第20条第11号の業務)従事者安全衛生教育
9 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用又は掘削用)運転業務(労働安全衛生法施行令第20条第12号の業務のうち同令別表第7第1号又は第2号に掲げる建設機械の運転の業務)従事者安全衛生教育
9の2 車両系建設機械(基礎工事用)運転業務(労働安全衛生法施行令第20条第12号の業務のうち同令別表第7第3号に掲げる建設機械の運転の業務)従事者安全衛生教育
10 フォークリフト運転業務(労働安全衛生規則第36条第5号の業務)従事者安全衛生教育
11 機械集材装置運転業務(労働安全衛生規則第36条第7号の業務)従事者安全衛生教育
12 ローラー運転業務(労働安全衛生規則第36条第10号の業務)従事者安全衛生教育
13 有機溶剤業務従事者安全衛生教育
14 チェーンソーを用いて行う伐木等の業務(労働安全衛生規則第36条第8号の業務のうちチェーンソーを用いて行うもの及び同条第8号の2の業務)従事者安全衛生教育
15 玉掛業務(労働安全衛生法施行令第20条第16号の業務)従事者安全衛生教育
1 揚貨装置運転士安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近の揚貨装置等の特徴 |
(1) 揚貨装置の構造上の特徴 (2) 荷役方式とその特徴 |
1.0 |
2 揚貨装置の取扱いと点検 |
(1) 揚貨装置の取扱いと安全 (2) 揚貨装置の点検方法 |
2.0 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうち揚貨装置に関する条項 |
3.0 |
計 |
|
6.0 |
2 ボイラー取扱業務(労働安全衛生法施行令第20条第3号の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近のボイラーの特徴 |
(1) ボイラーの構造上の特徴 (2) 制御方式の特徴 |
2.0 |
2 ボイラーの取扱いと保守 |
(1) 水管理 (2) 燃料と燃焼管理 (3) 取扱い方法と点検・整備 |
4.0 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうちボイラーに関する条項 |
1.0 |
計 |
|
7.0 |
3 ボイラー溶接業務(労働安全衛生法施行令第20条第4号の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近のボイラーの特徴 |
(1) ボイラー等の構造上の特徴 (2) ボイラー等用材料の特徴 |
2.0 |
2 最近の溶接法と溶接施工法 |
(1) 溶接法 (2) 溶接施工法 |
1.0 |
3 溶接の要領と溶接部の検査方法 |
(1) 溶接棒とその選定 (2) 溶接部等の性質と溶接性 (3) 溶接欠陥等の防止 (4) 破壊・非破壊試験等 (5) 溶接作業と安全 |
2.0 |
4 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうちボイラー及び圧力容器に関する条項 |
2.0 |
計 |
|
7.0 |
4 ボイラー整備士安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近のボイラーの特徴 |
(1) ボイラー等の構造上の特徴 (2) ボイラー等の損傷を生じやすい箇所 |
1.0 |
2 ボイラー等の整備の要領と作業の安全 |
(1) ボイラー等の清浄 (2) 附属装置等の整備 (3) 清浄・整備作業と安全衛生 |
3.0 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうちボイラー及び圧力容器に関する条項 |
2.0 |
計 |
|
6.0 |
5 クレーン運転士安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近のクレーンと安全装置 |
(1) 構造と制御機構 (2) 安全装置等 |
2.0 |
2 クレーンの取扱いと保守管理 |
(1) 操作方法 (2) 作業計画 (3) 点検・整備 |
2.5 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうちクレーンに関する条項 |
1.5 |
計 |
|
6.0 |
6 移動式クレーン運転士安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近の移動式クレーンと安全装置 |
(1) 構造と制御機構 (2) 安全装置等 |
2.0 |
2 移動式クレーンの取扱いと保守管理 |
(1) 操作方法 (2) 作業計画 (3) 点検・整備 |
2.5 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうち移動式クレーンに関する条項 |
1.5 |
計 |
|
6.0 |
7 ガス溶接業務(労働安全衛生法施行令第20条第10号の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近のガス溶接装置等の特徴 |
(1) ガス溶接装置の構造上の特徴 (2) 安全装置等の特徴 |
1.0 |
2 ガス溶接装置の取扱いと保守 |
(1) ガス溶接作業と安全 (2) ガス溶接装置の点検・整備 |
2.0 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうちガス溶接作業に関する条項 |
2.0 |
計 |
|
5.0 |
8 フォークリフト運転業務(労働安全衛生法施行令第20条第11号の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近のフォークリフトの特徴 |
(1) フォークリフトの構造上の特徴 (2) 各種荷役運搬方法の特徴 |
2.0 |
2 フォークリフトの取扱いと保守 |
(1) フォークリフトによる作業と安全 (2) フォークリフトの点検・整備 |
2.0 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうちフォークリフトに関する条項 |
2.0 |
計 |
|
6.0 |
9 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用又は掘削用)運転業務(労働安全衛生法施行令第20条第12号の業務のうち同令別表第7第1号又は第2号に掲げる建設機械の運転の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近の車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の特徴 |
