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ストラドルキヤリヤー構造規格
制 定 昭和五十三年十一月二十五日労働省告示第百三十七号
最終改正 平成十五年十二月十九日厚生労働省告示第三百九十三号
労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第四十二条の規定に基づき、ストラドルキヤリヤー構造規格を次のように定め、昭和五十四年一月一日から適用する。
ストラドルキヤリヤー構造規格
(強度等)
第一条 労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号)第十三条第三項第三十二号に掲げるストラドルキヤリヤー(以下「ストラドルキヤリヤー」という。)の原動機、動力伝達装置、走行装置、制動装置、操縦装置及び荷役装置は、次に定めるところに適合するものでなければならない。
一 使用の目的に適応した必要な強度を有するものであること。
二 著しい損傷、摩耗、変形又は腐食のないものであること。
(安定度)
第二条 ストラドルキヤリヤーは、その最小旋回半径を半径とする円周上を十キロメートル毎時の速度で走行したときに、当該円周の中心側のすべての車輪にかかる荷量の値の合計が、当該ストラドルキヤリヤーの機械総重量(無負荷状態における当該ストラドルキヤリヤーの重量、最大荷重及び五十五キログラムに乗車定員を乗じて得た重量の総和をいう。次条において同じ。)の値の十五パーセント以上の値となる左右の安定度を有するものでなければならない。
2 前項に規定する左右の安定度の計算は、当該ストラドルキヤリヤーが次の状態にあるものとして行うものとする。
一 左右の安定に関し最も不利となる状態
二 水平かつ堅固な面の上にある状態
(走行用制動装置等)
第三条 ストラドルキヤリヤー(油圧又は空気圧を走行用の駆動力として用いるストラドルキヤリヤーで、油圧又は空気圧回路中に制動用のバルブを備えているものを除く。以下この条において同じ。)は、走行を制動し、及び停止の状態を保持するための制動装置を備えているものでなければならない。
2 前項の制動装置のうち走行を制動するための制動装置は、次の表の上欄に掲げる最高走行速度のストラドルキヤリヤーに応じ、それぞれ、同表の中欄に掲げる制動初速度において同表の下欄に掲げる停止距離以内で当該ストラドルキヤリヤーを停止させることができる性能を有するものでなければならない。
最高走行速度(単位 キロメートル毎時) |
制動初速度(単位 キロメートル毎時) |
停止距離(単位 メートル) |
|
機械総重量が二〇トン未満の場合 |
機械総重量が二〇トン以上の場合 |
||
三五以上 |
三五 |
一四 |
二〇 |
二〇以上三五未満 |
二〇 |
五 |
八 |
二〇未満 |
その最高走行速度 |
五 |
八 |
3 第一項の制動装置のうち停止の状態を保持するための制動装置は、無負荷状態のストラドルキヤリヤーを五分の一のこう配の床面で当該ストラドルキヤリヤーを停止の状態に保持することができる性能を有するものでなければならない。
4 第一項の制動装置のうち人力を制動力として用いる制動装置は、次に定めるところに適合するものでなければならない。
一 力量及びストロークの値は、次の表の上欄に掲げる操作の方法に応じ、それぞれ、同表の中欄及び下欄に掲げる値以下とすること。
操作の方法 |
力量(単位 ニュートン) |
ストローク(単位 センチメートル) |
足踏み式 |
九〇〇 |
三〇 |
手動式 |
五〇〇 |
六〇 |
二 停止の状態を保持するための制動装置にあつては、歯止め装置又は止め金を備えていること。
(荷役装置用制動装置)
第四条 ストラドルキヤリヤーの荷役装置は、当該装置の作動を制動するための制動装置を備えているものでなければならない。ただし、油圧又は空気圧を動力として用いるストラドルキヤリヤーの荷役装置については、この限りでない。
2 前項の制動装置は、次に定めるところに適合するものでなければならない。
一 制動トルクの値(荷役装置に二以上の制動装置が備えられている場合には、それぞれの制動装置の制動トルクの値を合計した値)は、ストラドルキヤリヤーが最大荷重の荷をつり上げ、又は積載したときにおける当該ストラドルキヤリヤーの荷役装置のトルクの値の一・五倍以上であること。
二 人力を制動力として用いる制動装置にあつては、次に定めるところによること。
イ 力量及びストロークの値は、次の表の上欄に掲げる操作の方法に応じ、それぞれ、同表の中欄及び下欄に掲げる値以下とすること。
操作の方法 |
力量(単位 ニュートン) |
ストローク(単位 センチメートル) |
足踏み式 |
三〇〇 |
三〇 |
手動式 |
二〇〇 |
