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金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等
制 定 令和二年七月三十一日厚生労働省告示第二百八十六号
最終改正 令和五年四月三日厚生労働省告示第百六十八号
特定化学物質障害予防規則(昭和四十七年労働省令第三十九号)第三十八条の二十一第二項、第六項<編注:現行第七項>及び第七項<編注:現行第九項>の規定に基づき、金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等を次のように定める。
金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等
(溶接ヒュームの濃度の測定)
第一条 特定化学物質障害予防規則(昭和四十七年労働省令第三十九号。以下「特化則」という。)第三十八条の二十一第二項の規定による溶接ヒュームの濃度の測定は、次に定めるところによらなければならない。
一 試料空気の採取は、特化則第二十七条第二項に規定する金属アーク溶接等作業(次号及び第三号において「金属アーク溶接等作業」という。)に従事する労働者の身体に装着する試料採取機器を用いる方法により行うこと。この場合において、当該試料採取機器の採取口は、当該労働者の呼吸する空気中の溶接ヒュームの濃度を測定するために最も適切な部位に装着しなければならない。
二 前号の規定による試料採取機器の装着は、金属アーク溶接等作業のうち労働者にばく露される溶接ヒュームの量がほぼ均一であると見込まれる作業(以下この号において「均等ばく露作業」という。)ごとに、それぞれ、適切な数(二以上に限る。)の労働者に対して行うこと。ただし、均等ばく露作業に従事する一の労働者に対して、必要最小限の間隔をおいた二以上の作業日において試料採取機器を装着する方法により試料空気の採取が行われたときは、この限りでない。
三 試料空気の採取の時間は、当該採取を行う作業日ごとに、労働者が金属アーク溶接等作業に従事する全時間とすること。
四 溶接ヒュームの濃度の測定は、次に掲げる方法によること。
イ 作業環境測定基準(昭和五十一年労働省告示第四十六号)第二条第二項の要件に該当する分粒装置を用いるろ過捕集方法又はこれと同等以上の性能を有する試料採取方法
ロ 吸光光度分析方法若しくは原子吸光分析方法又はこれらと同等以上の性能を有する分析方法
(呼吸用保護具の使用)
第二条 特化則第三十八条の二十一第七項に規定する呼吸用保護具は、当該呼吸用保護具に係る要求防護係数を上回る指定防護係数を有するものでなければならない。
2 前項の要求防護係数は、次の式により計算するものとする。
PFr=C/0.05
(この式において、PFr及びCは、それぞれ次の値を表すものとする。
PFr 要求防護係数
C 前条の測定における溶接ヒューム中のマンガンの濃度の測定値のうち最大のもの(単位ミリグラム毎立方メートル))
3 第一項の指定防護係数は、別表第一から別表第三までの上欄に掲げる呼吸用保護具の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値とする。ただし、別表第四の上欄に掲げる呼吸用保護具を使用した作業における当該呼吸用保護具の外側及び内側の溶接ヒュームの濃度の測定又はそれと同等の測定の結果により得られた当該呼吸用保護具に係る防護係数が同表の下欄に掲げる指定防護係数を上回ることを当該呼吸用保護具の製造者が明らかにする書面が当該呼吸用保護具に添付されている場合は、同表の上欄に掲げる呼吸用保護具の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値とすることができる。
(呼吸用保護具の装着の確認)
第三条 特化則第三十八条の二十一第九項の厚生労働大臣が定める方法は、同条第七項の呼吸用保護具(面体を有するものに限る。)を使用する労働者について、日本産業規格T八一五〇(呼吸用保護具の選択、使用及び保守管理方法)に定める方法又はこれと同等の方法により当該労働者の顔面と当該呼吸用保護具の面体との密着の程度を示す係数(以下この項及び次項において「フィットファクタ」という。)を求め、当該フィットファクタが呼吸用保護具の種類に応じた要求フィットファクタを上回っていることを確認する方法とする。
2 フィットファクタは、次の式により計算するものとする。
FF=Cout/Cin
(この式においてFF、Cout及びCinは、それぞれ次の値を表すものとする。
FF フィットファクタ
Cout 呼吸用保護具の外側の測定対象物の濃度
Cin 呼吸用保護具の内側の測定対象物の濃度)