(1) 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の構造上の特徴 (2) 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の作業装置 (3) 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の安全装置 |
2.0 |
2 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の取扱いと保守 |
(1) 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)による作業と安全 (2) 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の点検・整備 |
2.0 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうち車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)に関する条項 |
2.0 |
計 |
|
6.0 |
9の2 車両系建設機械(基礎工事用)運転業務(労働安全衛生法施行令第20条第12号の業務のうち同令別表第7第3号に掲げる建設機械の運転の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近の車両系建設機械(基礎工事用)の特徴 |
(1) 車両系建設機械(基礎工事用)の構造上の特徴 (2) 車両系建設機械(基礎工事用)の作業装置 (3) 車両系建設機械(基礎工事用)の安全装置 |
2.0 |
2 車両系建設機械(基礎工事用)の取扱いと保守 |
(1) 車両系建設機械(基礎工事用)による作業と安全 (2) 車両系建設機械(基礎工事用)の点検・整備 |
2.0 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうち車両系建設機械(基礎工事用)に関する条項 |
2.0 |
計 |
|
6.0 |
10 フォークリフト運転業務(労働安全衛生規則第36条第5号の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近のフォークリフトの特徴 |
(1) フォークリフトの構造上の特徴 (2) 各種荷役運搬方法の特徴 |
1.5 |
2 フォークリフトの取扱いと保守 |
(1) フォークリフトによる作業と安全 (2) フォークリフトの点検・整備 |
1.5 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうちフォークリフトに関する条項 |
2.0 |
計 |
|
5.0 |
11 機械集材装置運転業務(労働安全衛生規則第36条第7号の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近の機械集材装置等の特徴 |
(1) 機械集材装置の構造上の特徴 (2) 索張方式の特徴 (3) ワイヤロープ等の種類と特徴 |
2.0 |
2 機械集材装置の運転と集材機の保守 |
(1) 機械集材装置の運転上の留意事項 (2) 集材機の点検・整備 |
1.0 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうち機械集材装置に関する条項 |
2.0 |
計 |
|
5.0 |
12 ローラー運転業務(労働安全衛生規則第36条第10号の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近のローラーの特徴 |
(1) ローラーの構造上の特徴 (2) ローラーの作業装置等 |
1.0 |
2 ローラーの取扱いと保守管理 |
(1) ローラーによる作業と安全 (2) ローラーの点検・整備 |
3.0 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうちローラーに関する条項 |
2.0 |
計 |
|
6.0 |
13 有機溶剤業務従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 作業環境管理 |
(1) 有機溶剤蒸気の発散防止対策に係る設備及び換気のための設備並びにそれらの保守、点検の方法 (2) 作業環境の状態の把握及び整備 |
1.5 |
2 作業管理 |
(1) 作業管理の方法 (2) 労働衛生保護具 |
1.0 |
3 健康管理 |
(1) 有機溶剤の種類及び有害性 (2) 有機溶剤の使用される業務 (3) 有機溶剤による健康障害、その予防方法及び応急措置 (4) 健康診断及び事後措置 |
1.5 |
4 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 有機溶剤業務に係る労働衛生関係法令 |
2.0 |
計 |
|
6.0 |
14 チェーンソーを用いて行う伐木等の業務(労働安全規則第36条第8号の業務のうちチェーンソーを用いて行うもの及び同条第8号の2の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 伐木作業等の特徴と作業の安全 |
(1) 伐木造材作業の安全 (2) 大径木、偏心木等の伐木及びかかり木の処理 |
1.5 |
2 チェーンソーの特徴と保守管理 |
(1) チェーンソーの特徴と保守管理 (2) チェーンソー取扱作業の安全 (3) チェーンソー取扱作業時間の管理 (4) チェーンソー及びソーチェーンの点検整備 |
2.0 |
3 健康管理 |
健康診断及び事後措置 |
0.5 |
4 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) チェーンソーを用いて行う業務に係る労働安全衛生関係法令 |
2.0 |
計 |
|
6.0 |
15 玉掛業務(労働安全衛生法施行令第20条第16号の業務)従事者安全衛生教育
科目 |
範囲 |
時間 |
1 最近の玉掛用具等の特徴 |
(1) 玉掛用具等の構造上の特徴 (2) クレーン等の安全装置等の特徴 |
1.0 |
2 玉掛用具等の取扱いと保守管理 |
(1) 玉掛作業の安全 (2) 玉掛用具等の点検・整備 |
2.5 |
3 災害事例及び関係法令 |
(1) 災害事例とその防止対策 (2) 労働安全衛生法令のうち玉掛けに関する条項 |
1.5 |
計 |
|
5.0 |