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保護帽の規格
制 定 昭和五十年九月八日労働省告示第六十六号
最終改正 令和元年六月二十八日厚生労働省告示第四十八号
労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第四十二条の規定に基づき、保護帽の規格を次のように定め、昭和五十一年一月一日から適用する。
保護帽の規格
(定義)
第一条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 帽体 着用者の頭部を覆う部品をいう。
二 着装体 ハンモック、ヘッドバンド、環ひも等により構成され、帽体に衝撃が加わつた際に着用者の頭部に加わる衝撃を緩和するために帽体の内部に取り付けられる部品をいう。
三 衝撃吸収ライナー 帽体に衝撃が加わつた際に着用者の頭部に加わる衝撃を緩和するために帽体の内部に取り付けられる部品をいう。
四 あごひも 帽体が着用者の頭部から脱落することを防止するための部品をいう。
(材料)
第二条 保護帽の各部に使用する材料は、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定めるものでなければならない。
区 分 |
材 料 |
帽体 |
合成樹脂又は金属 |
着装体のハンモック及びヘッドバンド |
合成樹脂、合成繊維又は綿 |
あごひも |
合成樹脂、合成繊維、綿又は皮革 |
衝撃吸収ライナー |
発ぽうスチロール又はこれと同等以上の衝撃吸収性能を有するもの |
第三条 保護帽の各部に使用する材料は、次の各号に定めるところに適合するものでなければならない。
一 容易に腐食しないこと。
二 皮膚に障害を与えないこと。
三 使用の目的に適応した耐熱性、耐寒性及び耐水性を有すること。
(構造)
第四条 物体の飛来又は落下による危険を防止するための保護帽は、帽体、着装体及びあごひもを有し、かつ、次の各号に定めるところに適合するものでなければならない。
一 着装体のヘッドバンドは、着用者の頭部に適合するように調節することができること。
二 着装体の環ひもは、環の大きさを調節できないこと。
三 帽体と着装体のヘッドバンドとの間げきは、五ミリメートル以上であること。
第五条 墜落による危険を防止するための保護帽は、帽体、衝撃吸収ライナー及びあごひもを有し、かつ、リベットその他の突出物が帽体の外面から六ミリメートル以上突出していないものでなければならない。
(耐貫通性能)
第六条 物体の飛来又は落下による危険を防止するための保護帽は、次の表の上欄に定める試験方法による試験を行つた場合に、同表の下欄に定める性能を有するものでなければならない。
試験方法 |
性 能 |
一 保護帽を、当該保護帽のヘッドバンドが人頭模型に密着しない状態で装着し、重さ三キログラムの円すい形ストライカを一メートルの高さから当該保護帽の頂部を中心とする直径一〇〇ミリメートルの円周内に自由落下させる。 二 頂部すき間(着用者の頭頂部と帽体内頂部との間げきをいう。以下この号及び第八条第一項において同じ。)を調節することができる保護帽について前号の試験を行う場合には、頂部すき間を最短にして行うものとする。 |
当該円すい形ストライカの先端が人頭模型に接触しないものであること。 |
2 前項の規定による試験に用いる人頭模型は、次の各号に定めるところに適合するものとする。
一 いちよう、かえで、なら、ぶな又はほうを材料としていること。
二 二・八キログラム以上三・二キログラム以下の重さであること。
三 次の図及び表に定める形状及び寸法であること。
人頭模型図(単位 ミリメートル)
(各断面における等高線)
人頭模型寸法表(各水平断面における等高線の極座標)
(単位 ミリメートル)
|
水平断面番号 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
角度(度) |
|
|
|
|
|
|
|
|
0 |
|
28.3 |
46.0 |
58.9 |
68.4 |
81.4 |
89.9 |
94.3 |
15 |
|
28.9 |
47.0 |