3 第一項の要求フィットファクタは、呼吸用保護具の種類に応じ、次に掲げる値とする。
一 全面形面体を有する呼吸用保護具 五〇〇
二 半面形面体を有する呼吸用保護具 一〇〇
別表第一(第二条関係)
防じんマスクの種類 |
指定防護係数 |
||
取替え式
|
全面形面体
|
RS三又はRL三 |
五〇 |
RS二又はRL二 |
一四 |
||
RS一又はRL一 |
四 |
||
半面形面体
|
RS三又はRL三 |
一〇 |
|
RS二又はRL二 |
一〇 |
||
RS一又はRL一 |
四 |
||
使い捨て式
|
DS三又はDL三 |
一〇 |
|
DS二又はDL二 |
一〇 |
||
DS一又はDL一 |
四 |
||
備考 RS一、RS二、RS三、RL一、RL二、RL三、DS一、DS二、DS三、DL一、DL二及びDL三は、防じんマスクの規格(昭和六十三年労働省告示第十九号)第一条第三項の規定による区分であること。 |
別表第二(第二条関係)
防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具の種類 |
指定防護係数 |
||
全面形面体
|
S級 |
PS三又はPL三 |
一、〇〇〇 |
A級 |
PS二又はPL二 |
九〇 |
|
A級又はB級 |
PS一又はPL一 |
一九 |
|
半面形面体
|
S級 |
PS三又はPL三 |
五〇 |
A級 |
PS二又はPL二 |
三三 |
|
A級又はB級 |
PS一又はPL一 |
一四 |
|
フード又はフェイスシールドを有するもの
|
S級 |
PS三又はPL三 |
二五 |
A級 |
|
二〇 |
|
S級又はA級 |
PS二又はPL二 |
二〇 |
|
S級、A級又はB級 |
PS一又はPL一 |
一一 |
|
備考 S級、A級及びB級は、電動ファン付き呼吸用保護具の規格(平成二十六年厚生労働省告示第四百五十五号)第二条第四項の規定による区分(別表第四において同じ。)であること。PS一、PS二、PS三、PL一、PL二及びPL三は、同条第五項の規定による区分(同表において同じ。)であること。 |
別表第三(第二条関係)
その他の呼吸用保護具の種類 |
指定防護係数 |
||
循環式呼吸器
|
全面形面体
|
圧縮酸素形かつ陽圧形 |
一〇、〇〇〇 |
圧縮酸素形かつ陰圧形 |
五〇 |
||
酸素発生形 |
五〇 |
||
半面形面体
|
圧縮酸素形かつ陽圧形 |
五〇 |
|
圧縮酸素形かつ陰圧形 |
一〇 |
||
酸素発生形 |
一〇 |
||
空気呼吸器
|
全面形面体
|
プレッシャデマンド形 |
一〇、〇〇〇 |
デマンド形 |
五〇 |
||
半面形面体
|
プレッシャデマンド形 |
五〇 |
|
デマンド形 |
一〇 |
||
エアラインマスク
|
全面形面体
|
プレッシャデマンド形 |
一、〇〇〇 |
デマンド形 |
五〇 |
||
一定流量形 |
一、〇〇〇 |
||
半面形面体
|
プレッシャデマンド形 |
五〇 |
|
デマンド形 |
一〇 |
||
一定流量形 |
五〇 |
||
フード又はフェイスシールドを有するもの |
一定流量形 |
二五 |
|
ホースマスク
|
全面形面体
|
電動送風機形 |
一、〇〇〇 |
手動送風機形又は肺力吸引形 |
五〇 |
||
半面形面体
|
電動送風機形 |
五〇 |
|
手動送風機形又は肺力吸引形 |
一〇 |
||
フード又はフェイスシールドを有するもの |
電動送風機形 |
二五 |
別表第四(第二条関係)
呼吸用保護具の種類 |
指定防護係数 |
|
防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具であって半面形面体を有するもの |
S級かつPS三又はPL三
|
三〇〇 |
防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具であってフードを有するもの |
一、〇〇〇 |
|
防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具であってフェイスシールドを有するもの |
三〇〇 |
|
フードを有するエアラインマスク |
一定流量形 |
一、〇〇〇 |
附 則
この告示は、令和三年四月一日から施行する。ただし、令和四年三月三十一日までの間は、第二条及び第三条の規定は、適用しない。
改正文(令和四年一一月一七日厚生労働省告示第三三五号 抄)
令和五年四月一日から適用する。
附 則(令和五年三月二七日厚生労働省告示第八八号 抄)
この告示は、令和五年十月一日から適用する。ただし、<編注:後略>
附 則(令和五年四月三日厚生労働省告示第一六八号)
この告示は、令和六年一月一日から適用する。