六〇 |
ロ 歯止め装置又は止め金を備えているものであること。
三 人力を制動力として用いる制動装置以外の制動装置にあつては、動力がしや断されたときに自動的に作動するものであること。
3 前項第一号の荷役装置のトルクの値の計算においては、荷上げ装置の抵抗はないものとする。ただし、当該荷役装置に七十五パーセント以下の効率を有するウオーム・ウオーム歯車機構が用いられる場合には、その歯車機構の抵抗により生ずるトルクの値の二分の一の値のトルクに相当する抵抗があるものとすることができる。
第六条 ストラドルキヤリヤーは、その走行装置、荷役装置及び制動装置の操作部分について、運転者が見やすい箇所に、当該操作部分の機能、操作の方法等その操作に関し必要な事項が表示されているものでなければならない。ただし、運転者が誤つて操作するおそれのない操作部分については、この限りでない。
(運転に必要な視界等)
第七条 ストラドルキヤリヤーは、運転者が安全な運転を行うことができる視界を有するものでなければならない。
2 ストラドルキヤリヤーの運転者席又は運転補助者席は、振動、衝撃、動揺等により運転者又は運転補助者が容易に転落しない構造のものでなければならない。
3 ストラドルキヤリヤーの運転室に使用するガラスは、安全ガラスでなければならない。
(昇降設備)
第八条 ストラドルキヤリヤーは、運転者が安全に昇降するための設備を備えているものでなければならない。
(方向指示器)
第九条 ストラドルキヤリヤーは、当該ストラドルキヤリヤーの車両中心線上の前方及び後方三十メートルの距離から指示部が見通すことのできる位置に左右に一個ずつ方向指示器を備えているものでなければならない。
(速度計等)
第十一条 ストラドルキヤリヤーは、速度計又は過速度警報器を備えているものでなければならない。ただし、最高走行速度が二十キロメートル毎時未満のストラドルキヤリヤーについては、この限りでない。
(荷役装置の安全率等)
第十二条 ストラドルキヤリヤーの荷役装置(油圧又は空気圧装置で直接つり上げ又は持ち上げる構造のものを除く。以下この条において同じ。)に使用するつりチエーン又はワイヤロープは、次の各号に定めるところに適合するものでなければならない。
一 安全率は、つりチエーンにあつては五以上、ワイヤロープにあつては六以上であること。
二 つりチエーンは、次のイからハまでに該当すること。
イ 伸びが、当該つりチエーンが製造されたときの長さの五パーセント以下であること。
ロ リンクの断面の直径の減少が、当該つりチエーンが製造されたときの当該リンクの断面の直径の十パーセント以下であること。
ハ き裂がないこと。
三 ワイヤロープは、次のイからニまでに該当すること。
イ 一よりの間において、素線(フイラ線を除く。以下この号において同じ。)の数の十パーセント以上の素線が切断していないこと。
ロ 直径の減少が公称径の七パーセント以下であること。
ハ キンクしていないこと。
ニ 著しい形崩れ又は腐食がないこと。
2 前項第一号の安全率は、つりチエーン又はワイヤロープの切断荷重の値を当該つりチエーン又はワイヤロープにかかる荷重の最大の値で除した値とする。
(つり上げ部の固定装置)
第十三条 コンテナーをつり上げる構造のストラドルキヤリヤーは、そのつり上げ部を固定する装置及び当該つり上げ部が固定されたことを運転者席で確認することができる装置を備えているものでなければならない。
(安全弁)
第十四条 ストラドルキヤリヤーの油圧装置は、油圧の過度の昇圧を防止するための安全弁を備えているものでなければならない。
(運転者の座席)
第十五条 ストラドルキヤリヤーの運転者席は、緩衝材の使用により走行時に運転者の身体に著しい振動を与えない構造のものとしなければならない。
(表示)
第十六条 ストラドルキヤリヤーは、運転者の見やすい位置に次の事項が表示されているものでなければならない。
一 製造者名
二 製造年月日又は製造番号
三 第二条第一項の左右の安定度
四 最大荷重
(特殊な構造のストラドルキヤリヤー)
第十七条 特殊な構造のストラドルキヤリヤー又はその部分で、厚生労働省労働基準局長が第一条から前条までの規定に適合するものと同等以上の性能又は効力があると認めたものについては、この告示の関係規定は適用しない。
改正文(平成一一年九月三〇日労働省告示第一一六号 抄)
平成十一年十月一日から適用する。
附 則(平成一二年一二月二五日労働省告示第一二〇号 抄)
(適用期日)
第一 この告示は、内閣法の一部を改正する法律(平成十二年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から適用する。
改正文(平成一五年一二月一九日厚生労働省告示第三九三号 抄)
平成十六年三月三十一日から適用する。