59.1 |
67.6 |
82.1 |
89.3 |
94.7 |
30 |
|
29.2 |
47.2 |
59.3 |
66.6 |
79.5 |
87.0 |
92.0 |
45 |
|
29.4 |
46.5 |
58.0 |
63.0 |
75.9 |
82.0 |
85.9 |
60 |
|
30.1 |
45.7 |
57.0 |
61.3 |
73.0 |
77.9 |
82.4 |
75 |
|
31.2 |
45.7 |
56.8 |
61.5 |
71.9 |
75.9 |
80.4 |
90 |
|
33.1 |
46.9 |
57.3 |
63.1 |
73.7 |
77.5 |
81.2 |
105 |
|
35.8 |
50.3 |
61.0 |
67.0 |
77.0 |
81.2 |
84.0 |
120 |
|
39.5 |
55.2 |
66.3 |
72.4 |
80.9 |
84.9 |
88.3 |
135 |
|
43.0 |
58.5 |
68.9 |
75.4 |
84.3 |
87.8 |
91.1 |
150 |
|
45.0 |
58.9 |
69.1 |
76.1 |
84.2 |
89.4 |
93.5 |
165 |
|
45.0 |
58.0 |
67.8 |
74.8 |
83.0 |
89.0 |
93.4 |
180 |
|
44.5 |
57.9 |
67.1 |
73.6 |
82.8 |
89.1 |
94.3 |
3 第一項の規定による試験に用いる円すい形ストライカは、次の各号に定めるところに適合するものとする。
一 円すい形チップは、日本産業規格G四四〇一(炭素工具鋼鋼材)の規格に適合する鋼材で、ロックウエルC硬さが四十五以上五十以下のものを材料としていること。
二 円すい形チップ以外の部分は、日本産業規格G三一〇一(一般構造用圧延鋼材)に定めるSS四〇〇の規格又は日本産業規格G四〇五一(機械構造用炭素鋼鋼材)に定める規格に適合する鋼材を材料としていること。
三 寸法は、次の図に示すところによること。
備考
1 寸法の単位は、ミリメートルとする。
2 円すい形チップの先端は、半径0.5ミリメートルの半球状とする。
第七条 墜落による危険を防止するための保護帽の帽体は、次の表の上欄に定める試験方法による試験を行つた場合に、同表の下欄に定める性能を有するものでなければならない。
試験方法 |
性 能 |
帽体を試験用ジグの頂部リングに、それぞれ、落下点が帽体の前頭部、後頭部及び両側頭部になるようにかぶせ、重さ一・八キログラムの円すい形ストライカを〇・六メートルの高さから自由落下させる。 |
当該試験用ジグの頂部リングの上端から帽体内面のくぼみの最下降点(円すい形ストライカの先端が帽体を貫通した場合にあつては、当該円すい形ストライカの先端)までの垂直距離が一五ミリメートル以下であること。 |
2 前項の規定による試験に用いる試験用ジグは、日本産業規格G三一〇一(一般構造用圧延鋼材)に定めるSS四〇〇の規格に適合する鋼材又は日本産業規格G四〇五一(機械構造用炭素鋼鋼材)に定める規格に適合する鋼材を材料とするものとし、かつ、次の図に示す寸法のものとする。
備考 寸法の単位は、ミリメートルとする。
3 第一項の規定による試験に用いる円すい形ストライカは、次の各号に定めるところに適合するものとする。
一 円すい形チップは、日本産業規格G四四〇一(炭素工具鋼鋼材)の規格に適合する鋼材で、ロックウェルC硬さが六十三以上六十八以下のものを材料としていること。
二 円すい形チップ以外の部分は、日本産業規格G三一〇一(一般構造用圧延鋼材)に定めるSS四〇〇の規格又は日本産業規格G四〇五一(機械構造用炭素鋼鋼材)に定める規格に適合する鋼材を材料としていること。
三 寸法は、次の図に示すところによること。
備考
1 寸法の単位は、ミリメートルとする。
2 円すい形チップの先端は、半径0.5 ミリメートルの半球状とする。
(衝撃吸収性能等)
第八条 保護帽は、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、同表の中欄に定める試験方法による試験を行つた場合に、それぞれ同表の下欄に定める性能を有するものでなければならない。
区 分 |
試験方法 |
性 能 |
物体の飛来又は落下による危険を防止するための保護帽 |
一 保護帽について、高温処理、低温処理又は浸せき処理(以下この表において「高温処理等」という。)をした後、それぞれ、当該保護帽のヘッドバンドが人頭模型に密着しない状態で装着し、重さ五キログラムの半球形ストライカ(日本産業規格G三一〇一(一般構造用圧延鋼材)に定めるSS四〇〇の規格に適合する鋼材を材料とし、かつ、半径四八ミリメートルの半球形衝撃面を有するものに限る。)を一メートルの高さから当該保護帽の頂部に自由落下させる。 二 前号の試験は、高温処理等をした後一分以内に終了するものとする。 三 頂部すき間を調節することができる保護帽について第一号の試験を行う場合には、頂部すき間を最短にして行うものとする。 |
人頭模型に掛かる衝撃荷重(以下この表において「衝撃荷重」という。)が四・九〇キロニュートン以下であること。 |
墜落による危険を防止するための保護帽 |
一 保護帽について、高温処理等をした後、それぞれ、中心線が水平に対し三〇度傾斜している人頭模型に衝撃点が保護帽の前頭部及び後頭部となるように装着し、重さ五キログラムの平面形ストライカ(日本産業規格G三一〇一(一般構造用圧延鋼材)に定めるSS四〇〇の規格に適合する鋼材を材料とし、かつ、直径一二七ミリメートルの衝撃面を有するものに限る。)を一メートルの高さから自由落下させる。 二 前号の試験は、高温処理等をした後三分以内に終了するものとする。 三 着装体を有する保護帽について第一号の試験を行う場合には、当該着装体のヘッドバンドが人頭模型に密着しない状態で装着して行うものとする。 |
一 衝撃荷重が九・八一キロニュートン以下であること。 二 七・三五キロニュートン以上の衝撃荷重が一、〇〇〇分の三秒以上継続しないこと。 三 四・九〇キロニュートン以上の衝撃荷重が一、〇〇〇分の四・五秒以上継続しないこと。 |
2 前項の規定による試験において高温処理、低温処理及び浸せき処理は、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める方法により行うものとする。
区 分 |
方 法 |
高温処理 |
その温度が四八度以上五二度以下である場所に継続して二時間置く方法 |
低温処理 |
その温度が零下一二度以上零下八度以下である場所に継続して二時間置く方法 |
浸せき処理 |
その温度が二〇度以上三〇度以下である水の中に継続して四時間置く方法 |
3 第六条第二項の規定は、第一項の規定による試験に用いる人頭模型について準用する。
(表示)
第九条 保護帽は、見やすい箇所に次の事項が表示されているものでなければならない。
一 製造者名
二 製造年月
三 物体の飛来若しくは落下による危険を防止するためのものである旨又は墜落による危険を防止するためのものである旨
(特殊な構造の保護帽)
第十条 特殊な構造の保護帽で厚生労働省労働基準局長が第二条から第八条までの規定に適合するものと同等以上の性能を有すると認めたものについては、この告示の関係規定は、適用しない。
附 則(平成三年六月五日労働省告示第三九号)
1 この告示は、平成三年八月一日から適用する。
2 平成三年八月一日において、現に製造している保護帽若しくは現に存する保護帽又は現に労働安全衛生法第四十四条の二第一項若しくは第二項の検定に合格している型式の保護帽(当該型式に係る型式検定合格証の有効期間内に製造し、又は輸入するものに限る。)の規格については、なお従前の例による。
改正文(平成一一年九月三〇日労働省告示第一〇九号 抄)
平成十一年十月一日から適用する。
附 則(平成一二年一二月二五日労働省告示第一二〇号 抄)
(適用期日)
第一 この告示は、内閣法の一部を改正する法律(平成十二年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から適用する。
附 則(令和元年六月二八日厚生労働省告示第四八号 抄)
(適用期日)
1 この告示は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年七月一日)から適用する。